女性ボーカルバンドって実際どれくらい少ないの? ~ロック業界の男女比分析してみた~
ロキノンバンドのデータ分析シリーズ、今回は
女性ボーカルのバンドってどれくらい少ないの?
です。
前提として「ロキノン系に限らず、女性がボーカル(≒フロントマン)をやってるロックバンドって少ないよね」というのがあるのですが、
これは一度でもコピーバンドや、楽器をやったことのある方なら共感してもらえるかと思います。
なぜなら、
ボーカルが女性だった瞬間に、コピーできるバンドが激減する
からですね。
実際私もバンドサークルでリードギターやっていたので、友達と女性ボーカルのコピバンも組んだりしていたんですが、特にギターやり始めた頃は
チャットモンチーとGO!GO!7188しか出来る曲なくね?!
状態でした。
東京事変や相対性理論は初心者には難しいし、『キーを変えて男性ボーカルの曲をやる』みたいな高等手段は初心者にはできないし、洋楽はそれはそれで初心者で歌える人が限られるし、
初心者ができるガールズバンド、全然なくない?!
というのは、わりとバンドマンなら全員ぶち当たる壁なんじゃないでしょうか?
というわけで、私の苦い経験を踏まえて今回は
雑誌 rokin'on JAPAN で特集・紹介記事が掲載されたバンドのうち、
何割ぐらいが女性ボーカルなのか?
を調べてみようと思います。
※フェス出演者ではなく雑誌にしたのは、フェスだとアイドル&ポップスの割合が高くて、話変わってきちゃうからですね。
バンドマン以外にはあまり知られていないけど、アイドルやポップスの曲は、その道のプロが弾いてるからそもそも難しすぎて、初心者では到底コピーなんかできないのである!
ちなみにけっこうセンシティブな話題なので最初に書いておくと、別に私は「女性ボーカルのバンドでもいいバンドはたくさんある!」みたいなジェンダー問題や
「ロックはやっぱり男に向いているんだ!」みたいな性差別理論の強化をしたいわけでは全然ないです。
※じゃあなんで調べるの?って疑問は後ほど!
というわけ前置きはここまでにして、早速いってみましょう。
今回の対象は 雑誌rockin'on JAPAN(通称ロキノン)の2018年1月号~9月号で掲載されたアーティストです。
ディスクレビューのような小さな記事を除いた、特集・紹介記事で取り上げられたアーティストは全部で延べ185組。
そのボーカルの男女比を見てみると...
これをグラフにすると...
女性 17.4%
少ないな!思ってた以上に少なかった!!!
まあインストよりは多いけど…これ、数字上はインスト0.5%になってますが、実際はSPECIAL OTHERS ACOUSTICの1バンドのみです。侍かよ。
これが雑誌ロキノンの傾向なのか、日本ロック全体の傾向なのかは難しいところですが、いずれにせよ
日本で売れ筋のロックバンドは、8割以上が男性ボーカル
ということになりそうですね。わかっていた気もするが。。
で、ここからが本題なのですが、私がコレをわざわざ調べようと思ったきっかけとして
最近、女性ボーカルのバンド増えた?
という疑問がありました。
SHISHAMO、パスピエ、ポルカドットスティングレイ、リーガルリリー、yonigeなどなど、ここ最近になって女性ボーカルのロキノン系バンドが増えたなぁと思うシーンが多く、実際どうなのよ?というのを調べようと思ったのがこの記事を書いたきっかけなんですね。
というわけで、さっきの数字と、8年前の2010年1月号~9月号で取り上げられたアーティストの男女比を比べてみました。
まずは、2010年の掲載状況がこんな感じ。
そして、これを今年の数字と比較してみると...
めっちゃ微増。
8年前と比較して3%増加という、誤差ってほどではないけど、増えたってほどでもない数字になりました。本当に微増だな!!
ちなみにこちら、バンドに限らずmiwaやさユりのようなバンド編成以外のアーティストも入っているので、純粋に「バンド編成」という定義でいくともっと少なくなりますね。
逆に男性の場合は、バンド編成以外のアーティスト、つまりシンガーソングライター型が超少ない(星野源ぐらい)
つまり、ロキノン全体の傾向として
男性はバンド、女性はシンガーソングライター
が取り上げられるみたいですね。超ざっくりですが。
そしてそれはほぼイコール日本のロックの流行ということになると思うので、男性シンガーソングライターや、女性ボーカルバンドとして音楽活動をされている方は、ロキノン系以外のファンを狙っていった方がいいのかもな、と思った次第でした。
(逆に敵が少ないから狙うという説もあるかもしれないが)
というわけで、今回はここまで!
個人的にはボーカル志望の女の子が初めて「バンドやりたい!」と思ったとき、コピーできるバンドがもっと増えて欲しいなぁと思いますが、
それ以上にいいアーティストは広まって欲しいし、そこに性別は関係ないよなーというのもあるので難しいところですね。
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