【研修医になる前に】春休みにやっておきたい10時間以内の勉強

みなさんこんにちは、内科専攻医のわんです。

国家試験を受けられた皆さんは本当にお疲れ様でした。落ちたら1年間浪人という、とんでもないプレッシャーの中で必修問題の3点問題を解かされたりするのは胃に穴が開くようなストレスだと思います...僕は今でも厚生労働省を少し恨んでます笑🥲

国家試験が終わって、最後の長期休みをエンジョイするのはとっても大切です。
大学の同期と行った卒業旅行の思い出は今でも宝物ですし、今後なかなか会えない人との時間を大切にしてください。

でも、全く勉強ゼロで春休みを過ごすのは少し危険です。というのも働き始めて最初の3ヶ月は分からないことばかりで本当にストレスが多く、かなりポジティブな人でも多かれ少なかれ抑うつ傾向になってしまいます。しかし、少しでも春から使う知識を勉強しておくことでストレスを減らせます

そこで、「春休みのエンジョイに支障の無い、4月からのストレスを少し減らす程度」の勉強すべきこと、教材を10時間以内でできる範囲でおすすめしていきたいと思います。
もっと勉強できる人のためのおすすめも多数紹介しておりますので是非見てみてください!


まずおすすめしたい10時間以内で終わる予習

①感染症の原則(1-2時間)

国試と一番ギャップのある分野が感染症です。国試ではそこまで深く勉強しなかった微生物、抗菌薬の知識は臨床で頻繁に求められ、最初はよく分からず上司に言われた抗菌薬をそのまま出すことになると思います笑
最初はしょうがないし、本で読んでもなかなかしっくり来ない部分なので現場で教科書を参考にしつつ、慣れていくしか無い面も強いです。しかし、感染症診療にはいくつか守るべき原則があり、感染症診療の原則の所だけでも勉強してから診療に臨むと今後の学習効率がグッと上がります
おすすめの教材としてはCarenet TVの「Dr.岡の感染症プラチナレクチャー」の1コマ目を視聴する、または「絶対わかる抗菌薬はじめの1歩」の22ページ目までだけ読んでおくことを推奨します。

もちろん続きも含めて全部やり遂げて具体的な微生物や抗菌薬のことも学ぶ方が力がつきますが、なかなか実際に患者さんを見ないと理解しにくい部分も多く、春休みの予習としては上記の感染症診療の原則的な部分を学べば十分と考えております。
また、岡先生の「感染症プラチナマニュアル」はほとんどの研修医が持ってるポケットサイズのマニュアル本で、病棟でもめちゃくちゃ役立つので買っておいて損は無いです👍

②レントゲン(1日3〜5分×31日)

研修医になってからレントゲンは死ぬほど見ることになります。というのも入院患者は基本的に入院時に全員レントゲンを撮りますし、(何か急変等あった時に元の状態と比較するため)、心不全や肺炎の人など同じ患者さんで何回もレントゲンを撮って病勢を評価することも多いです。なので、レントゲンのある程度の読影は必須になってきます。優れた参考書も数多くありますが、中でもおすすめは「こそレン」という無料のオンライン講座です。

こちらで31日間毎日レントゲン画像が1枚送られてくるので、1日3-5分程度でレントゲンの基礎知識を身につけることができます。思い出作りや引越し等忙しい春休みにおいては短時間でコツコツできるのは魅力的かと思います。
また、さらに余裕があれば「胸部X線・CTの読み方やさしくやさしく教えます!」は非常に分かりやすく胸部画像の知識を開設している素晴らしい参考書なので読んでおくと良いと思います。

③心電図(1時間)

心電図も当然頻繁に使いますが、これに関しては国試レベルの心電図の知識を復習しておけば最低限生きていけます。
特に、ACS房室ブロック心房細動あたりのmedu4やMEC等のビデオ講座の教材をサラッと見返しておきましょう。
余裕があるなら「レジデントのための これだけ心電図」あたりも読んでおくとバッチリですが、心電図は正直循環器の先生以外は国試+α程度の知識で読影して、分からなければ循環器の先生に相談してどうにかしているので、他の分野と比べると予習を焦る必要性は乏しいと思います。

④輸液(30分)

輸液も国試と実臨床のギャップが大きい分野です。輸液は非常に大切で勉強する必要性もありますが、なかなか教科書を読んでも実際の患者さんに投与しないと分からないのであまり予習はしなくても良いと思っています。それよりも、国試レベルの知識を復習して、特に生食、乳酸リンゲル、3号液、5%ブドウ糖液の組成だけは覚えておきましょう。このへんは覚えてないとどういう方針で治療しているのか理解できず、ポリクリ状態になってしまいます笑

輸液の組成(出典 日本医事新報社Webサイト

可能であれば「レジデントのための これだけ輸液」を読み、さらに「シチュエーションで学ぶ 輸液レッスン」まで読んでおけば輸液の勉強はバッチリですが、輸液はとにかく現場で使ってみないと分からない部分が強いので、個人的には教科書を読んだりは就職してからで大丈夫と思っています。

⑤カルテの書き方(3時間)

最後になりますが、カルテの書き方はかなり重要です。担当患者さんのカルテは業務として毎日書かなければいけませんし、指導医との情報共有にも重要で自分がカルテに書いたことを元に指導してもらうことも多いです。また、訴訟になった時にもカルテには証拠としての役割があるので、重要になってきます。そんなカルテですが、最初は書き方が分からず途方に暮れる人が多く、体系的に教えてもらうチャンスも少ないです。そのため、就職する前に予習する必要のある分野と考えています。

「型」が身に付くカルテの書き方」は非常に分かりやすくカルテの記載の仕方が載っており、特にp.2-26の「基本の型」の所だけでも読んでおくとカルテの書き方の基本がある程度はわかります。
余裕があれば「応用の型」の病棟編③までも読んでおくと良いですが、まずは「基本の型」が身についていれば大丈夫です。
もちろん、この本じゃなくてもネットでも何でも良いので、カルテの書き方のイメージは少し掴んでおくと良いです🙆
また、最初のうちは指導医に「私のカルテを添削してくれませんか?」「アドバイスがあれば教えてくれませんか?」等と助言を求めることも有用です。とにかくカルテの書き方は序盤にしっかり身につけましょう

さらに頑張れる人におすすめしたい予習

ここから先に記載することも本当に大切なことばかりですが、貴重な春休みに頑張ってやらなくても働き始めてからで大丈夫なので、万が一暇な日があったら検討する程度にしてください笑

①身体診察の復習

オスキーで一旦は身体診察の基本は身についている人が多いかと思いますが、国試勉強の期間でかなり忘れてるのではないでしょうか。オスキーの教材でも良いですし、「診察と手技がみえる」等の教科書で簡単に復習しておくと良いでしょう。
また、聴診についてはあまり勉強していない人も多いと思うので、自分や友達の正常の心音・肺音を聞いておくことと、youtubeで肺音のcoarse crackles、wheeze、心音の収縮機雑音と拡張機雑音くらいは聞いておくとより良いです🙆

②救急の教科書を読んでおく

多くの研修医にとって、最もプレッシャーや責任があり、辛いのは救急外来の当直です。夜は人手も少ないので頼れる人も少なく、また病棟よりも数倍速いスピードで診療が進んでいくのでゆっくり調べながら診療を行う余裕はありません。そのため、多少は救急の予習をしておくと良いです。
特に獨協医科大学総合診療科のこのyoutube動画で、救急外来でどのように動けば良いか把握しておくことは絶対に救急ローテ前にやっておくと良いです。

救急の教科書は数多くありますが、中でも「救急外来 ただいま診断中!」は本当に分かりやすく、1セクションが短く隙間時間でも読めるのでかなりおすすめです。通して読む時間がなければ、「めまい」と「心筋梗塞」の所は特におすすめなので、そこだけでも読んでおくと急外で一気に動けるようになります。
また、救急の現場ではそのような教科書をゆっくり読む時間は無いので「京都ER」等のポケットに入るマニュアル本を1冊は買っておいて暇な時に読んでおくと良いです。(マニュアル本も急外で患者さんが来てからいきなり見てもどこに何が書いてあるか分かりませんし、1回読んだことあるとスムーズに動けます。)

③内科レジデントの鉄則を読む

聖路加国際病院の監修している、「内科レジデントの鉄則」は恐らくほとんどの研修医が持っている病棟管理から急変対応まで網羅した本当に神のような教科書です✨
読み物としても勉強になりますし、困った時に参照するマニュアル本としても使える最高の1冊です。
とりあえず何を勉強するか迷ったらこの本を読んでいればすぐに病棟で使える実力がつきます👍

④血ガスの勉強

血ガスはかなり難しいイメージがあり、苦手意識のある人も多いのではないでしょうか。しかし、病棟や急外では採血結果が出るのは1時間程度かかり、数分で結果が出る血ガスでまず方針を判断しなければいけないことが多いです。
なので血ガスの最低限の知識は研修医1年目のうちに身につけておきたい所です。

血ガスに関しては「竜馬先生の血液ガス白熱講義150分」が圧倒的に分かりやすいので、まずこれを読んでおくのがおすすめです。短時間で読めるのでそんなに負担にもなりません。
また、本よりもビデオ講座の方が良い方はCarenet TVの「Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編」も本当に分かりやすくておすすめなので、是非ご覧ください。

勉強以外でやっておくべきこと

ここまでおすすめの勉強法を紹介してきましたが、勉強以外に春休みにやっておくと良いことを2つだけ紹介します笑
①タイムズカーシェアの学生会員になっておく

春から生活する場所にもよりますが、都市部ならタイムズカーシェアはめちゃくちゃ便利です。いつでも車を予約でき、予定が変わったらキャンセル等の柔軟なので普段の生活だけでなく旅先等でも使いやすいです。本当は毎月の会員費がかかるサービスですが、学生のうちに学生プランに入っておくと4年間基本料金無しで使えるので絶対に入っておくべきです。なので卒業直前に加入した医者3年目の僕はまだ学生プランで会員費無料で使えています笑
紹介キャンペーンもあるので、誰か周りの人に紹介してもらえるとお互いポイントが入って良さそうです👍  
筆者のID「0011-844568」の紹介でもポイントは貰えますが、私は最近ほとんど使っていないので、誰か周りの使ってる人の紹介で入って恩を売った方が良いかと思います笑

②Carenet TVの株主優待獲得
以前にこちらの記事で書いたのですが、Carenet TVは医師向けのビデオ講座のチャンネルで、本当に魅力的な講座が多く、是非研修医のうちに見てべきコンテンツです。
Carenet TVは本来月額利用料5000円のサービスですが、医師会員はCarenetの株を買えば無料で見ることができます!

1月25日現在 824円×100株で1単位82400円なので、Carenet TVの優待を使えば1年半程度で元が取れる最高の投資になります。もちろん投資ですので、値下がりするリスクもありますが、基本的にはこれほど魅力的な投資はなかなか無いです。
注意点としては株を買うだけでなく、3ヶ月毎に設置される申し込みフォームから優待利用の申し込みが必要なことです。なので、買ってもすぐに使える訳ではありません。

③タイピング練習
就職してから、仕事の大部分の時間はパソコン作業です。カルテ作成、退院サマリー、診療情報提供書など文字を入力しなければならない仕事は多く、タイピングが遅いと時間がかかってしまいます。ですから、タイピングがすごく遅い人は少し春休みのうちに練習しておくと良いかもしれません。
とにかく意識して欲しいのは、最初は遅くても良いので人差し指だけでタイピング、等ではなく下記のような正しい指の位置で入力することです。

出典:タイピンガーZ

練習教材は何でも良いと思いますが、自分は昔は下記のサイトを使っていました。

もちろん医学知識等と比べれば大して重要なことではないので、そんなに時間を割かなくて大丈夫です🙆

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医師になると各種ポイントサイトに登録するだけでポイントが貰え、ちょっとした収入になります。
間違っても国試終了直後に登録するのではなく、医師として医籍番号が発行されてから登録してください!笑
(医学生のうちは登録ポイントは貰えません)
・ケアネット
医療情報サイトのケアネットですが、医師会員は簡単なアンケート、広告動画を見るだけでポイントが稼げ、Amazonギフト券やPontaポイント等に交換できるポイントが貯まります。下記リンクから登録するだけで紹介ポイント1000ptもらえるので、是非登録してください。


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