おまえは『DUSK』にFPSの原風景を見る


突然だが、FPSの楽しさというのはどこにあると思う?

対人マルチプレイ?クラン活動?正確無比なチームワーク?

正しい。お前は間違っていない。しかし、しかしだ。お前は忘れていないか?FPSとは何の略だっただろうか?ファースト・パーソン・シューティング……。シューティング、つまり銃を撃つゲームだ。銃を撃つというのは、弾を人に当てて、ブチ殺すということだ。人をブチ殺すというのはつまりエンタメだ。FPSはエンタメであるべきだ。

最近人を撃って気持ちよくなったということはあったか?最後に死体を眺めてニタニタしたのはいつ?ドンカツだとかイースポーツだとかディスコードとかキルデスとかの事ばかりを考え、エンタメの心を忘れてはいないだろうか?

大丈夫。この『DUSK』はお前に殺戮の気持ちよさを思い出させてくれる。至近距離でショットガンをぶっ放し、全てをぶち抜く。血、暴力、死、そしてエンタメ。小難しいことを考える必要は全くない。

『DUSK』とはなんなのか?どうして『DUSK』をやらなければいけないのか?

その辺をお前らにちゃんと知ってもらうべく、ここに色々と書いておいた。ちゃんと読み、ちゃんとプレイ、『DUSK』を知って帰ってくれ。

それではやっていく。

お前は自由だ

このゲームは、プレイヤーが望むことを素直に気持ちよくやらせてくれるデザインがされている。開発がやらせたいこととゲームデザインが完全に合致している、とでも言えば良いか。

『DUSK』はスポーツ系FPSと呼ばれるものがベースになっていて、所謂ストレイフやバニーホップ(※)がメチャクチャ効くようになっているのだが、それに合わせるように、キャンペーンのマップも広く開けたもが多くなっており、つまり思う存分加速しながらピョンピョン跳ねることが可能となっているのだ。なんと落下ダメージもない。ロケットジャンプ(※)も可能だ。

※ストレイフ・バニーホップ:FPSにおける移動テクニック。斜め方向にジャンプを繰り返すと加速する、くらいの感じ。
※ロケットジャンプ:爆発の起きる武器を足元に撃ち込んだ時の爆風を利用して高くジャンプするテク。当然ダメージを食らうしお前は死ぬ。

とにかく好きなように跳ね回って好きなように殺せ、というメッセージが込められているのだ。お前を邪魔するものは何もない。閉じた室内のマップもあるが、その後にはちゃんと開けたマップが用意されている。

もちろん高速移動を使わずに、ノンビリと探索、殺戮をするのだって大丈夫だ。DUSKは懐の深いゲームだ。お前のゲームプレイの全てを肯定してくれる。

『DUSK』はお前を全てのものから解放してくれるのだ。

自由度が高い、なんて使い古された陳腐な言葉なんか要らない。

お前は自由だ。

最高のアクション

「カッコよくスライディングしながら銃を撃ちたい」、有史以来の、全人類の願いだ。様々な作品がそいつに挑戦してきたが、決定的なものはずっと生まれてこなかった。セガ/プラチナゲームズの『VANQUISH』はかなりいい線行っていたのだが、いまいちゲームデザインに噛み合っておらず、歯がゆい思いをしてしまった。

しかしこの作品はやり遂げた。全人類が数百年のあいだずっと待ち望んでいたそれを、『DUSK』は実現したのだ。

本作のスライディングは、移動中にしゃがみキーを押すことで長距離のスライディング移動ができる、という、言葉にしてしまえば単純なものなのだが、これが本当に素晴らしいアクションで、どうしてこれをフィーチャーしないのか、というくらいに手触りのよいものなのだ。

移動、回避、強襲……様々な場面でこのアクションを活用することで超絶にスピー ディでスタイリッシュなゲームプレイが楽しめる。回避しながらの接近、そしてゼロ距離からのショットガン。カルトは死に、お前も死ぬ。最高だろ?

このスライディングと前述したストレイフジャンプなどを組み合わせることで、高機動スタイリッシュなゲームプレイが楽しめる。上下左右の立体的な動きでカルト共をぶち抜け、ということだ。

テンポの良いゲームプレイ

どんなにビジュアルや雰囲気が素晴らしくとも、どれだけ素晴らしいアクションがあっても、全体のテンポが悪ければ全て台無しになってしまう。お前がよく訓練されたゲーマーであるならば、そういう悲しい作品の一つや二つは思い浮かぶのではないか。

安心していい。『DUSK』にはそんな煩わしさは皆無だ。

操作性やレスポンスの悪さはもちろんない。武器の切り替えもスピーディだし、移動速度も速い。前述のアクションでもっと速くすることもできる。

そして更にテンポの良さを加速させる要因として、マップのデザインが挙げられる。

本作はクラシックなスタイルの、敵をブチ殺しながら鍵やスイッチを見つけて扉を開けていく、ステージクリア型のFPSなのだが、これが良い。ひとつひとつのマップがあまり大きくなく、迷路のようなプレイヤーを突き放したデザインのものもなく、いたずらに迷って時間を浪費する、というのが無い。扉を開ける鍵もクッキリと色分けされているのでわかりやすい。前述の移動アクションとあわせ、テンポ良くプレイを楽しめるのだ。

テンポよく探索、テンポよくショットガン、テンポよく殺し、死ぬ。それが『DUSK』だ。

90年代カルトFPSへのリスペクト

「精神的続編」「レトロ風」などと謳われた、単なる懐古厨のための悲しい作品がたまにリリースされるが、お前はそういう悲しい作品とそうでない作品の違いがどこにあるかわかるか?

温故知新の精神、故きを温めて未来につなげようとする気持ちがあるかどうかだ。

そしてこの『DUSK』は間違いなく後者。先人へのリスペクトと、それを活かして最高のゲームを作ろう、という気概に溢れた最高の作品だ。

グラフィック、サウンドトラック、敵や武器のデザイン、レベルデザイン、アクション……お前が昔ながらの洋ゲーマーであるならば、そのひとつひとつに込められた、溢れんばかりのリスペクトを感じることができるだろう。

スーパーショットガンだったり、赤いドラム缶だったり、いかにもという場所に隠されたシークレットであったり。あるいは敵のカルト共に『BLOOD』を感じたり、景気良く吹っ飛ぶ敵に『ソルジャーオブフォーチュン』を感じたり、あるいは大量の敵を撃ちまくる感覚は『シリアスサム』的だったり。ぼくは過去のマスターピース的なタイトルを、特に本作が直接のリスペクト元として挙げているようなタイトルはあまりプレイしていないので、このへんに無責任な言動はできないのだが、お前がカルトFPS愛好家であるならば、きっと何か感じるものがあることだろう。

「古き良き」を取り違えたような、不親切さを押し付けられるような感覚は全くない。過去の名作の良いところだけを抽出、しかし過去作ゆえの遊びにくさ、取っ付きにくさは全て排除されている、素晴らしいデザインがされているのだ。

レトロ風・インスパイアでは決して終わらせずに、リスペクトを爆発させながらも現代的な工夫がふんだんに盛り込まれている。まさに『DUSK』はFPS版『ショベルナイト(※)』とでも言うべき作品なのだ。

※ショベルナイト:本作と同じくリスペクトいっぱいのド傑作アクション。そのうち個別に記事を書く予定だがメチャクチャ最高なので今すぐ買え。

最後に

これまで語ってきたように、『DUSK』は本当に出来のよく、懐の深いFPSで、その暗黒カルトド真ん中のビジュアルとは裏腹に、かなりユーザーフレンドリーに仕上がっている、とても真摯に作られた作品だ。「Welcome to DUSK」のコピー通り、極上のおもてなしのような作品なのである。全シューターに向けたラブレターなのだ。

愛好者にはもちろん、シングルFPS初心者の入門としてもオススメできそうな一作だ。マルチ対人FPSこそスタンダードだと思ってるやつにもプレイしてみて欲しい。

ぼくのように、カルトFPSに興味はあるがWASDとマウス操作でなければ辛い……というやつにもピッタリだろう。(ハーフライフは偉大な作品だ)

『DUSK』はsteamにて1980円、現在アーリーアクセスにて配信中だ。買え。


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ラヴ……
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まきちゃん

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