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「家族」とは、同じ時間を生きて、五感すべてにいきていると教えてくれた、愛犬。

我が家の愛犬ウィンが、11月に亡くなった。
16歳。
もう長くは生きられないことを日に日に感じていたけれど、まさかこんな早くに。
せめて一緒に2018年を迎えられるまではきっと。
そんな願いは叶わなかった。

その願いだって、本当に只の「願い」であったことにも気づいた。

いま、書きたいことはたくさんあって
けれどまだこの気持ちをすべて文字に書き起こせそうにはない。
その中でもこれは書いておきたいと思ったことがある。

我が家の愛犬パルとお散歩をしている時に思ったこと。
パルが歩く時に鳴る爪の音は、ウィンの爪の音とは違う。
そんなことに気づいた。

お散歩が大好きだったウィンさん。
その大好きな気持ちが伝わってくるような
少し跳ねるように歩く時に鳴る爪の音。

意識したこともなかったけれど、そんなことを私はどこかで覚えていた。

パンを焼こうと袋をガサガサするとすぐ気づいて、「ちょうだい」とワガママを言うウィンさん。
パンの袋を開ける音を聞く度に、そのことを思い出す。

枕を見ると、夜眠る時に枕の横にかならず丸まっていたことを思い出す。
外で何か音がすれば、すぐに走って階段で様子を伺っていたことを思い出す。
窓を開けると、ベランダで日向ぼっこがしたくて飛び出していく姿を思い出す。
とうもろこしを茹でたにおいがすると、自分ももらえると確信を持って大きく開く目を思い出す。
パルの頭を撫でると、パルより少し細くて柔らかい茶色い毛を思い出す。

ちいさいこと。
本当にちいさいことを、たくさん思い出す。

目で見るものに、聞こえる音に、嗅ぐにおいに、手に残る感触に、
色々なウィンちゃんがいる。
日々の中でのたくさんの感覚に、思い出が宿る。

きっと、いつまでも涙ぐんでしまうんだろう。
まだどこかで、ふと、玄関のドアを開けたらウィンが待ってくれているような
テレビの前のスペースに今も寝転んでいるような
料理をし始めると足元をウロウロしているような
そんな気持ちになってしまうんだろう。

わたしの五感すべてに、きっとずっと、いきていくのだろう。

家族ってわたしの五感に生きていくんだと
教えてくれて、ありがとう。

#愛犬
#パピヨン
#秘密結社老犬倶楽部天国支部

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