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酒井順子「子の無い人生」対談がすごい。

「 負け犬の遠吠え」(講談社)
を読んだときから
酒井順子のファンだ。
私はたまたま子供を
産む人生になったけれど

メンタリティとかキャラとしては
仕事に没頭して子供なし
みたいな人生を歩むことも
十分にあり得た気がする。

その酒井順子氏が
「子の無い人生」(角川書店)
の上梓にあたり

首相夫人の安倍昭恵氏と対談している。
テーマはもちろん、
子供のいない人生について。


http://store.kadokawa.co.jp/shop/pages/interview_013.aspx

首相夫妻に子供のいないことは、
政府内やら関係者に
取材していてもしばしば話題にのぼる。

とくに少子化対策が
政策の目玉の現政権においては
その辺の話題も豊富なのだ。

「ほら、やっぱり首相は
お子さんいないからわかんないんだよ」
みたいな辛辣な言葉を聞いたのは
一度や二度ではない。

ただ、それはあくまで
「完全オフレコ」の場。
あれほどの〝華麗なる一族〟に
嫁いだ昭恵夫人の心境やいかに
と思いこそすれ、
面と向かって聞きにくい話に
違いない。

それをこの対談では
ざくりと突いていて、
ちょっと驚く。

子を持たない人生も
「今生での与えられた役割」

ということを昭恵夫人が
口にすることが、
そこに至るまでの苦悩を思わせる。

「好きなことを仕事にする」
というブームが久しい。
そうなったらもちろん
素敵なことに他ならないが
「自分が好きなこと」と
「それで食べていけること」が
必ずしも一致しない場合はままある。

子供の問題にしても職業にしても

思い描いた人生と自分が今生でできることのギャップ

には、切ない面があって
その切なさを噛みしめてしまう夜が
誰しもある。
あるのだけれど
「自分がこうしたい」
追究が果てしなく
繰り広げられている現代で

「自分自分自分追究」を一度外した
アプローチに何らかの
解決が見いだせることもあるように思う。

この対談で出てくる
「今生の役割」という
転換というか割り切りは、
ひとつ救いになるのかも。

うん、すごい対談。




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