グミAcoustic

グミ Acoustic

真希ナルセ
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漫画やイラストだけでなく音楽も作っています。毎週末に一曲ずつ上げています。
YouTubeの「井戸端レディオ」をやっているチャンネルで古い日本の歌を弾き語りカバーを、SoundCloudとnoteではオリジナル曲を、隔週交互に公開しています。
【マキナルの井戸端レディオ】 https://www.youtube.com/channel/UCGRgxIzgpUwLHox-7IDgQLQ

「ペットミュージック」と名付けた、順番からすると3枚めの、ポップ色の強いアルバムになる予定のものから紹介していきます(いつ本当のアルバムになるかは全くの未定です)。
全体として明るく分かりやすいことを目指し、自分の周りにいる動物たちをモチーフにした作品集です。
その3曲めがこの「グミ」になります。今回は原形の弾き語りバージョンです。

数年前、インストゥルメンタル曲を打ち込みで作り、愛犬を撮った親馬鹿ビデオにBGMとして乗せ、ユーチューブで公開したりしていました。
それがこの曲の原型です。

三年前そのメロディに詞をつけ、ちゃんと仕上げてみました。
それがこの後自分が何曲も書くことになる、「犬の曲」のはじまりでした。

ポール・マッカートニーの書いた「マーサ・マイ・ディア」や「ジェット」に憧れていました。
これらは当時のポールの愛犬の名を冠しているのだそうです。

そういうことをいつか自分でもやってみたいと思ってました。
同時にポールのこれらの曲は決して「犬候」といった詞でなく、もっと包括的で様々な解釈が出来る歌にもなっていると感じます。
美しい旋律だけでなく、そういう構造にも焦がれていました。

自分の曲作りを客観視すると、喜怒哀楽の「怒」や「哀」の表現は得意でも「喜」や「楽」をストレートにやるのは気恥ずかしくて苦手、という気質や傾向だと思えます。
めんこい犬のイラストは出しているのに奇妙なものです。

そういう、やや気難しいような姿勢が自分の愛犬のこととなると途端に、自然な感情がてらいもなく出せるのです。
自分には子供がいないので、そのような感情の発露の代替行為なのでしょうか。
この曲は珍しくストレートに歓びや楽しさを曲に出来ました。

愛犬は幾つか障害を抱えています。
その光と影のようなもの、暗い結末の予感も敢えて表しました。
矛盾するようですが、ただ底抜けに明るいだけのものは自分にはリアルじゃないので、特にこの歌の二番に現れるような影のあるストーリーを意識しました。

「草原のように、なびく髪や」という部分は本当は「なびく毛艶」でしたが、人とも解釈出来るように変更しました。
詞の殆どが自分と愛犬で見てきた情景で、それをここに閉じ込めておけて良かったと思っています。

「大地を踏みしめる」というワードは漫画処女作だった「ナッパーズ」で架空の詩として登場し、この歌や「大地を駆けろ」で繰り返し使われるものです。
最初は犬を飼っていない時に書いた詞だったのに、いつの間にか愛犬の健康を象徴するワードになっていました。

アレンジは色々弾いているうちカントリーっぽい感じがふさわしいのではないかと思いました。
それでバンジョーを購入し、ブルーグラスの音や本に触れ勉強していました。

バンジョーのバッキングに関してはとても難しく、バンジョー特有のロール奏法は高速過ぎて録音レベルに至りません。
本来は倍速の手数が必要ですが、この弾き語りバージョンでは手数を減らしてアコギのアルペジオのような弾き方をしています。

ボーカルは当初、マキさんがリードを取りたがっていました。
しかしバンジョーがGのキーで弾けるよう出来ている楽器だったこともあり、難しい奏法がやれない現状では曲自体のキーもGでやらざるを得なくなりました。

そうすると男声ナルのキーだったので、まったく想定外でしたがナルが歌うしかなくなりました。
レコーディングを始める直前まで女声ボーカルを想定していました。マキさんはかなり残念がっていました。

最後のアウトロの部分、違うメロディで展開して余韻を残し、この歌の主人公たちに未来があるよう暗示と願いを込めました。
今回、この曲を出す順番がたまたま愛犬の手術の翌週になってしまいました。奇妙な縁だなと思っています。


「グミ」
作詞・作曲・編曲・演奏・歌 真希ナルセ

ご覧グミ 澄んだ山は
梢(こずえ)のざわめき 布切れのような風

グミ 駆けてごらん
焦げた太陽 ありったけの生命(いのち)

あのねグミ 嘘のない仕草や
草原のように なびく髪や

そうさグミ その真っ直ぐさが
僕の心を バリアフリーにするんだ

グミ 四季の奇蹟
君と留めておこう

感情豊かな黒い瞳(め)が
向日葵(ひまわり)みたいに 揺れている

祝祭の午後に さあ唄おう
グミ 信じているのさ グミ

ご覧グミ 光る海と
汀(みぎわ)の波飛沫 角氷の涼やかさ

グミ 飛び込もうよ
朱色の落日 心を映す鏡

あのねグミ 弛(たゆ)けき予感や
別離(わかれ)の怖れや 夜の溜め息

実はグミ 悪いイメージに
僕の心は 負けそうになるんだ

グミ ごめんよ 君は何も悪くない

何処までも無垢な黒い瞳(め)が
紫陽花(あじさい)みたいに 輝いている

忘れないように さあ踊ろう
グミ 探しに行こうか グミ

グミ 巡り合わせ
君と見つけにいこう

個性に溢れた 君の聲(こえ)
オルガンみたいに 響いている

大地を踏みしめ さあいこう
グミ 叫んでいいんだ グミ 信じているのさ
グミ 探しにいこうか グミ

青い空も 白い雲も 光る海も
その瞳(め)に映る 情景全部
そう 君のものさ...

Key = G
BPM = 125
バンジョー = Epiphone MB-200
アコースティック・ギター1 = K.Yairi JY-45BE BK CTM
アコースティック・ギター2 = K.Yairi RF65
マイク= NEUMANN TLM49
MIX = Avid ProTools 12
ジャケット・デザイン = Adobe Photoshop CC

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