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【セルフライナーノーツ】#09.ボクとキミのヒビ【MAGICAL MOMENT】

[前記事]

#00.プロローグ
#01.FOR THE MAGICAL MOMENT
#02.モーニングサービス-Album ver.-
#03.STEP IN
#04.ゆるり

#05.冷たい手のひら

#06.勝負パンツ
#07.EAT 'N' FIGHTER
#08.未来予報士-Album ver.-


もう月曜日!早いなー。一週間のサイクルどころか今年があと1ヶ月ちょいなことに驚き。もしかしたら子どもの頃よりも時の体感速度が上がってるかもしれない、と思う今日この頃です。

では書こう、今回もどうぞよろしくお願いします。

CDご購入はBASEオンラインストア「万貴音屋」で。今年中に完売なるか。


「ボクとキミのヒビ」楽曲クレジット

作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音

【楽曲解説】

サウンドもテーマも重ため、落差激しめのロックバラード。ラブソング書くのはあまり得意じゃないほうですが、ここまで救いのないバッドエンドの失恋ソングも珍しいんじゃないかしら(厳密には「これから終わる」なんだけど)。あ、先に書いておくけど実体験ではありません。笑

歌詞のあちこちから相手に「他の誰か」の影がちらついたりはしてますが、今回の話はそこを掘り下げるのはやめておくとして。。話したいことはそこではなく!

案外この曲、自分の人間関係における価値観のようなものが反映されてるような気がします。そう思って当時書いた、ということではなくて、今読んで真面目にそう感じた。

信用と信頼の違い、ってありますよね。信用は「過去の言動、行動から信じて受け入れること」で、信頼は「未来の言動、行動を信じて頼りにすること」。信用は今までの自分を評価されるわけなので変えられず、「現在」を挟んで信頼につながる。この「現在」の在り方について、大人になってから特に意識していることがあります。それは「愛や信頼は日々更新されるもの」ということ。

つまり、「今持っている幸せに胡座をかいてたら、いつか失っちゃうよ」ということを考えて生きているつもりです、こんな俺でも。感謝であれ愛情であれ、その存在や伝えることをサボってたら、いつしか「なくなったもの」だと思われてしまう。まさに「釣った魚に餌をやらない」状態です。照れ臭かろうが面倒臭かろうが、伝えないと。

仕事でも同様だと思ってます。俺もちんたら音楽続けようとは思ってないし、現状維持で満足するようなら相方も万貴音続けようとは思わないでしょう。万貴音が17年も続いてるのは当たり前のことではなくて、お互いの関係や音楽について「締めるとこは締める」をやってきたから辿り着いた一つの奇跡だと思ってます。こうやって書くとちょっと大袈裟だけど、多分きっとそう。

話が重くなってきたので普通のテンションに戻して。。なんかあれですね、槇原敬之さんの「どうしようもない僕に天使が降りてきた」のバッドエンドルートみたいですね。笑 「愛を勘違いしないでください」って歌詞はグサッとくるけど、ほんとそれ!です。

余談ですが昔、人との距離感について結構悩むことがありました。望む人との距離感って自分と他の人ではそれぞれ違っていて、それがまだ分からなかった当時の自分。今もちょくちょく感じることだけど、きちんと相手に向き合うなら距離感バグってたら駄目ですね、一方通行にしかならん。

あ、分かると思うけどタイトル「ヒビ=日々/罅」ね。


【音の解説】

スローテンポではあるものの、メロディは16分音符フィールなので割と細かい動きのあるロックナンバー。ドラム、ベース、ピアノ、アコギはいつもの布陣で、そこにきつめのディストーションギターがのっかります。こんなに歪みの強い音色使うことはこれまでなかったはず。

これは何をしたかったかというと、「大きな落差(ダイナミックレンジ)」を演出したかったんです。イントロのドラムも打ち込み色の強いリズムループで淡々と、Bメロまでちょっと低めの平熱で引っ張って、サビでいきなりエレキギターと一緒にボーカルが咆哮する。このヒントは確かB'z「Calling」からヒントを得たんじゃなかったかなと思います。

ボーカル、サビ以外はほとんど声を張らなくても歌える声域でメロディメイク。サビでは一転して、かなり頑張って張らないと歌えないぐらいのきつめのメロディメイク。歌詞の重さも相まって、この曲やるのは結構覚悟が必要です。笑

「ロック=爆音!」ってイメージのある人も多いと思うけど、音楽って落差がとても大事で、1曲通してずっと歌詞もメロディも音も強いと、ただ平坦に聴こえてしまうんですね。「フォルテを活かすにはピアノを作る」、という基本のキをいつもより強く作ってみた曲です。惜しむらくは、アレンジで演出しきれる技術は当時まだ足りてなかったかな。今ならどう音作りするだろうか。

個人的にお気に入りなのは「Cメロ(状況証拠並べて〜)」での転調含む場面転換です。ちょっと専門的なことを書いておくと、基本キーがEm、CメロではEmの同主調E、そのの平行調であるC#mに変わります。ややこしいなおい!笑
小難しいことは置いといて、Cメロでいきなり浮遊感のようなものを感じていただけたのならば、小田の演出成功です。

あとこの曲、ギターソロかなり頑張って弾いてるので褒めてほしい。笑 これは中原万貴が万貴音組む前にやってたユニットの楽曲の影響が残ってると思います。小田はそのユニットでもサポートでギターのレコーディングしてたんです。全ての経験はどこかで活きるのだ。


【あとがき】

ライブで演奏することも本当に稀な曲ですが、当時はエレキギター弾きながらやってたなあ、としみじみ感じながら書きました。まあしかし、改めて歌詞の重さには今振り返ってびっくりでした。当時どんな精神状態だったんだろうね、俺。笑

次回は「#10.夕陽の記憶」を解説します。メロウなファンクテイスト、そして続く失恋ソング。どうぞお楽しみに。


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