OSAKA

大阪のことが嫌いになったのは数年前だった。

この10年、つらいことの方が圧倒的に多かった。

何かトラブルが起こる度に事実と異なるバッシングを受けて

異なるどころか全く身に覚えの無い本当に根も葉も無い嘘を広められ

さらには面と向かって「死ね」と言われたときは頭の中が真っ黒になった。

そのほとんどが当時の大阪の(一部の)お客さんだった。

地元愛なんてものは元々持ってなかったので昔から大阪は好きでも嫌いでも無かった。

そんな折、たまたま東京のお客さんたちが我々を面白がってくれていたタイミングとも重なって、ある時期から東京でのライブが極端に増えることになる。

そこに救いを求めていたのかその時期の記憶はあまり無いが(時期も記憶も混濁している気もしないでも無いが)逃げるように東京でのライブを少しでもと躍起になっていたのかもしれない。

それでも定期的に訪れる大阪でのライブはお客さんの視線や言葉の1つ1つが怖くて上手く笑えていなかった気がする。

護身用に物販机の金庫内にカッターナイフを隠していたことがあった。

殺されるのが怖かったというより、次に言われたらそれを差し出して「じゃあ殺してみろ」と突き付けるつもりだった。

傷付いてもいたが憤りを感じる余裕もあったのはそんな時でも我々の為に応援してくれていたお客さんのお陰かもしれない。

(厳密に言うと「大阪」ではなく「関西」、「東京」ではなく「関東」という表記が正しい部分もあるが、あえてこの書き方にしています。)

そしてそんな時期の私の誕生日を祝うイベントは当然ながら毎年ほとんどを東京で行った。

そもそも自分の誕生日を祝うイベントだなんて誰も来ないだろうしやりたくないなと思っていた。

新春とか正月っぽくすることで少しでもまきちゃんのお誕生日感を薄めてグループとしてのイベント感を出そうと努めていた。

これは自意識過剰とかではなく、一度私の誕生日イベントなのに自分のチェキがメンバーの誰よりも少ないということがあった。

傷付いたとかでは無くて需要が無いのだから運営として冷静にそうした方がいいなという判断だった。
(気遣って自分と撮るならその分メンバーと撮ってあげてねというタイプなので、これ今後のまき誕はまきちゃんとチェキ撮ってねみたいなアピールじゃないです。。。)




そこから数年が経って現在。

コロナ禍を経てグループの方向性を変えることを余儀無くされたが、今くぴぽはお客さんが少しずつ増えている。

当時より心無しかまきちゃん推しだと言ってくれる人も増えたような気もする。

東京より下回っていた大阪でのお客さんの人数も今や同じぐらいになっていて、東京でも大阪でもくぴぽは最近ほんの少しだけお客さんが増えている。

あの頃の自分が嘘みたいに今私は大阪のお客さんにも東京のお客さんにも同じように早く会いたいなと日々思う。

963・カノサレの運営である矢部さんに「生誕は応援してくれるお客さんの為にやるんだよ」と言われてから考えも少し変わった。

あれだけ東京でしかやりたくなかった誕生日イベントも大阪でやるのもいいのかなと思えるようになった。




2024年1月8日(月祝)

くぴぽは味園ユニバースという場所でワンマンライブを行う。

今回はいつものお茶を濁したようなお誕生日ライブとは少し趣きが違う。

まずは味園ユニバースという大きな会場。

コロナ禍から流行り出した実力に見合わない大きな箱を借りてワンマンをするみたいな流れに違和感を感じていた私だが、端から見れば今回のワンマンライブもそれに当てはまってしまうかもしれない。

2024年でくぴぽは10周年を迎える。

女の子2人とバンドを組もうと始めたが結局形にならず文化祭の出し物気分でアイドルまがいなことをし始めたグループが、今や地下のアングラな世界ではあるがベテランのアイドルグループと認識されていてそれなりに名前も知ってもらえるようになってしまった。

大阪で1番売れてないアイドル。

こんなキャッチコピーに誰も違和感を感じていなかった時期を越えて今では応援してくれるお客さんもそこそこ居て、東京でも結構な頻度でライブをさせてもらっている。

しかし実を言うとくぴぽのワンマンライブの最高動員数は2020年1月12日から更新されていない。
(映画『くぴぽSOS!びよーーーーんど』の冒頭にあったあのライブです)

もちろん今と比べてチケット代もかなり安かったし色んなラッキーも重なったことでの条件の違いはあるが、自分は今回それを超えたいと思っている。




また遊びに来てくれないかなとたまに思う。

くぴぽのライブを観てくれてるかはわからないけど、たまにライブハウスで見かけるあの頃の人たち。

くぴぽが傷付けてしまったあの人たち。

互いに傷付け合ったあの人たち。

もうくぴぽは曲もパフォーマンスもメンバーもあの頃から変わってしまった。

だけど、私はまだここにいる。

あの時みたいにまた笑って話せないかな。

また名前を呼べないかなとたまに思う。

「ありがとう」って伝えきれてないから。

今さら私に会いに来てくれないかなと願うことは勝手過ぎるだろうか。




今回のワンマンライブでは新メンバーが加入する。

今の4人のメンバー体制は良くも悪くもこのグループの結成史上、最も安定している。

しかしそれが故に先を見据えると起爆剤が必要だと思った。

オーディションを発表した時、お客さんからは期待の声ばかりが溢れた。

きっとメンバーよりもお客さんの方がそれを感じれていたのかもしれない。

とあるメンバーは「私たちじゃダメってことですか?」と言った。

4人になってから約1年、色んなライブやリリースや出会いやトラブルを経て今ここに最高潮のくぴぽがいるのは間違いないが、自分たちはまだこんな場所にいるのかと思うことがある。

こんなに素敵なのに我々の魅力が全然広がってない現状に満足できない自分がいる。

その為には更なる仲間が必要なんじゃないだろうかと思った。

だってこんなに頑張ってるんだからもっともっとお客さん増やす為にやれることはやらなきゃ頑張ってる意味無いじゃん。

そのようなことを伝えた。

納得したかはわからないけどたぶん理解はしてくれたかと思う。

新たな仲間が増えることで3人の立場は変わる。

それぞれのゆっくり進んでいたストーリーがまた少しずつスピードを変えて進んでいく。

もちろん私のストーリーもきっとまた変わっていくだろう。




新メンバーに関しても記しておきたい。

『あやぴぃ』は他のアイドルグループに所属しながらもオーディションを受けに来た。

たまにお客さんとしてライブに来てチェキを撮りに来てくれていて面白そうな子だなと注目はしていた。

恐らくグループの中心メンバーであったであろう彼女の応募を許可した当時の所属グループの運営さんの懐の広さに敬服する。

自由奔放で天真爛漫に見える彼女だがその裏では立場的にも色んな業務に忙殺されて疲弊していた(ように見えた)。

くぴぽへの愛や誰にも話していない過去や自身の夢を彼女がニコニコ話せば話すほど私が守ってあげないといけないのではないだろうかいう感情に駆られた。

それぐらい彼女にはくぴぽでなら花開きそうな底知れない潜在能力が垣間見えた。

しかし結果的に彼女はその能力を駆使してというよりは人並みならぬ努力と根性により合格を勝ち取る。
(所属グループの活動も最後まで妥協せず駆け抜けながらもオーディションの課題もトップスピードでこなしていた。)

オーディション中も合格後も彼女は何度も何度も私にお礼を言う。

それを私がしつこいと思わないのは1つ1つに心が込もっているからだろう。

私は使命感と責任を改めて心臓に焼き付ける。

今まで積み上がってしまった私が無駄だと思ってたものたちがひょっとしたら彼女を救うかもしれないことに胸が熱くなった。

彼女は器用で優秀で努力家なので色んなことが1人でできるだろう。

しかしもうそんなことはしなくていい。

私が君を守るので今度は全力で私にプロデュースされてほしい。

これからは君らしく生きること、好きなもの、どんなアイドルになりたいか、抱いてた夢、新しい夢、共に考えていこうよ。




そしてもう1人『むぎこ』という新メンバーがいる。

友人の紹介で未経験ながらオーディションに応募してくれた。

当初は未経験故の感覚の違いに合否を悩んでいた時期もあったがコミュニケーションを少しずつ取っていく中で彼女なりに懸命に頑張っていることを知る。

頑張るのは当たり前だしじゃあ頑張り方がずば抜けていたかと言うとそうではないが、でもそこから零れていた雫が見たことの無い色をしていてそこに魅かれた。

今では彼女を入れて本当に良かったと思っている。

カラオケにも言ったことの無い彼女が合格後に見学のため初めて訪れたライブハウスの第一印象は「音が大き過ぎて耳が潰れるかと思った」らしい。

ビールの売り子をしていたので野球にそこそこ詳しかったり、チアをやっていたので身体が柔らかかったりと個性たっぷりに見えてどんな子なのか未だによくわからない。

優等生では無いが色とりどりの透明な魅力が微かに光っている。

弱虫だが1度心を掴まれたら離さないほどの強い魔力がある。

まだ熱いものは見えないがそこにいつか人が集まっていく熱狂が見える。

何にでも成り得る妖しさの中で自分の好きなものを見つけてそれを表現に昇華できるよう一緒に種を見つけて育ててあげたい。

想像もできない世界に飛び込むのは不安だろう。

でもしばらくは振り落とされないように私たちに付いてきてほしい。

君には優しい仲間がいるから大丈夫。

心配しなくて大丈夫だから。




もう既にチケットを買って楽しみにしてくれている方々、本当にありがとう。

あなた方のおかげで1/8に向けてメンバー一同日々頑張れています。

楽しいイベントになることをお約束しますので楽しみに待っていてくださいね。

もしこのnoteをご覧になっている方で少しでも気になった方がいらっしゃったらご来場いただけたらとても嬉しいです。

私のお誕生日。

新メンバーの加入。

世界で1番好きな会場である味園ユニバース。

そして大好きな大阪でワンマンライブができるということ。

色んな思いを乗せて今のくぴぽでできるエンタメライブをこの日に披露します。




でも、未だに「お誕生日おめでとう。」だなんて言われても、やっぱりどんな顔したらいいかわかんないよ。




くぴぽ味園ユニバースワンマンまであと7日。




2023/01/08(日)
「10周年なのにもうアカン!まき誕2024ワンマン~新年新春新体制シャンソンショー~」
at 味園ユニバース(大阪)

出演
くぴぽ

OPEN15:30 / START16:30
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500(各+1drink)
チケット販売[LIVE POCKET]https://t.livepocket.jp/e/15pkl

15:30-16:30 OPEN・前物販
16:30-17:00 1部
17:10-18:15 2部
18:30-20:00 物販・特典会

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