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結婚しましたという免罪符。

30代後半を迎えてここ数年は
出産ラッシュと、
第二の結婚ラッシュが続き、
女友達の人生周りが
慌ただしい。
(男友達のそれはもっと早かった)

わたしが幼少期を過ごした
昭和終わりから平成初期の時分は
30代後半なんて
乳幼児子育てはひと段落している
「すっかり落ち着いたお母さん」
ばかりだった。

こんな世の中になるとは
子供の頃には
思ってもいなかったが、
わたしもいまだに
乳幼児を育てているし
二人目以降ラッシュは
まさにいまが盛況だし
少子高齢社会の東京暮らしは
こんなもの。

そうこうして
さまざまの婚姻事情を
見聞きするわけだが、
バラ色の話よりも
波乱万丈の話がやたら多い。

話題になる時点で
なんらかの問題を
はらんでいるからなのだが
しみじみと

結婚てそうまでして

しなくてはならないものなのか。

という気分にさせられることが
少なくない。

「35過ぎてる夫の靴下も下着も
タオルもすべて実母が買い揃え
実は夫は旅行のパッキングも
ひとりでできなかった。
洋服の買い換えは結婚後も
姑同伴で
いまだに銘柄指定のシャンプーが
『これじゃないと肌が荒れる』
との理由で送られてくる‥」

などはかわいいもので

隠し子がいた、
重婚だった、
前の彼女と別れる時の手切れ金で
多額の借金をしていた、
自分の部下と浮気していた、
元彼の子供を妊娠した、

仕事を辞めさせるように
会社に内容証明を送りつけられた、
ある日寝ていたら
家宅捜索が来て夫が逮捕された‥
(どれも周囲で起きた実話)

などなど
事実は小説より奇なりな
ハードな出来事が
結婚にはてんこ盛りで
ついてきたりする。

それでも、結婚は
しないよりしたほうが
いいのか。

経済的安定のため?
いえいえ、むしろ結婚により
借金を抱え込む
ケースもある。

子供をもつため?
日本の場合は一理あるが、
出産適齢期過ぎても
相手探しは
続いていたりする。

わたしがいま思うのは
「一度は結婚した」という
既成事実を得るためというのが
意外と大きいのではないか?
ということだ。

敏腕クリエーターで
貯金も仕事も友達ももっている
女性の先輩は
結婚相談所の扉を叩いて
二児の母になった。

「結婚していないことで
同情されるのだけは嫌だった」という。

わたしはよく
「そんなに早く結婚すると
思わなかった」と言われるが
(たいして早くない)

振り返れば
28歳で当時の彼氏と
結婚した最大の理由は
「なんで結婚しないの?」
と、言われるのにいちいち
答えるのが面倒だったから。

身も蓋もないし
夢のかけらもないと
言われるけれど、
おそらく、
「結婚一度はしました」という
免罪符は
予想以上に使えるカードなのだ。
現代において、いまだ。

仕事先でも対親にしても
安心させられる。
「世間」では

結婚が安心というよりは

未婚が不安、らしい。

未婚で年下のアラサー友人女子は
子供も結婚も
さほど興味ないが
「たかが結婚だってわかってる。
だからこそ、
そのたかが結婚すら
あなたはできないのね、という
目でみられるのがいや」
と、こぼしていた。














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