パティシエというひとたち

パティシエという人は男性が多い。

将来なにになりたいと聞かれて「ケーキ屋さん!」と答えるのは女の子が圧倒的に多いし、現在の現場で実際働く若い子も女の子が多い。

私もパティスリーではないが過去に厨房にいたことがあるが、大きい鍋やボウル、素材の重さも仕込み量が半端でないしヤケドするほど熱かったりかじかむほど冷たかったり、腱鞘炎になる程同じことを続ける。

お菓子は計量やタイミングでグンと出来上がりに影響が出てくるから本当に神経質になるはずなのに、ショーケースに並ぶキラキラしたケーキ達は宝石のように美しくて芸術的で伝統的でアーティスティック。複雑な味の調和が一体化して、もしくは時間差でストーリーを成して香りや舌ざわりと触感と見た目、全てをあわせて感動をくれる。計算された色合いやそれらは本当に本当に作品だ。

そんな繊細なケーキを出すまでの裏側は、気が狂いそうになるほど体力も気力もエネルギーも使い技術や経験やセンスの問われる本当にハードな仕事。そんな中で、それらを突破してきたシェフや作品たちには沢山のストーリーが詰まっていて「聞いてよ!」と教えたくなる秘密や想いがあり、それをひとりでも多くの人に伝えることが私の仕事だった。とてもやりがいのある仕事だった。

男社会の中で頑張る将来有望な女の子のパティシエ達、彼女たちにしかできない、女性らしさや個性も作品には表れるから沢山吸収して、女のシェフとしてはばたいてほしいと切に思う。彼女たちのあのキラキラした笑顔は私の復活の源。

どの職業も素敵なところは沢山あるけど、パティシエという仕事は本当に人を幸せにする。しかも一瞬で。ステキな、ステキな、職業だと私は思う。



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