アトピー持ちのピル飲用について

2017年の12月に不正出血が2週間も続いて不安になって行ったかかりつけの病院でルナベル(中容量ピル)を処方され、それを何も考えずに飲んだ時から今この瞬間まで不調が続いている。ピルを飲んでから持病のアトピーが悪化したという記事がネット上であまりなく、今後の参考や注意喚起のために記録を残そうと思う。

そもそも私は1990年代後半くらいからボルタレンの座薬を使うくらい生理痛がひどく、ドス黒い血液の塊の量も多く、診察と検査で行った病院で痛みに耐えられず車いすで運ばれて、検査の結果両卵巣に腫瘍があることが判明した。片方は6cmを超えていて即開腹手術となり、執刀医から手術の際に逆流した血液が臓器に癒着しまくって背中まで回っていたと聞かされた。その後はブセレリン(吸入)やリュープリン(注射)などで治療し、生理を止める疑似妊娠療法を何回か経て、途中腫瘍ができたりもしたものの消滅し、この何年かは腫瘍マーカーに引っかかることもなく、きれいな子宮だとほめられるまでに回復していた。

2017年の12月の不正出血の診察時に受けた子宮体がんの検査にひっかかり、怯えて一ヶ月近くを過ごしたが、結果はシロ。でも「とにかくホルモンバランスが悪い」とのこと。ルナベルを飲んで様子見とのことで一週間飲用。すぐにデコルテ中心に普段とは違う赤い発疹。主治医も再診で「どうしたの?」とたずねるくらい湿疹がひどくなった。あまりにひどいので先生には「こんなに湿疹に悩まされるくらいならピルを飲まなければよかった、恨んでいる。」と伝えた。それ以来その病院には行っていない。

今までは典型的なアトピー患者であり、湿疹が出る部位もひじやひざの内側や首、顔と一般的な部位だったのに、今はデコルテを中心に奥からヒリヒリチリチリとやけどのような痛みを感じる。胸の奥で火事が起きているみたいに熱いし、痛い。今までと質が違う、赤くて細かくて薄いかさぶたの湿疹が次から次へと出てくる。部位もデコルテを中心に、腕や肩の裏、太ももの裏、おなか、胸、首、顔、頭皮など広範囲に及び、IgEは通常1700くらいだったのが4800を超え、血液検査では白血球の数が激増した。

かゆみや痛みが続いて耐えられず、行きつけの皮膚科で処方されていた非ステロイドの軟膏(私は2011年からステロイド断ちを始めて、2019年3月まで続けていた)も以前ほど効かなくなってしまった。湿疹の質が変わったことを皮膚科医に訴えても以前と同じ薬しか出してくれないため、だんだんと皮膚科から足が遠のいてしまった。

出てくる湿疹の猛威に軟膏が追いついていない感じで、一度出た湿疹はどんどん延焼し始めてくすぶり続けて根本から治ることがない。全身赤みが強くなって毎日落屑が続き、ダイソンのハンディ掃除機のクリアビンが全部かさぶただったこともある。パジャマは傷から出た組織液や軟膏でべたべたになり、洗濯しても油分が落ちずにウエットなまま着用することになり、不快指数も相当なものだった。体調が回復してから「二度と思い出したくない」と真っ先にこの衣服を処分したくらいだ。

2018年の8月には外出もままならなくなり、顔も試合後の殴られたボクサーみたいに腫れ上がることが増え(調べてみたらブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群に症状が似ていた)、食べることもつらくなり一日中寝込むことも多くなった。去年の今頃にはついに食べ物を受け付けなくなり、毎日ローソンのグリーンスムージーのみを摂取する生活を送るまでとなった。「もしかしたらこのまま衰弱して死ぬんじゃないか」とその時初めて死を意識した。アトピーで死ぬわけないと思っていたけど、どうもアトピーの範疇を超えてるし、自分の経験したことがない別次元のステージにいるような気がしたのだ。

ちなみに救急車で運ばれて入院するくらいのレベルまで顔が腫れても病院に行かずに在宅でよくなったのは「ルミンA 100」のおかげ。あれがなかったらどうなってただろう。通常は1錠のところ、毎日6〜10錠飲んでた。謎に包まれた一見怪しげな免疫の薬だけど、効果はすごい。花粉症にもいいらしい。ココカラファインで購入できるので、試したい方はぜひ。高額。

結局2019年3月の後半まで寝たり起きたりの生活を続けていたが、心配が頂点に達した家族に「丁寧に診察してくれる」という近所の皮膚科に強引に連れて行かれて診察してもらうも「紅皮症で手の施しようがなく、うちのクリニックでは何もできない」とさじを投げられ、同じ区内の大学病院へ紹介状を持たされて行くことになり、そこで「中〜重篤のアトピー」と診断され、ストロングのステロイドを処方されて、瀕死の状態からステロイドを塗って2日でなんとか普通の生活を送れるまで元気にはなった。額にして2,000円ちょい。今までの瀕死生活は何だったんだ……と思いきやまだまだ闘病は続く。


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