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洋楽Dictationは、バトンだ。

ユーミンの『ひこうき雲』という曲が好きだ。

小学校の音楽の授業で、先生がいろいろな曲を教えてくれた。


教科書以外に習うその曲たちについて、先生が語るストーリーも大好きで、

音楽ファイルに綴じてね

と配ってくださるそのプリントたちが、本当に楽しみだった。

歌詞とともに描かれた挿絵に自分で丁寧に色を塗り、学校帰りの道や家でも、よく歌を口ずさんでいた。


『ひこうき雲』は、そんな曲のなかのひとつ。

ある女の子の実話をもとにした曲で、病気で外に出られない女の子が空を眺める描写を、少女だったわたしは、心に思い描き、切なく苦しい思いを感じながら聴き、うたっていた。

もしかしたら「歌に心を動かされた」と感じる、いちばん古い記憶かもしれない。


自分の授業の原点なのかも

いま、自分が教壇に立ち、学生のリクエスト曲で毎回洋楽Dictationを行う原点は、もしかしたらここにあるのかもしれない、とふと気づいた。。

授業のなかで、音楽によって心を動かされた経験は、無自覚ながらもわたしのなかに大きく影響しているのかもしれない。

「英語の授業を通して何を学ばせたいのか」の問いへの答えの一つは、英語をツールとして学生が心を動かされる瞬間を演出したい、ということなのかもしれない。

実は、音楽の先生が渡してくれたバトンを、英語の授業のなかで次の世代に渡しているということなのか。

洋楽Dictationは、そのバトンなんだ、きっと。


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