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No way home キッズ達が全宇宙を背負う意味と出てないけど歴代ヒロインにも思いを馳せた

スパイダーマンは大好き。
全てのスパイダーマンフリークの胸にささる、映画No way home公開してすぐ観にいきました。


⚠️ここからネタバレ
ワクワクでした。
お正月と夏休みのおたのしみ、先代の仮面ライダーが、現役ライダーを助けにやってくる、あのフォーマットが、世界規模で人々をワクワクさせるということが証明されましたね。
ヒーロー勢揃い!ウルトラマンと仮面ライダー!というアベンジャーズもワクワクしますが、やっぱり同フォーマットのヒーロー新旧の胸熱さはまた格別です。泣きそう。いや、泣きました。
感動ポイントはたくさんありますよ。
新旧ヒロイン、登場はしていませんが会話には出てました。
サム・ライミ版スパイダーマンのヒロインMJ(メリー・ジェーン・ワトソン)は、日本では人気がありません。恋人をコロコロ変えるところも相まって人気がない。
幼なじみのピーターからピーターの親友ハリーから狼男、一見魔性の女かも知れません。しかし彼女は虐待サバイバーまでは言い過ぎかもしれませんが、父親からいい扱い受けていません。彼氏を取っかえ引っ変えなのも、女優なのも繊細な一面を表現しているのと同時に注目されたい願望があるのかもしれないですね。ピーターはMJのそんな一面を知っていて心を痛めていました。美人でクラスで人気者、高嶺の花に憧れるピーターという図式がトロフィーの意味合いもあって守る対象ヒロインとして造形されている。
「Go get 'em, Tiger!」と送り出す気丈なMJですがまだまだ塔に閉じ込められたプリンセスがヒロインの役割です。
しかし、今回No way homeでMJとはいい距離感でやってるとトビーピーターがいっていたので3で悲劇的な終わりを迎えて傷ついてきたもの同士で大人の関係なんだな、と安心させてくれました。
想像ですけど。
次にグウェン・ステイシーです。
アメイジングスパイダーマンのヒロインは優等生キャラでした。
監督マーク・ウェブはラブストーリーで鳴らした演出家です。
そのせいか、ラブラインの演出は凝ってる気がします。何となくオサレでしたね。それが古参にはピンと来なかったのかも。
グウェンのキャラクターは頭脳明晰、さらに自立している。ヒロインとして100点満点、でしょう。自身のキャリアを選びピーターと別れる決断もできて、科学的にアドバイス(ここ大事)もできる。トカゲに立ち向かう度胸もある。単に守られる対象では無くスーツ着ていないだけで中身はスパイダーマンです。前のMJが掻き乱すことが主な仕事だったことを考えると女性からみても魅力がマシマシのグウェン。
演じるエマ・ストーン、こちらはその後オスカー獲得の演技派であり、才媛です。
グウェン卒業の演説は彼女が書いたと言われています。
悲劇的なグウェンの死に目が行きがちですが、大事なのはピーターは5ヶ月も気力なく落ち込んでいた、それでも立ち上がったことです。あきらかにスパイダーマンの失敗で死んだグウェン。自分を許せなかったであろうピーター、その苦しみを想像するだに胸が痛い。立ち直ったのはグウェンのスピーチ。
「信じるもののために闘おう」
グウェンの死の演出は効果的でした。
闘いの場に「私の選択」で来たことを強調し、ピーターや私たちの気持ちを軽くするためだけに今際の際で不自然にグェンに語らせず、問答無用にグウェンの死をみせた。だからこそスピーチが生き、私たちの心を重くし「死を忘れる」というスピーチが二重にも三重にも響くのです。
マークウェブ監督は流石にそうした機微を描くのがお上手です。
グウェンは自分の選択を後悔しなかったのだろうか。ピーターだけでなくファンもその問いに囚われた。
それだけで成功ではないですか。
興行的に失敗といわれていますが、私は繊細でハリー役のデインの好演もあり、好きですね。
アンドリューピーター最大の後悔、グウェン救出のトラウマをトムホピーターのMJを救うことで叶えるとはなんと粋でしょうか。私たちも救われました。
ほんとにありがとう。
さて、本作主役のトム・ホランド版のヒロインは再びMJ(ミシェル・ジョーンズ・ワトソン)です。
ピーター憧れの女性がヒロインになるパターンから今回は外れています。1作目ホームカミングでは人気者リズに憧れて付き合うまでになりましたがリズはヒロインにはなれませんでした。
スタンバイしていた真のヒロインMJはキラキラしたヒロインではなく等身大で、孤独が苦にならないタイプでした。頭脳明晰なのはもちろん、クールです。獲得する対象、トロフィーからは脱却しました(ピーターにとっては得がたい宝ですが)良いことだと思います。ヒロインは時代を映す鏡。ヒーローと同等なパートナーそれが今のMJの立ち位置です。
トムホピーター版の1番の特徴はキッズであることがかなり入念に強調されているところです。
アベンジャーズでも一応大事にされています(キッズとして)前二作のカップルはなんだかんだ言ってキッズ感はあまりない。
このキッズ達が全宇宙(マルチバース)を背負うわけです。
ヒロインMJは全宇宙の命運がかかったレアクターをピーターから預かって、ピーターに何かあるなら多分躊躇いなく封印を実行するのでしょう。ピーターとMJは立場は同じです。
いくら稀有な子どもと言えど2人プラス1人(親友ネッド)3人が背負うものは大きい。子どもに背負わせる荷が重すぎます。
しかし、そうでしょうか。
ピーターたちはリアルの若者達の置かれている状況と変わらない。
大人達はストレンジさん含めちょっと頼りない。
リアルの子どもたちは間違いなく遠くない未来とんでもない重荷を背負います。
気候変動、食料不足、各国軋轢、課題だらけです。
ピーターはまだほんの子ども。そしてリアルの課題に直面するのも、未来のそんな子どもたちです。
映画のピーターは大学入学不可の通知をそのまま信じ大学に問い合わせるという発想がなかった。
あのシーンの意味はとてつもなく大きい。ストレンジさんが呆れていますが、あれはピーターの粗忽を強調しているのではなくストレンジさん(大人代表の比喩として)の落ち度です。
大人は子どもがこどもであることを案外わすれているのです。そこを大人は気が付かなければならない。あのシーンを入れた制作(ジョン・ワッツ監督だけでなくチーム)に感謝したい。
大人のすることをNo way homeは示している。
ストレンジさんはピーターのヴィラン達を救いたい気持ちに最初反対でした。セオリー通りならやらない方がいいです。ですが、私も、あなたも若い人にそう言っていませんか?「やめとけ、どうせ出来ないよ」と。
チャレンジする若い人の邪魔をせず、見守り、手助けをする。これが大人です。
今回、ヴィラン達も、スパイダーマンズもトムホピーターを見守り助けました。
現代の若い人たちは茨の道を歩むことが決定している。邪魔しないで助けなければならない。全宇宙を背負う映画のピーターとなんら変わりないのです。映画のピーターが子どもで、不運であればあるほど大人たちは子どもについて考えさせられるようになっている。
これほど時間をかけて緻密に計算されているのにスパイダーマンのフォーマット、親愛なる隣人と責任についても鮮やかに解像度高く描いて着地させた。
見事と言うしかない。
ピーターに責任ついて骨身に染みさせる為にメイが犠牲になることはとんでもなくつらいですが、これは必要なのです。
ピーターは大事なパートナー、親友、叔母まで失い、これから彼の歩む道はどうなっていくのか、改めて親愛なる隣人となり、リアルとシンクロして行く展開を楽しみにしたいですね。トム・ホランドは続投のようですし。
私たちのできることは子どもの邪魔をせず、支え、助けることです。
映画のヒーロー達と同じようにね。
全てのスパイダーマンフリークを大満足させた制作チーム、キャストに改めて拍手を!!!
 
SpecialThanks!! おにく

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