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うつくしい1週間

慌ただしい週だった。

月曜は一日中たくさんの人に揉まれた。どの方も素晴らしくご自分の職務を果たしておられ、なんてすてきなんだろうと胸を打たれた。

火曜は電車に揺られ遠い遠い街へ。車中、チェックしていたゲラからふと目を上げると真っ青な空が目に染みるようだった。春と夏のあわいは、なぜか大学生のときの思い出が蘇る。期待と不安でいっぱいだったあの頃。

水曜は早朝の新幹線にのって西へ。清らかな志をもつ人々の話をたくさん聞き、しみじみと心のなかで反芻し続けた。頬に降りかかる雨はあたたかく、けぶる風景はどこか幻想的だった。

木曜は暗いうちから起き出して原稿を書いた。夜明けの群青色は世界で一番好きな色だ。色水をすこしずつ薄めていくように明けゆく空、を見ながら原稿を書くのも好きだ。昼ごはんも忘れて書き続けて夜が来て、好ましく思っている人と大好きなバーで大好きなお酒をのんだ。ボウモアはひとりで飲むよりふたりで飲むほうが好きだ。グラスの氷がゆっくりときらめきながら琥珀色に溶けていく、そこに会話があるのはとても官能的な光景だと思う。ひとりで飲むならカクテルがいい。ばかみたいに陽気な色の。

金曜は大好きなお客様と清々しい仕事をした。レインボーブリッジの向こうに見える東京湾は5月の陽光を受け、きらきらと光を投げかけてくる。まるで明るい夢のなかにいるようだった。暮れなずむ帰り道、レイ・ブラッドベリのうつくしいタイトルの短編集と芍薬の花束を買う。芍薬は大好きな花のひとつで、見るたびに「世界がずっと5月と6月だったらいいのに」と思うくらいだ。ぱあっと開いた花弁と、ころんと丸い蕾の取り合わせもかわいい。

土曜と日曜は、目を上げれば芍薬がある部屋で原稿を書くと決めている。ああ、なんてうつくしい1週間だったんだろう。目を閉じると、月曜からここまで見たさまざまな色と光が押し寄せてくる。悲しみを遠くに押しやるかのように。苦しみにやさしく光を当てるかのように。今週も良い人生だった。来週も頑張ろう。


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