見出し画像

ネコを飼うことをもう少し気楽に考えるのに「預かりボランティア」があってほしい

東洋経済のこの記事がバズってから、お金がない人が猫を飼うべきではないという意見がたくさん見受けられるようになりました。
もちろん、猫は病気や怪我の際に大きな出費がかかることは事実です。治療費が負担できないがために保健所やボランティア団体に持ち込むようなことがあってはいけないと思います。
でも、そもそも日本では「猫が飼える環境」であることは珍しく、特に賃貸の場合はペット可の物件を探すのは一苦労。 日本では未だに年間3万匹の猫が殺処分されている現状を鑑みると、持ち家など環境が整っている人が『一気に10万とか治療費がかかると考えると尻込みしちゃう…』という理由で猫との生活をあきらめるのもちょっと違うかなと思うのです。
「よ~~~く懐事情を考えてネコを家族にしよう!以上終わり!」ではなく、ネコの預かりボランティアという選択肢を出して締めてほしかったりします。

私自身、今年の4月から保護猫の預かりボランティアを開始して、今月で約半年を迎えることとなりました。
これまでに里親が決定して譲渡となった猫さんは2匹、今現在わが家にいる「ゆきみ」さんも、まもなくトライアル*に入ることになりました。

*:トライアルとは…里親を希望する方に、実際に自宅で飼ってみて、問題などがないか人間と猫お互いにチェックする期間。一般的には2週間程度で、問題なければそのおうちの猫になる「正式譲渡」の契約書に保護主・里親双方がサインし、譲渡することになる。

ちなみにトップの画像はゆきみさんです。

預かりなら気軽と言っては何ですが

預かりボランティアは、特定の猫と生涯家族として暮らすわけではなく、文字通り、里親さんが決まるまで「自宅で預かる」ボランティアです。気軽、と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、日々、えさをあげたり、水を取り替えたり、トイレをきれいにしたり、スキンシップしたり…というお世話のルーティンを守り、健全なヒトとネコとの生活を築くことができればOKです。

消耗品をどこまで補助していただけるかは、保護団体や個人の保護主さんによりますが、我が家でお世話になっている保護主さんからは、ネコを新しく預かる際に、猫ベッドとカリカリ・おやつ類・おもちゃなどを頂いています。預かっている子が特に気に入ったものがあれば、トライアル時にそのまま新しいお宅へお渡しし、残ったものはまた新しい子が来たときに使います。
自己負担しているのはほぼ猫砂のみ(たまにスーパーなどで気になったおやつを買うくらい)で、全体のランニングコストとしては500円/月 程度です。
気になる医療費については、緊急時はいったん立替えますが、もし受診が必要になった場合の受診料は保護主さん持ちになっています。とはいえ、基礎的な血液検査での健康診断やワクチン等は済ませた状態でうちに来るので、いままで預かっているネコさんを病院に連れて行ったことはありません。

ネコに関するボランティアをはじめたいと思ったとき、すぐに思いつくのが保護団体でのボランティアですが、シェルターの清掃等だと時間的な拘束もありますし、移動にかかる時間や交通費などを考えるとなかなか参加しづらいというのがあると思います。
預かりボランティアなら自宅でお世話すればいいので、交通費や時間的拘束もないのがいいところです。

当然預かりゆえのデメリットもあります

これまでいろいろなメリットを書いてきましたが、当然デメリットもあります。自宅で預かるので、猫さんが来たばかりの数日に夜泣きするとその数日間は寝不足になってしまったり、旅行に出る場合は飼い猫と同じようにペットホテルやペットシッターを頼むなどして、お世話してくれる人を確保する必要があったりします。

ネコとの生活向いてますか

そもそも、ネコと生活したことない人が、急に「あなた、ネコが好きかどうかはおいといて、ネコとの生活向いてますか?」といわれても回答に困ると思うのです。
コンビニでバイトしたことがない人に向かって「あなた、コンビニの仕事が好きかどうかはおいといて、コンビニバイト向いてますか?」と聞いても『う~~ん…やったことないんでちょっとわかんないですねえ…』みたいな回答になりますよね。私はなります。
実際に一緒に生活してみないとわからない、という部分に対して、預かりボランティアが「これからネコ飼ってみようか、どうしようか迷っている人」のアンサーでもあるといいんじゃないかと思います。

『愛着がわいちゃったらどうするの?』

預かりボランティアを始めて、こういうボランティアがあるんだよ~と人に説明したとき、だいたい返ってくるのが「預かっているネコに愛着湧いちゃったときどうするか問題」です。結論から言うと、『それならそれでそのまま、飼いたいんですが、と申し出ればいいんじゃないかしらね』です。
保護主さんもしくは保護団体としても、素性のわからないはじめましての人に譲渡するよりは、すでにどういう人でどういう家なのかわかっていて、ネコも勝手がわかっている家に引っ越し無しでずっといたほうが負担がないことは確かです。そのため、いま預かっているネコをそのまま飼いたい、という申し出はウェルカムであることが多いです。
ただ、団体によっては、預かりボランティアの条件はクリアしているけど譲渡の条件はクリアできないのですいませんがご遠慮くださいということもあるかもしれません。このあたりは、愛着がわきそうでどうしよう。。という方は事前によく確認されたほうがいいでしょう。

ちなみに、いまのところうちでは、預かり期間がみんな結構短め(1ヶ月程度)というのもあり、『じゃ、ばいばいだよ~~元気でね~~~!!』と笑顔で送り出せています。預かりボランティアを始める前に飼っていた猫とは死別だったので、「元気で幸せに暮らしてくれるならオッケー」と送り出せるのもあるかもしれません。

気になった方へ

なんとなく保護猫の預かりが気になったとか、もうちょっと知りたいという方は動画も作ってるのでぜひこちらもごらんください。

(一日の流れを撮影しようとして、朝わざとパジャマで撮影したのですが、よく考えたら朝と晩で同じことしてるので、無駄にパジャマになってしまったという撮影裏話)

実際に預かりボランティアをやってみたいという気持ちになった方はこちらの記事もご参照ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?