夜の戯言 作詩2

夜の戯言
論理というものは、きっと誰もが意地悪でない前提でできている。
論理というものは、きっと途中のあきらめでできている。
「悪魔がいることを証明するために一匹の悪魔がいればよい」
そういって悪魔を見つけた人に、ある男が問いかける。
「どんな根拠から、それが悪魔だと言い切れるのですか」
悪魔を見つけた人は答える。
「だってこの悪魔には黒い羽が生えているじゃないか」
ある人は
「ではあなたの中では同じく黒い羽を持った烏も悪魔として認識されているのですか」
「そんなわけないじゃないか」
「では、何をもってこれは悪魔だと言い切れるのですか」
「これは俺の100万ドル欲しいという願いをかなえてくれた」
「シンデレラが舞踏会に行きたいと願ったとき、フェアリーゴッドマザーはそれをかなえてくれました。彼女はあなたにとって悪魔のなのですか」
「心清き人を助ける存在が悪魔なはずがないじゃないか」
「あなたは心清き人ではないのですか。もし、あなたの心が清いのであれば、そいつは悪魔ではないかもしれない。フェアリーゴッドマザーと同じことをしただけなのだから。そもそも心が清いとは何ですか。なぜ、百万ドルを欲したのですか」
「自堕落に暮らしたかったから100万ドル欲しかったのさ。こんな願いが清らかなわけないだろう」
「どうして、自堕落に暮らしたいという願いは清いものではないと考えるのですか。」
長々と、男たちは話し合う。
最初は悪魔を見つけたということについて話していたはずが、いつの間にか心の清さの話に変わり、そのうち、この悪魔は便所のゴキブリとどう違うのかという議論が始まり、明日の料理は奥さんが作るのか、自分が作るのかという話になってしまった。
そのうち男たちは何を話していたのか忘れ去り、星空のもと家路を急いだ。
悪魔と呼ばれた生き物は自分を忘れて話す男たちに呆れ、話の合間にこそりこそりと去って行っていたのだった。


参考
無限後退
https://www.weblio.jp/content/%E7%84%A1%E9%99%90%E5%BE%8C%E9%80%80
一言
「人は空中にレンガを積み立てて家を作ることを議論するとっているに等しいのではないか。」
相も変わらず詩は下手です。ごめんなさい。

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