茶山台団地リノベーション見てきました

先日、元スタッフたちが協働してコンペで勝ち取った堺市の団地リノベを見てきました。
宮本さん@302アーキ、植村くん@植村康平建築設計事務所、寺嶋くん@名市大の3人による作品です。
初期公団の田の字プランを敷地に見立て再解釈しています。
素材は71年の公団住宅、茶山台団地で、今はもはや殆ど見られないRC壁式五階建て。
純粋?壁式なので梁型、柱型などは一切ありません。既存躯体の端正さはうらやましい限りです。

田の字を縦に割りバルコニーで二つの区画をつなげた「ニコイチ」や土間空間に居場所が対角状に配置されたルームなど。既存の骨格が敷地化され、そこにベニヤ造作の居場所を設える所作が効いてました。
コストの苦労が伺える骨と皮っぷりなのですが、敷地部分のラフな仕上げと、ベニヤ造作の端部に出現するキレキレのディテールのバランス感覚が秀逸でした。やっぱりキワがどう現れるかは大事ですね。

壁式躯体のモノとしての側面や、その中に現れる昔の公団らしい木造モジュール…よりも図式が前景化して見えるのが彼らなりのバランス感覚の結果なのか、モノ派より図式派を目指しているのかは、今度じっくり聞いてみたい。
是非発表につなげてほしい作品です。

しかし、立地といい環境といい、改めて見ると団地はポテンシャルが高い。
アメニティ感が外部に対して効果的にプレゼンされてないだけで、内側から体験する団地は意外にも快適でした。

内部空間という意味ではなく、団地の一室から捉えた周辺環境、という意味です。
採光通風バッチリの隣棟間隔、広がりを出すべく微妙に振られた配置、自然の地形が生かされてて緑も多い。高台にあるので眺望も良好。
これはつまり、近代都市計画がもたらした恵みです。

ニュータウンが現れた当時は、それこそ新しい環境を、新たなパースペクティブを提示するものだったんだろうなと思いました。
今は経年の結果、植え込みが植栽と植物の中間のような状態でOP塗装のガードレールの足元にはセイタカアワダチソウやオオバコが自生し、全体的に人工物なんだけど植物の自生力に打ち勝ってないところがまた良い。
近代都市計画の恵みに溢れた団地の唯一の難点は、団地が団地以外のものになれないところで、町にも都市にもなれず、やっぱり団地としか言いようがないんですね。
つまり、からまりしろが少ない/チャンネルが少ない、ということだと思います。
そこでアメニティの演出というところに戻っていくのですが、アメニティみたいな表層に思える話が、実はからまりしろあるいはチャンネルの多層性に繋がっているのではないか、ということを最近思います。
これは一体なんなのか、ちょっと考えてみたいところです。

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吉村真基

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