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7つの大罪③日本人が英語が話せない理由~日本語のような発音~

こんにちは。
夏になり、海が恋しい英語コーチの高橋です。
元アメリカ大学スピーチ講師、現スピーキング、プレゼン担当コーチです。
クライアントさんの目標達成率は90%。

初めての方はこちらから(自己紹介):

月木で、TOEIC500点台以上の中級者に向けて、プレゼンとスピーキング力アップにつながるヒントを発信しています。次回は、7/22です。(休日ではないので、ご用心。オリンピック開催に伴い、今年だけ変っています。)

ただ、このたびは、初級者を含めて、日本人が英語スピーキングで陥り易い傾向などについて7つの大罪、という名前で御紹介しています。必要な方に届きますように。こちら

↑の7つを一つ、一つ掘り下げていく③回目です。今回は発音について。

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最初にあなたに 質問です。英語の発音がいい、とは具体的に どういうことなのでしょうか。ここがはっきりされていないと、何を目指していいのか、わからなくなり、軸がぶれます。

私が考える、英語の発音がいい、とは、あなたが一つの音を発音された時、それが あなたの出したかった音として、相手に聞こえる、ということです。

これが、どういうことかというと、rice(米)が、lice(しらみ)に聞こえない、map(地図)がmop(掃除用モップ)に聞こえない、think(考える)がsink(沈む)に聞こえない、ということなのです。

↑につけた訳を見て、おわかりでしょう。伝えたかった意味とは、違う意味の単語が相手に届いてしまうので、意志疎通・コミュニケーションがうまくできなくなってしまうからです。

意図した意味が、そのまま相手に伝わるのが、最低条件です。そして、更にその上に、音として、ネイティブのようなきれいな音があります。
日本語を出す時の口の形に影響されていない、ちゃんと開くべき時には開き(タイミングと開ける大きさの問題)、舌の位置が正しい音のことです。

詳しくご説明すると、日本語の時と似た口の形で出せる音は、いいのです、そのままで。違う音は、日本語の時以上に、開いたり、しっかり舌を使ったりして、出さなくてはいけません

射撃の的を思い浮かべてください。中心があり、そこから同心円状に、円がだんだん大きくなっていきますね。きれいな発音、ネイティブのような音とは、中心を射貫くようなものです。そこが、いつも打てたらいいですね。

そして、受け容れられる発音とは、中心から一つ外に出た同心円状に、入る発音です。そこに入っている限り、中心の円の音と同じ、似ていると聞いてもらえるでしょう。だから意味が伝わらないということは、あまりありません。

困ってしまうのが、その更に外の円に出てしまった場合。そうすると、もう別の音に聞こえてしまうのです。だから意味が通じません。そこで、英語学習者のあなたは、まずは、中心とその外の一重の円に、発音が入るように、練習していただきたいのです。

では、どう練習するか。
練習の際に、①どういう音が正しい音なのか、出せる先生、②①をどういった口、舌で出すのか、言える先生、③あなたの発音が①と違うか、同じ・似ているか言える先生、④違っていた場合、あなたの口のどこがどうなっているからなのか、そこをどうすれば直るのか、言える先生、が必要です。

具体的には、①で正しい音を出してもらう(耳で覚える)
②の説明を聞き、音を出してみる(先生に聞いてもらう)
③それが、正しいか、違うか、聞いてもらい
④どこをどうすれば、正しくなるのか、言ってもらいながら、また音を出す
①で聞いてもらう、を繰り返す、が必要です。

ここで、あなたが耳のいい方ならば①をCD等で聞いて、②でご自分の発音を録音され、聞いてみて、③それが正しいか、判断することは、できるかもしれません。波形で、ネイティブとの違いを見せてくれて、正しい発音になるまで、助けてくれるアプリもあります。アプリを使うなら、繰り返して発音して、自分で矯正して、直していくことができます。

②の口や舌のどんな部分をどのように使って、どのぐらい開けて言うのかが書いてあるテキストもあります。正しい音が出ると、どんな音に聞こえるのかも、書いてありますので、それを参考にされるのも、いいかもしれません。

先生に直に矯正してもらう良さは、先生があなたの口のなかで、舌がどんな形になっていて、どこに位置しているのか、指摘して、そこを~してください、とあなたの発音を聞いて、直してくださることです。具体的でわかりやすいですよね。(私もそれが出来ます。アメリカ英語なら。)

更に、正しい口や舌の位置はできているのに、その口を保つ時間が短くて、正しい音がはっきり出ていない場合などもあります。thの音を作る時なんか、舌を歯で、はさむ時間が短すぎる場合が、ありましたので、ご指摘しました。

生まれつき、舌が短い・長いも影響してきます。その特徴が顕著なら、他の方とは練習方法がやや異なるからです。それも先生に見てもらえれば、一発でわかります。

更に、学習者の方のなかには、英語の音が、よく聴き取れない方もいらっしゃいます。ご自分が聴き取れないので、発音矯正も一人でされたのでは、効果が上がりません。音痴、という方もいらして、これは、①音はその音として聴き取れるが、その音が出せないタイプと、②音もその音として、聴き取れず、出せないタイプがあります。

過去に①の方がいらしたので、音痴を直すボイストレーナーを御紹介しました。(いわゆる音痴にも、リズムがうまくとれないタイプなど、色々あるようです。)

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さて、あなたが発音矯正が終わり、正しい発音を身につけられたとしましょう。それには、まだ先があります。

日本語を主に使う環境で生活されていると、正しい発音を忘れがちです。日本語を出す口のまま英語を話したり、日本語の発音の影響から発音が崩れたりしやすいのです。

なので、英語を声に出して定期的に話すことが、大切です。また発音のチェックも定期的にして、ネイティブと話して通じるのか、やってみるのも大切です。(通じない音があったら、そこが弱っている、ということなので、練習しておきましょう。ご自分の口のどこが どうなってしまったから、通じなかったのか、考えながら。)

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ネイティブと話してみる、について、体験から一つ、加えておきましょう。
あなたの発音が正しくても、うまく通じない場合です。

えっ そんなことが、と思われるかもしれませんが、実際に体験した出来事です。
場所は、アメリカの大学でのクラスでのこと。日本人・アジア人は確か私だけ。

先生の ~はどう思いますか、という問いかけに、私が意見を述べたのです。もちろん英語で です。すると、私のそばに座っていた、ヨーロッパ系(白系)のアメリカ人女子学生が、手を上げて、ほとんど同じことを英語で言いました。内容的にも、使っている言葉もほぼ同じです。

ええ?って思いましたよ。なぜ 同じ内容のことを、ほぼ同じ言葉で言うのか。そんな経験はそれまで、なかったので、しばらく考えました。おそらくですが、彼女には、私の言っている内容は英語の音としては、聞こえていたんですね。でも、それを、発言として、認めていなかったのだと思います。

だから、私はMakiの言うことに賛成です、という前置きなしに、同じような考えを繰り返したのだと思います。これには、おまけがあります。

その発言を聞いた、これまた白系アメリカ人の男子学生が、その女子学生の意見は、すばらしい、大賛成だと加えたのです。私への言及はありませんでした。最初に発言した(そのアイディアを思いついた)のに。

こんなこともありました。アメリカでは知らない同志が話すことも、よくあるのですが、ミシガン州の空港に私を迎えに来てくれていたアメリカ人の友人(白系)と、話していたら、そばにいた女性が、友人に話しかけてきたのです。

で、話しに入ってもいいので、私も会話に加わったら、私の言ったことへの返事を、友人の方を向いて、全部、その女性が返してくるのです。一度も私に向き合って、話しませんでした。私が話した内容なのに???

これも、元の所は同じだと思います。アジア人だから、英語ができない、と思っているのかもしれないし(それにしては、私の言ったことは、全部聴き取れている、通じているのに)、話したくないって思っているのかもしれないし、何だか嫌でした。

なので、もしあなたが、他の人とはしっかり英語で話が通じているのに、相手にされないようなことが起こったら、それはあなたのせいではない可能性があります。上のような差別や、失礼な扱いを日本では受けないので、気づくのに、時間がかかる場合があります。
私は、自分は何か失礼なことを言ったかしら、したかしらってしばし、考えていました。アメリカ人の友人に相談したら、理由がわかりやすい時もあります。

今回の記事は、これで終わりです。
最後まで お読みいただき、ありがとうございました。複数のことが出来て、発音が正しくなる、を表すようだと思い、上の写真を使ってみました。

毎日暑いので、水分補給をしっかりされ、あなたもお元気でお過ごしくださいね。

次回は、日本人が英語が話せない理由の④、答えが一つだと考える、です。

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