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#47 Mai 〜姉〜

※この文章は2013年〜2015年の770日間の旅の記憶を綴ったものです

翌朝「朝ごはんを食べに来て」とホテルの部屋まで呼びに来てくれた女性はマイ。昨日もカルボさんを迎えに来た車に一緒に乗って、ずっと宿探しに付き合ってくれた彼女は、カルボさんの姪の一人。カルボさんは仕事で忙しく飛び回っていて、その後数回しか顔を合わせることはできなかったため、滞在中はいつも彼女が何かと気遣ってくれた。
まるで遊びに行った親戚の家のお姉さんのようによく面倒をみてくれたので、最初はわたしよりも年上かなと思っていたけれど、実際はわたしよりも10歳近く年下だった。(図々しいわたしはいつも最初は自分の方が年下じゃないかと思うのだけれど、大抵わたしの方が年上だ…)

小柄で顔がとても小さくて(うらやましい!)線が細いイメージのマイは、実のところかなり男前な性格で、とても頼りになる存在だった。
平日は街の文具店で働いているにもかかわらず、午後に休みをとってカンパラ近郊を案内してくれた。カンパラの中心はいつも車がものすごく混雑していて、もちろん信号なんてほとんど無いので大きな道路を渡るのに苦労したものだけど、そんな時、マイがサッとわたしの手を引いて導いてくれると、ふわっと心に温かい安心感が広がった。

特に楽しかったのは、ビクトリア湖畔にある彼女たちの親戚の別荘に連れて行ってもらった時のこと。ウガンダではバイクタクシーのことを「ボダボダ」と呼んでいる(わたしはこの響きがおかしくて好きだった)。お金を節約しているわたしのために大きめのボダボダをつかまえてくると、ドライバーの後ろに、わたしとマイとマイの従妹の4人乗り。大の大人3人が子供の様にキャーキャー言って、お互いにしがみつき笑い合いながら、ビーチまでドライブした。

別荘ではビーチに面した大きな窓のあるリビングに通された。バルコニーに出ると、柔らかく心地良い夕方の風が髪を揺らした。そこから浜辺に降りて、みんなで並んで岩場に座り、湖に足をひたしながら、ビクトリア湖を橙色に染めて沈む夕日を眺めた。

ビクトリア湖の漁
ビクトリア湖岸の漁村で小魚を採っていた少年
漁場のすぐそばでは、採れたての魚がすぐにさばかれて揚げて売られていた
ビーチをのそのそと歩いていた奇妙な大きな鳥たち
マイが連れて行ってくれた親戚のお家で迎えてくれた子供たち
午後のビクトリア湖ビーチに集う人
ビクトリア湖に沈む夕陽
豪快にマンゴーにかぶりつく男前なマイ


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