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名将に学びたい!理想のマネージャーの10の行動

Amazonビデオでこんな番組をやっている。”ペップ”こと名将グアルディオラ率いるマンチェスター・シティーに密着したドキュメンタリー「オール・オア・ナッシング ~マンチェスター・シティの進化~」これが傑作なのです。

いつもウイイレで操っている選手のロッカールームやオフの姿が新鮮(この見方は特殊)なのですが、何にも勝ってペップの選手への接し方がマネージャーとして非常に興味深い。なんだこの人は!と思い、ペップとついでに(ウイイレで重宝している)ユルゲン・クロップに関する本を読んでみたので刺さった内容をシェアします。

☟読んだ本はこちら☟

便宜上、「ペップ本」と「クロップ本」と呼びますね。ではジャンジャン行ってみましょー。

1.リスペクトする

「オール・オア・ナッシング」を視聴していてペップの一番印象的だった点は選手へのリスペクト。とにかく称える。お前たちはナンバーワンだ、お前たちに勝てない相手はいない、と。敗戦後のロッカーでもそう。「今日の試合ぶりはトップクラスのチームに相応しくなかった」という言い回しをする。メンバーの自尊心は傷つけず、かつ、適切に引き締める。

思い出されたい。
さっきチームメンバーに何て注意したか。
「まったくダメ」「今回で何回目?」

ペップの師・リジョ氏は次のように言っている。

「グアルディオラは誰に対してもリスペクトを持って接することができる人間であり、常識を何よりも大切にする。これほど選手として実績を残したにもかかわらず、謙虚であることに驚いた」(ペップ本)

2.言動を一貫させる

リーダーの力の根源は「信頼」であり、信頼は一貫性から生まれる。

「クロップは選手から監督へのキャリアチェンジに成功した。その理由の一つは、監督としても常に「クロップそのもの」であり続けるからであり、それは「クロップの最大の才能」だとハイデルは言う。(中略)クロップが何かを言えばそれはクロップの姿をそのまま反映しており、うわべを装っていないと感じさせるのだ。」(クロップ本)

かつてペップのもとでバルサの黄金時代を築いたシャビはこう言っている。

「つまり、話し方や説明の仕方がうまく、またその内容に一貫性があるため、選手を惹きつけて鼓舞できるのだと思う」(ペップ本)

上司とメンバーとで振舞いが変わる人、頼れないもんね。。芯を持って働きたいものです。

3.期待をかける

心理学では、周囲に対して期待をかけて力を引き出すことを「ピグマリオン効果」と呼ぶ。ペップはこの効果も知ってか知らずか活かしていたようで、ピケは次のように言う。

「ペップは選手のモチベーションを高める能力がすごい。彼の話を聞くと、グラウンドに飛び出して、絶対に試合に勝ってタイトルを獲る!と思わされるんだ」(ペップ本)

一度はメンバーに言われてみたい。「熊谷さんの話を聞くと、すぐ商談に飛び出して、絶対にコンペに勝つんだ!と思わされるんだ」…こんなこと聞いたら泣いちゃうな(笑)

4.最終責任を持つ

いつかハーバード・ビジネス・レビューで「リーダーにはメシア型(いわゆるカリスマ)と父親型がいる」というような内容を読みましたが、まさしく「俺がケツを持ってやる。」というのは後者だろうな。

この内容に関してはクラブに貢献したエトーが翌シーズンの構想に入っておらず、他のクラブへの移籍を促した理由を話すペップが特に印象的。

「エトーは素晴らしい選手であり、それは誰もが知っていることだ。彼はこれまでチームのためにたくさんゴールを挙げ、尽くしてくれた。(中略)しかし、勝利のあとにも、変化は必要だというのが私の考えでもある。(中略)もし、この決断が悪影響を及ぼし、チームが機能しなければ、すべての責任は私にあるし、その時の覚悟は当然できている」(ペップ本)

※ちなみにかなり削りましたが、途中めっちゃエトーのこと称えてます。

5.とにかく話す

最終的な責任を取るためにも自分の考えは十分伝わるようにコミュニケーションする。バルサのセイドゥ・ケイタは言う。

「自分が責任を持つために、しっかり選手たちと話をする。自分の考えを完璧に選手に伝え、それで機能しなければ責任を取るのは自分だと心得ている。」(ペップ本)

6.みんなを労わる

選手の集合写真を載せる際に控えの選手も一緒に写ったものを使うように指示したり、選手以外のスタッフへの労いを忘れない等、配慮を忘れてはいけない。先程のケイタのコメントはこのように続く。

「選手ひとり一人への愛情を感じることができる。試合に出ていないすべての選手にも、チームにとってどれだけ必要な存在かを説き、試合に出たときには、期待に応えなければならないと思わせる」(ペップ本)

そりゃグラウンド飛び出して戦うわけです(笑)

7.やる気を重視する

クロップはやる気に溢れ、周囲に対してもやる気を重視した。「やる気がない奴がいると、クロップは血管がはちきれそうになった」(クロップ本)

どんな業務もそつなくこなすが消極的なメンバーと要領はよくないけどガツガツしているメンバーがいた場合にどちらを重用するだろう。いま楽をしたいと思えば前者になるけど、強いチームを保つにはやる気のあるメンバーを重用しないといけない。

8.緻密に分析する

二人ともサッカー・フリーク(サッカー狂い)と言えるほどサッカーにのめり込んでいる。僕らがそれだけ仕事にのめり込めているかという点はまず自問しなければいけない。

加えて、分析。とにかく分析を重ねる。

クロップは試合内容を広範に分析する。使用するDVDは1週間に30枚にのぼることもあり、それからチームに良いシーンと悪いシーンを見せる。その際はチームをポジション別に分割し、的を絞って話ができるようにする。選手らが休暇に出るときにはトレーニングメニューを持たせてやり、うまくいったらSMSで報告させる。クロップは完璧主義なのだ。(クロップ本)

1週間に30枚のDVD…!!ペップもひとつの試合の為に数試合分の映像を見るとか。試合と商談、絶対数は違うので並列に話せないですが分析はおろかウォーミングアップもなく仕事に臨むのはプロ意識が欠落し…(自戒。そして以下略)

7.責めない

監督は選手をまったく責めず、選手同士で責めることもなかった。(ク本)

ついつい「なんで出来ないんだ!」的なの言ったり、言わずともそんなことを思ったりするのがマネージャーの常。責めずにコーチングすること大事。

8.守る

クロップは、慎重に能力を積み重ね、段階的に成長させるために、選手をいつ守るべきかを理解している。シャヒンの後継者として世間がから課されるプレッシャーと、ドルトムントのプレースタイルに順応する苦労によって、ギュンドアンが足踏みしているように見えたとき、クロップはギュンドアンを前半戦のベンチから外し、メディアの矢面から引き下げた。

試合への出場がかえって選手の育成を阻害してしまうこともあるようで。守るときには凛とした姿勢で守る。カッコいい。

10.手堅い

「僕のチームは技術的に優れている。このチームなら、ブンデスリーガの極端なスピードを前にしても、マイボール時のプレーにしっかりと取り組める」。クロップはこのように、チームを極めて高く評価している。逆の状況はクロップにとって恐怖だ。選手たちに下す指示が選手の能力を超えてしまっている状態である。「最悪の状況は、色々と指示したことが週末にあっさり放棄されてしまうことだ。その瞬間、すべての指示が無駄だったことになる」(クロップ本)

どれだけ理想的な戦略・戦術を唱えたとしても、機能しなければ意味がない。チームのキャパシティを理解して、その中でのベストを探らなければいけない。

トレーニングの出発点は守備の仕方である。(中略)なぜなら、まず守備に全力で集中することには根本的なメリットがあるからだ。すなわち、攻撃と比べて選手の技術に左右される度合いがずっと小さいのである。(中略)コンディションとシステムは格を打ち破る、ということだ。(クロップ本)

何を鍛えるのが最も効果を上げられるのか、冷静に見据える。勝てない試合に勝てる方法でなく、勝てる試合に負けない方法を考える。孫子っぽい。

おわりに

言葉にすると当たり前に聞こえる内容も少なくない。ぜひオール・オア・ナッシングを観て欲しい。身振りや言葉に選手と仕事への愛とエネルギーがあふれている。一緒によいマネージャーを目指しましょう!



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