KILLING EVE

 Fleabag の脚本、主演も全てこなした今を時めくフィービー・ウォーラー=ブリッジ(Phoebe Waller-Bridge)の次なる作品、ということで、 公開前からイギリスでは相当な期待がかけられていた KILLING EVE ですが、 期待を裏切らず面白い。サイコパスの殺し屋ヴィラネル(ジョディ・カマー)の情け容赦のない描写もいいし、MI5で働くイヴ(サンドラ・オー)のリアリティも良い。ファッションが全く不必要にオシャレすぎるのも良い。ヴィラネル、キミは観光大使か、と思わせるほど、ロケーションも良い。頭から離れなくなる音楽も良い。何と言っても会話の間(マ)とウィットが良い。ヴィラネルのキツいアクセントすらもだんだんクセになってくる。

 そのウォーラー=ブリッジが脚本で参加する「BOND 25」の、次なる007が黒人女性だというので、行きすぎたポリコレだ、英騒然、というような発言を目にして、なんだそれは?どこで騒然?と思ってちょっと見てみたら、引用元が Daily Mail でした。Daily Mail が英国民を代表する意見だと思われたら英国民も悲しかろう。
 もはや制作側は「ポリコレのために」なんて思って作っていないと思う。だって、それ、見たいもの。そっちの方がワクワクするもの。見たいと思う人たちがすでにたくさん存在することがわかっているから、作っているんだと思います。Daily Mail の読者向けではないかもしれませんが。

 KILLING EVE に戻って、BBC iplayer でシーズン1を一気見した後、シーズン2からはとりあえずテレビ放送を録画していたものを見始めたのだが、3〜4話くらいまでややダルく、ん〜、これは、もうどっちかというとラブストーリー?それ求めてないな〜、と思い始めた頃に、またグッと惹きつける展開で、次週の放送まで待ちきれず、またも BBC iplayer で残りを一気見してしまいました。面白かった。とりあえずシーズン3を待とう。とはいえ、とてもストレートフォーワードなエンターテイメントドラマで、録画したものを繰り返し見たりすることはないと思うけど、十分楽しかったので星4つくらいつけときます。


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