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第404話 僕を見つめて、手を握り…、「わたしを見て…」と、ゆかりちゃんが言った(書き直し集-その6)


その日、僕は、朝から麻雀だった。
1日中、麻雀を楽しんで、帰宅したのは19時頃だ。

「ただいま~」と、声をかけてリビングに入ると、ゆかりちゃんが、

ダッ!

と、僕に近づいて、僕の瞳を見つめて言った。

「わたしを見て…」

と。

な、なんだ? 脱ぐのか?

ゆかりちゃんは、僕の正面に回った。

正対し、僕の手をとって、また僕の瞳を見て、

「わたしを見て!」

と言った。


・・・この流れは? ・・・目を、閉じるのかな?

・・・。

一瞬、間があって、ゆかりちゃんは、

「今日は、スッピンなの!」

「エステに行ったら、す、凄いの!!」

「今日は、ものすごくお顔がキレイなの!!」

「肌がキレイになったの!!」


と、一気にまくし立てた。


僕は、「お、おお!」と言った。

勢いに気圧されてだ。

この圧に、否定の言葉なんて、たとえラオウでも出せやしない。

僕はもう一度、「お、お~!」と、言った。

今度はちゃんと、肯定の意味を込めた。

というのは、ゆかりちゃんは、普段から肌がきれいなのだ。
肌は、いつもツルッツルでスベスベだ。

今日が特別キレイかというと、実は、僕には違いがわからない。
いつも、キレイなのだから。

でも、「わからない」とか、「変わらないよ」とか、
そんなことは言わない。

そんなヤボは、言っちゃいけない。


すごく満足気な、ゆかりちゃんは、何度も何度も鏡を見ている。

そして今度は、独り言をはじめた。

「このきれいな顔…、写真に撮っとこぉ~」

そして、スマホで自撮りする。
撮った写真を、すかさずチェックする。

「・・・」

「写真じゃ、わからないなぁ・・・」

と、ゆかりちゃんはボヤいた。


僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。


◆ラッキーの挿絵

僕の妹が描いてくれた、この記事へのイラストだ。

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◆元の記事

この記事は、

第4話 わたしを見て! を、書き直した。





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