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迷った時に必要なのは、考える力。そして掴み取る勇気と行動力。

「カッコイイものだけがデザインじゃない!
スーパーのチラシだって、ラーメン屋のチラシだってデザインされているんだ!」

PCがあれば誰でもそれっぽいデザインが出来てしまう時代。
だからこそ、たまに目にするこの議題について私の思うところを書いていきます。

興味があるけれど、一歩を踏み出せずにいる
今後の自分の身の振り方に悩んでいる
そういった方に届けばいいなぁと思っています。


デザインってなんだ?

そもそも「デザインとはなにか」を把握出来ている人はごく少数。

日本に住んでいる人の数は統計によると約1億2652万人(平成30年時点)。
その中で、デザイン業事業所数は7747事業所。
従業者数は3万5441人とのこと(平成21年の統計調査)。
割合的に、デザインを専門にしている人は約0.028%

もちろんこの他にも沢山の人が関わっていますが、
それにしても、この割合からものすごく大きく変わることはないでしょう。

「デザイン」というと、デザイナーズハウスや、MoMAストアで売っているような一風変わった商品。
はたまた、普段の生活では使いづらいかもしれない、けれどキュートな雑貨や
世界に名を馳せる有名なファッションブランド。
そういったものを想像する人も、まだまだ世の中に多くいます。


世の中で形になっているものは、全て誰かが作っている

日本に住んでいる人の多くは、仕事をし、家族や友人との時間を過ごし、毎日をそれなりに自分の意思で自由に過ごしていますよね。
その中で「デザイン」は、意識せずとも生活の中に紛れ込んでいます。

住んでいる家
自分で買い揃えた家具や家電製品
お気に入りの服や、毎日のネットサーフィン

どれも、誰かが作ったから存在しています。
それは例えば、毎日届く新聞や、その新聞に入っている折込チラシもそう。
お気に入りのケーキだって、パティシエの方が試行錯誤した結果
見た目も味も満足!となる商品になっているのでしょうし、
電信柱に貼ってある「ペット探しています」のチラシも
ペットの写真や特徴、飼い主の連絡先などの情報がきちんと載っています。

つまりそこには、
伝えたい情報が可視化されているのです。
これがデザインの根源。


デザインにもTPOはある

日常生活の中にも様々なシーンがありますよね。
会社で働いている時。
家族といる時。
友達と遊んでいる時。

社内打ち合わせなのか、クライアントとのミーティングなのか
記者会見なのか、お披露目パーティなのか。
子供といる時なのか、親といる時なのか。

その時々のシーンで、私たちは意識的にせよ無意識的にせよ、
その場のTPOに合わせたスタイルをとっています。

これをデザインに置き換えてみましょう。
ラーメン屋に入った時。
ファッション雑誌のようなイメージで、商品名は全て英語。
外人モデルがおしゃれにラーメンを食べている写真!
……がラーメン屋に置いてあったとして、どう思うでしょうか?
それが、きちんと考えられた企画の上で、あえてそういう表現をして、
お店にくるお客さん達も、その企画を求めて来店するのなら成功かもしれません。
しかし、ラーメンが食べたいと思ってたまたま寄ったお店がそうだった場合、戸惑いますよね?一体なんなんだこの店は?と。

はたまた、世界的に有名なファッションブランドのお店が近所にできたとして。
家に投函されていたそのお店のチラシが、スーパーの激安情報のような見た目だったら、どう思うでしょうか?
ブランド名が同じなだけで、偽物?と思ってしまいませんか?

つまり
デザインとは、必要な情報を必要な人へ届けるために、
必要な姿がどういったものか、
きちんと考えられて作られているもの。
プロが作っているものであれば、尚更しっかり表現しています。


カッコイイものだけがデザインじゃない!の論点とは?

以上を踏まえた上で
「カッコイイものだけがデザインじゃない!
スーパーのチラシだって、ラーメン屋のチラシだってデザインされているんだ!」

ここから考える私の論点とは。

世の中に出ているものは、それぞれ差はあれど必要な情報が必要な人へ届くよう、TPOも含めて考えられています。

つまり「スーパーのチラシ」だって「ラーメン屋のチラシ」だって「尖ったカッコいいデザイン」だって、そのどれもがデザインされていることは、デザイナーであれば恐らく殆どの方は理解していることと思います。

私の考える論点とは
「カッコイイものだけにフォーカスしないで、もっと日常生活に即したデザインにもフォーカスを当ててほしい」
ではなく
「カッコイイものも、日常生活に即したものも、全てを視野にいれた状態で、デザイナーとして自分は何を選択するのか?」
を考えた方が建設的ではないかと思うのです。

単純に言うと、
「自分は何を目標にして、今動いているのか?」
を考えることの方がとっても重要!
単純にデザインに関わっていたいだけであれば、チラシでも、webでも、ゲームでも、広告でも、とにかく関われているだけで幸せだと思うのです。
でも実際はそうではない状況の人もいますよね?


やりたい事が見えているか?

自分は何をやりたいのか。
はじめは漠然としていて良いと思います。
やっていくうちに、好きなもの、得意なもの、苦手なもの。
興味のあるものがだんだん絞られてくるもの。

そして、何より大事なのは
「やりたい事が目の前に現れた時に、掴み取る勇気と行動力を持つこと」
ここで足踏みしてしまって、掴みとれない人はとても多い。

例えば、社内で新しい企画の話があった時。
自ら手を上げて「やりたい!」と言えるかどうか。
これが言える人と、言えずにいる人との差はすごく大きい。

どんなに才能のある人であったとしても、
チャンスを自ら摑み取れなければ、活かすことは出来ません。

毎日を忙しく過ごしているデザイナーの生活では、あっという間に1年や2年すぎていきます。
気がついたらやりたい事に挑戦出来る状況では無くなっていた…。
なんてことのないよう、たまには自分自身と向き合って
自分の心と対話をすることも大事なことだよね。
と、たまーに思い返して、自分自身に言い聞かせています。

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普段はTwitterでグラフィックやエディトリアルデザイン、ファッション業界のことをつぶやいています。興味のある方はこちらもご覧ください。
https://twitter.com/mai_muraguchi

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