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青のようなもの

早朝から仕事をしてパンとスープで遅めの昼食をとり、さあもうひと仕事という日曜の午後。ある数式について説明を受けていたところ、なんということでしょう。急に頭と体がずっしりと水を含んだ毛布のように重くなり、私は抗うすべもなくうたた寝をしてしまったのだった。

目覚めて一番に目に入ったものは、窓のかたちに切り取られた空の青。なんという日曜の空らしい色なのだろう、と寝ぼけまなこながら見入ってしまった。多くの人が知っているように、曜日で空の色は変わらない。月曜はピンクで火曜は緑、そんなことはありえない(少なくとも、2019年の地球では)。それでも「ああ、日曜の青だ」と思うのは、私の心に何らかのバイアスがかかっているからなのだろう。

でも、もしも可能ならばこうした青のようなものを、できるだけ集めていきたいと思うのだった。自分のなかだけで特別な意味を持つ、きらめきのようなものたち。みんなにわかってもらえなくていい、手を伸ばしても届かなくたって構わない。ただ、こうしてときどき出会えたならば、目を奪われてしまうような素敵なものが多い人生でありたい。

2019年下半期の運勢が、本になりました。星座ごとの分冊版もあります。



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