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がんばったことをひとにつたえるのは、はずかしいことじゃない。


緊急速報のけたたましいサイレンの音で目が覚めた。

7月1日の鹿児島はどしゃ降りの大雨。
土砂災害警戒のため、避難勧告も出た。

もちろん電車はストップしているし、
高速道路も通行止め。
メインの道路は大渋滞。

あちらこちらで冠水、土砂崩れ。
田んぼも、道も、トラックも沈んでいる。


鹿児島市外から市内の職場へ通っている自分は
とてもじゃないけど職場に行けない。

けれど今日は月初。

しかも6月末が休日だったため、
月ずれで溜まった入出金が発生する。

もちろん、職場にパートナーがいるが、
一番忙しい月末月初を一人でこなすのは難しい。

なんとしてでも、会社に行かなければならない。



普段は電車通勤だが、今日ばかりは旦那の車を借りた。
慣れない運転で全身がこわばる。

その上、悪天候で視界も道も悪い。

大渋滞の波に乗り、あっという間に1時間が過ぎる。
それでもほとんど進んでいない。

緊張と不安のせいかお腹が痛くなり、
しばらく我慢していたが、
とうとう限界に達し、
Uターンしてコンビニへ戦線離脱する。


「午前中に職場にたどりつくのだろうか」

「もう、このまま家に帰りたい」


改善しない、むしろ悪化していく現状に泣きそうになる。


そんな時だった。

職場に現状を報告しようと携帯を手に取り、ロックを解除するとnoteが開かれていた。

そして

「おめでとうございます!あなたの記事がはじめてオススメされました!」



生まれて初めてのオススメ。


憧れのあの人のnoteでよく見る表記。

それが、自分のnoteに。


オススメは『31日間noteを更新して。【メリット・デメリット・コツ】』というnoteにされていた。


なんだか、この1ヶ月間の自分の頑張ってきたこと全てが認められた気がした。

自分の存在が受け入れられた、
価値のある存在に思えた。



気がつけば、あんなにどしゃ降りだった空が晴れてきた。


タイミングよく、LINEの通知音が鳴る。


雨の大騒動を連絡し、心配した母親からだった。


「まき子は、大丈夫。」


ああ、
頑張ったことを人に伝えるのは、恥ずかしいことじゃないんだ。

頑張ったことは伝えないと、人には分からないし、
伝えたら、こんなにあたたかく見守ってくれる人が自分にはいるんだ。

それは、なんて幸せなこと。

自分は幸せなんだ。


深呼吸を何度もして、ハンドルを握る。

「わたしは、大丈夫。」

思い切ってルートを変更してみる。
雨上がりにキラキラ輝く海を見ながら、アクセルを踏む。

なんだ、思ったより渋滞してない。
なんだ、思ったよりたいしたことない。


どんなに酷い仕打ちにあっても、
頑張ったことを伝えたら、認めてくれる人がいる。

それだけで前に進める。


予想よりもはるかに速く、

車は進んでいく。



まき子🍙(@makicome1986


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