見出し画像

心細しその朝

その晩、天気は大荒れで、フライトは遅延。深夜1時に空港に着いたものの、ホテルへのバスは出た後。最初は夜が明けるまで空港にいるつもりだったけど、あまりにも朝は遠く、人気のない空港は心細い。
そこで恐る恐るUberを開く。空港から目的地のセドナまでは1時間半以上。深夜に、そんな遠くに、しかもUberだなんて。だけどドライバーがみつかった。料金も150USDと悪くない。

1プッシュで緊急通報できるよう、携帯を握りしめて車に乗った。安心できたのは乗車から30分を過ぎた頃で、どっと疲れが出たのか気がついたら寝ていた。着いたよ、と声をかけられ目を開くとそこはセドナ。素晴らしい景色が広がっていた。

画像1

悪天候の不運、深夜の空港での心細さ、怖い目に合うのではと恐る恐る乗ったUber。だけどその先には美しい朝があった。

「心細(うらぐわ)し」という言葉がある。心にしみて美しい、えもいえず美しい、そんな朝。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?