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さよなら、わたしの2023年

2023年ももうじき終わり。
5月にコロナの扱いが2類から5類に移行した流れで、日常的に劇場に行く日々が少しずつ戻ってきたような気もする。
取材の現場でも以前のようにアクリル板を挟んでとか、基本オンラインで、みたいな案件はほぼなくなった。
アクリル板を挟んでのインタビュー取材、刑務所面会コントみたいって何度も笑いそうになってたことは内緒。

宮古島・八重干瀬

プライベートではありがたいことに大きなアクシデントや悲しい出来事に見舞われることなく過ごせた1年。
あ、今年も海に潜れた。沖縄・宮古島の八重干瀬(やびじ)と吉野海岸。100%インドア派のわたしだけど、1年に1度は海に潜りたいと思ってる。海の中にいる時だけは(だけは?)”生かされてる”って感じるから。何かひとつ手順が狂ったり装具が壊れてパニックになったりしたらそのまま海の藻屑になっちゃうギリギリの感じがたまらない。死がすぐ隣にある透明な世界は本当に美しいよ。魚たちはたまに威嚇してくるだけで誰も歌なんて歌ってくれないけどね。

仕事では2つ新しいことに挑戦できた。ひとつは「演劇ライターワークショップ」。春の初めと夏の入り口に開催したこの企画、1回目は取材現場のモロモロを説明し、参加者の皆さんの将来の展望や質問事項をシェア。2回目はインタビューに特化した内容でレクチャーと実践。今年の夏が暑すぎて気力と体力が持たなかったから2回しか実施出来なかったけど、機会があれば&参加したいと思ってくれる人がいるならまたやってみたい。

もうひとつが梅田芸術劇場主催・フレンチロックミュージカル『赤と黒』公式とのコラボレーション。2022年の頭から趣味の範疇で実施してきたTwitter(X)の音声配信サービス=スペースを梅芸の中の人が聴いてくれていたことで実現したコラボ。準備段階から変なハレーションも起きず、当日は現場にいる関係者+ゲストの皆さんがずっと笑顔でいてくれたことが本当にありがたかった。終演後の熱をそのまま体感できる劇場でのアフタートークは素敵だけど、スペースみたいな音声配信サービスだとさらに多くの人にアーカイブを届けられる。これは中長期公演プロモーションの方法としても面白いと思う。

取材で特に心に残っているのはパルコステージ『ミュージカル おとこたち』で公式ライターとして稽古場に入れてもらい、作品の創作過程を稽古初日からゲネプロまでずっと追えたことと、浅利演出事務所『ミュージカル 李香蘭』公演プログラムの座談会で赤川次郎先生にお目にかかれたこと。まさか子どもの時に夢中になって読んでいた小説の作者に演劇の取材でお話を伺える日が来るとは思っていなかったし、その座談会に10代の頃から舞台を拝見してきた坂本里咲さん、加藤敬二さん、下村青さんがいらしたのも胸熱だった。

インタビューといえば同じく10代の時からずっと客席で観てきたあの方や、これまでお話を伺った方の中でも圧倒的な知識量と回転の速さをたおやかにお見せになるあの御方にお話を伺えたことも忘れられない。あと、演劇公演主催企業のプロデューサー12人にプロモーションとはまったく異なる角度でインタビューさせていただけたのも得難い経験だった(おそらく年度内に一般公開されるはず)。

また、2023年は”演劇やミュージカルについて喋る”メディアの現場にも複数参加させてもらえた。『行列のできる相談所』(日本テレビ・コメント出演)、『情報7daysニュースキャスター』(TBS・取材協力)、『TOKYO MORINIG RADIO』(J-WAVE・コメント出演)、『3つ星エンタメガイド ミテラン』(TBS・多分準レギュラー)。
もともと、bay-fmやJFN系列のFMラジオ局で生放送を担当していたこともあり、なんならライター業よりフリートーク歴の方が長い。今は書くことが大きな軸になっているけれど、書くことと語ること……その両方を上手く結べる現場にもっと出会いたい。コロナ禍で実施できていなかった俳優さんとのトークイベントも来年は企画できたらいいな。

最後に、2024年は「依頼がない原稿」を多く書くことを自分に課したい。ライターは発注元から依頼があり、オーダーに沿った形の取材原稿やコラムを書くことで原稿料を得るわけだけど、根が優等生タイプだから(いやマジで)ある時期からなるべく赤(修正)が入らないよう、無難な構成をするクセがついてしまった気もする。そしてその勝手な忖度を自分自身が「つまんねー」と感じてる。
だから来年はこのnoteを使って「頼まれてもいないコラム」や「勝手に紡ぐレビュー」をたくさん書こうと思ってる。お金にはならないけどね。

ということで、今年を振り返る華麗なポートフォリオとは程遠いnoteになってしまったけれど、まあ、いいか、無理やり大掃除を終えて頭の中に浮かんだことを書いている年末のひとりごとだから。

本年も大変お世話になりました。
どこかの劇場でお見掛けのさいはお気軽にお声がけくださいませ。

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