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お砂糖6年目を迎えた私の考える「VRにおける恋」と「お砂糖」の可能性

最初に

この記事は、2024年1月時点での記事です。
現在パートナー関係は解消されています。

この記事は私のVRChatフレンドでもある「バーチャル美少女ねむ」さんが主催する「仮想現実での生き方を自由に考えるnote投稿企画」に触発されて投稿したnoteです。 

上記の投稿に「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」を題材にと記載されていますが、私の記事では調査レポートを引用しながら解説するので、お気軽にお読みください

はじめましての方ははじめまして。
知っている方はお久しぶりです。
私はまきなと言います。
これ↓を書いた人、と言えば分かる人もいるかもしれません。

2019年の末。私の体勢が変なのは、
実は私がまだVRHMDすら持っていなかったから。
お砂糖にVR状態かどうかなんて些細な問題です。

これを書き込んでから、まるっと5年と少し。
その間私はターキーちゃん(https://twitter.com/taakii1026)とパートナーとして、VR空間で暮らしてきました。
このnoteでは、今の私の「お砂糖」という文化の捉え方をねむちゃんの記事を引用して記述していこうかと思います。
一つこの場で私が思うことは、
「お砂糖」とは恋愛ではなく、恋愛を内包する心の居場所ということ。

ソーシャルVRライフスタイル調査2023より

VR空間で行われる恋愛

VR空間では多数のユーザーが現実とは違う姿・名前となり、
様々な交流を行っています。

それを行うのは当然AIではなく全て現実の人間であり、そのため現実に存在する文化がVRに適した形で取り入れられる事例が多々存在しています。
その中の一つが「恋愛」です。

ねむちゃんのレポートでは、回答者の中で『VRで恋をしたことがある』人は
約6割いるという結果が出ています。
加えて、『相手の現実の性別は重要でない』とする人も約7割ほど
いるとの事。
私は元々同性であっても恋愛対象になるいわゆる性的マイノリティの部類の人間でしたが、こんな数字が出たのは今でもあまり信じられません。
(当然、喜ばしい意味で)

ソーシャルVRライフスタイル調査2023より

では、「VRで恋した(好きになった)として、恋愛関係が成立するのか」という問題ですが、これは「いいえ」が約7割の多数派という結果が
出ています。悲しい…
しかし、残り約3割「はい」の方は晴れて恋愛関係となったことがあり、これを恋愛シーンにおける比喩「甘い関係・雰囲気」に揶揄して生まれたのが「お砂糖」と言う言葉です。

正直、この「お砂糖」という言葉の発生の経緯は好きではありません。
発生当初の思惑には「VR空間で完結するのだから現実の恋愛ではない」という決めつけ・嘲笑が少なからず混じっていたと感じています。
私もつい最近まで、「お砂糖関係」と自分で言うのは忌避して「パートナーです」と言っていました。

※画像は上の物と同じです。特に右の円グラフを注視してください。

次に、VR空間で恋愛関係になった人たちは現実でも恋愛関係になるのか?
という、まぁ中々突っ込みづらいリアル方面の問題に触れていきたいと思います。これ本当、よく質問作ったなぁ…

まず私とターキーちゃんの例では、現実の恋愛関係ではありません。
知っている人は知っていますが、ターキーちゃんは家庭を持っている人
です。住んでいる所も離れています。
ですが5年経った今でもきちんと恋愛感情はありますし現実に会ったこともあります。
これはお互いが「VRの中でだけ」と線を共有しているからこそ成立している関係、だと思います。

では私の周囲は?というと、現実に恋人となっている例は複数見かけます。
上記のグラフにある通り、2023年においてはこういった例は増加傾向にあるようです。
とはいえ2023年より前から見かけていたので前例が増えたことで『そういう関係』になってもいいんだ、と考える人が増えたのかもしれません。

私が思う「お砂糖」の可能性

ここまでで、
「VR空間上で結ばれる恋愛関係を指す言葉」「お砂糖」
というのはざっくりわかってもらえたかと思います。
ですが私は今のVR空間においては、これは成立しないと思ってます。

上記の文章で私は「お砂糖」の発生経緯に厳しい意見を書きましたが、
これはあくまで発生経緯や、扱われだした当初の空気感についての意見で、
現在の「お砂糖」という言葉は当初と別の使われ方をしだしている、と私は思います。

少し話はズレますが、そもそも何故人はお砂糖になる・なりたがるのか?
シンプルにVR空間で接する人を好きになるから?
それとも恋愛関係そのものに憧れるから?
VRユーザーの数だけ、それぞれ理由はあると思います。

私は、これらすべてを内包するものとして
「VR空間で自分の心の居場所が欲しいから」
だと思います。

VR空間に降り立った人なら、誰しも一度は感じた事があるはずです。
初めてVR空間に立ち入った時の、見慣れない景色。名前も顔も知りもしない人。
ボイスチャットが生来の苦手分野
である私は、当たり前に声でコミュニケーションを取る人たちを見て軽く絶望しました。マジかよ。
まぁ私は特殊な例だと思いますが、初心者の方は「孤独」という言葉が頭にチラつくのも無理ないと思います。

その孤独感・見慣れない景色にも何とか慣れて、コミュニティに入ったとしても、人同士のグループが出来ていて深く踏み込めない疎外感を感じたり、どこか仲間外れのような気持ちを持っていたり。
VR空間が拓けて来たこの時代では、VRに「開拓」ではなく「居場所」を求める人もいるでしょう。

体感では、こういった感情を抱えている人ほど「お砂糖」を求めるケースが多いと思います。
しかし現在、その人たちが求めている物は必ずしも「恋愛」に限るのではなく「安心」も多く含まれているように思うんです。

VRで恋をするときに最も惹かれる部分は外見や声・その他を抜いて「相手の性格」、
つまりは性格の相性で恋をする人が多い
というレポートも出ています。

結論として私は「VR空間における恋愛」という定義に縛られない、
あらゆる意味での『「VR空間の自分の心」が最も安心していられる居場所』がこれからにおける「お砂糖」の定義であり、可能性になってゆくのではではないか、と思っています。

まとめ

自分で書いててあれだけど定義広すぎて意味わかんなくない?

…と、割と長めに久々に文章をたたき出せる快感で脳汁をピャーっと出しながら散文を書いて参りましたが、これはあくまで一個人VRChatユーザーである私の意見に過ぎないことをご承知おきください。
5年間の間に結構休止とかもしちゃってますしね…。
ただ、5年経った今でもターキーちゃんは私の大事な人です。
私は、ターキーちゃんがあの時私とお砂糖になってくれていなければ、
自分が安心できる場所を探すことが出来ず「ここに私は合わない」と、VRChatをもっと早くに辞めていた事だけは確信が持てます。
これは逆に言うと、ターキーちゃんにVR空間で会いたいがためだけに、私はVRChatを6年続けることが出来た、とも言えます。
何なら、実家住みだった私が「誰にも邪魔されずVRがしたいうおおおおおおお!!!」と一念発起して貯金して今ひとり暮らし出来ていたりもします。
私とターキーちゃんの場合は現実の恋愛関係ではありません。
それでも、それだけの力がお砂糖にはあると思います。

最後に、この文章がVR空間に孤独を感じる誰かの心の助けになれば幸いです。ねむちゃん、ミラさん、機会をくれてありがとうございました。

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