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あたらしい表現

"Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day,
Rage, rage against the dying of the light."

世の中と心の底から折り合いをつけて生きている人間は、どれくらいいるのだろうか?


最近になって
自分がなんのために何かを作り出しているのか
何を作り出しているのか
何を創り出そうとしているのか
ということについて、考えるタイミングが何度かあったかのように思う。

忙しさにかまけていると
あっという間に数ヶ月、数年とたってしまうようで
時がたってしまってから気づいても、その時は戻らないのだと
今の自分に言い聞かせながら、聞かぬふりをして目の前の作業にただただ時間を費やしている自分がいる。
本当は、目の前のことひとつひとつに全力で取り組めたら一番なのだろう。


鶯谷を舞台にした「うぐいすチャンネル」

最近の新しいチャレンジ。
これまでは、デザイナーとして
また、アートディレクターとして独立したこともあり、
勿論そういったお仕事が多くを占めているのですが
私は、どうしてもグラフィックでなければいけないわけでも
どうしても紙媒体が好きで好きでしょうがない人種ではなく、
わりとミーハーな方の人種である。

ただ、自分を表現する手段がグラフィックしかなかっただけだった。
今はおそらく、次の段階へ行こうと自分自身が葛藤しているのだろう。
これまで自身で創ることの少なかった舞台やショー、
音楽やパフォーマンス、また、アーティストの方々と絡むことで、
新しい自分なりの表現ができるのではないか、という予感がしている。

その新しい表現の場としていま、
山手線で東京駅に続き、唯一地名のない駅である「鶯谷駅」を舞台に
新たな活動をはじめている。


歴史と文化、時代を受け入れてきた「鶯谷」

いま鶯谷駅は、ラブホ街というイメージが強いが
明治までは、たくさんの文化人がこぞって集まっていた
都内で最先端のクリエイティブな街であった。
上野駅の隣にあり、東京芸術大学にも近いこの地は
当時地方からの上京者が集まる場所でもあり、
また外国人が集まりやすい場所でもあったため、
現在のようなラブホテル街になったようだ。
(ものすごく簡略化しています。知識が間違っていたら申し訳ありません)

そんな街に足繁く通っていると
とても面白い人々や、面白い活動をしている方々が本当に多く
少しづつ、私もその輪の中へお邪魔させてもらっています。

新しいものを受け入れる体制があるから
クリエイターが集まりやすい場所でもある。
そのための地盤は固まっている。

曲がりくねった蛇道に、色とりどりの提灯が灯ったらどんなに幻想的だろうか。
駅前に大きくかかる凌雲橋が、天の川のように光ったらなんて素敵なんだろう。
こんなにもホテルがあるのだから、このホテル群にクリエイターを放ったらどうなるのだろうか。

そんな沢山の想いを描きながら、2019年2月に、鶯谷近辺で活動されている方を中心に、座談会を行いました。

当日は、昔からある文化史跡に関わる方から
ホテル経営者、また街起こしの方や芸大生、ご近所の方々まで
約50名ほどの方にご来場いただき、これからの鶯谷についてのビジョンを
限られた時間の中で話すことができました。

たくさんの人の想いが絡み合ったこの地で
自分と、またそこから生みだされる新しい人々との関係の中で
わくわくすること。
ドキドキすること。
新しいことが始まりそうだな、という気持ちが起きること。
そんな想いがこの場所から生まれたらいいなと思い、
これから長く、この場所で楽しく遊ばせてもらおうと思っています。


これからの表現

まずは令和元年。
5月16〜24日。
この地で歴史の深い「正岡子規」が晩年を過ごした場所「子規庵」にて
8名文筆者と、8名のアーティストによる
コラボレーションの展示イベントを行います。

また、5月18日には、アーティストの方数名とゲストの方をお呼びして
「これからの表現」というテーマで、トークイベントを行います。

とっっっても魅力的な方々が参加してくれています!
私の力だけではこんなに素敵な方々が集まるわけもなく
今回は、出版レーベルPAPER PAPERさんとコラボ企画をさせていただきました。


自分が何をできるのか。
なにを表現したいのか。
アーティストであったなら、自分自身と向き合って考える方が多いイメージですが
私はどこまでいってもデザイナーなので
この地を知り尽くしている沢山の方々と
この地を面白がってくれる沢山の方々と一緒に
新しいなにかを発信し続けられたらいいなぁと、今は純粋に考えています。


"あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
老齢は日暮れに 燃えさかり荒れ狂うべきだ
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ"

ありがとうございます!いつの日か、サポート頂けた方の元へ何かしらの形で届くよう、大切に使わせていただきます!