【セルフライナーノーツ】#11.質疑応答【MAGICAL MOMENT】

2022年12月6日 00:41

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#00.プロローグ
 #01.FOR THE MAGICAL MOMENT
#02.モーニングサービス-Album ver.-
#03.STEP IN
#04.ゆるり
#05.冷たい手のひら
 #06.勝負パンツ
 #07.EAT 'N' FIGHTER
#08.未来予報士-Album ver.-
#09.ボクとキミのヒビ
 #10.夕陽の記憶

気付けば12月、気付けば月曜日。よく書く言葉ではあるものの、さすがに普段どんだけ気付いてないんだろうか、と自分が心配になる今日この頃。本格的に年末の雰囲気ですね。風邪引いてませんか？最後まで元気にいきましょうねー。

では今回もどうぞよろしくお願いします。ぐっと襟を正して。

CDご購入はBASEオンラインストア「万貴音屋」で。サブスク化されてないんで紹介しづらいんですが、現物が売り切れたら検討しますのでぜひ。

「質疑応答」楽曲クレジット

作詞：小田貴音　作曲：小田貴音　編曲：万貴音

【楽曲解説】

万貴音楽曲の王道の一つ、4つ打ちダンスポップチューン。王道というのは案外厄介なもんです。そもそもある程度の人気が定着してるから「王道」と呼ぶわけで、過去の隆盛に真っ向勝負しなければならない運命を背負うわけですね。もう一つ、「王道」に類する要素を含んだ上で、きちんと別のアイデンティティを持った曲としてまとめなければいけないわけで、ただのテンプレには出来ないという経験則があります。音を作るにはある程度気楽さはあるんだけど、ねー。

さてこの曲、正当な親曲は疑いなく「アンケート」。これはすこぶる順当な流れ。4つ打ち、歌詞もタイトル通り「問答」で構成されているもの。親の片方は揺るぎないものとして認識しておいて、じゃあそのお相手は誰かというと、何を隠そう「じゃんごーじゃんごー！」です。ギター音色のやんちゃさと、コール＆レスポンス要素。音楽にも遺伝ってあるんです、それはもう強く濃く。

歌詞の口調について。格調高い風なものや日記風なものもありますが、今回はなんというか「話し言葉」風といえばいいのかな。授業終わりに、あるいは塾の講義後の質問タイムの返答みたいな雰囲気を意識して書いた記憶があります。タイトルは固めだけど、中身はなるべく着飾らない形で。その上で雰囲気は微妙にスキマスイッチさんの影響を受けている印象があります。通常の口語よりも一歩だけ、より砕けた感じ。しかもなんとなく関東の雰囲気、っていうイメージです。「垢抜けた」ではなく「垢抜けたい」が正解。笑

自分がやることに対して、「出来るなら失敗したくない」ってのは極めて自然な感情だと思うんですけど、失敗せず生きる秘訣って「何もしないこと」なんです。その前提で断言しますが、成功する秘訣って「たくさん失敗しながら動くこと」なんです。小室哲哉も、秋元康も、中田ヤスタカも、ヒット作の後ろには幾千の試行錯誤と、頑張ってもヒットしなかった作品が無数にある。

頭の中にある最高のアイデアは、そこから取り出さないと意味がないんです。誰かに大きな迷惑をかけない限りは、どんどん失敗しながら動いていくことこそがゴールへの道のりだと思います。恥ずかしく感じる失敗は、その先の成功への「栄養」だと思って、飛び込んでいきましょうよ。

アルバム「MAGICAL MOMENT」という作品としては、この曲で締めくくる形でもありでした。最終的に「明日もみんな笑えるように」を加えて構成したけども、アルバムの流れとしてはこれが締めくくりになります。音の雰囲気がそうだよね。試しに「明日もみんな」をスキップして「FOR THE MAGICAL MOMENT」に戻ってもらったら分かると思う。

【音の解説】

「アンケート」「じゃんごーじゃんごー！」の編成に基づくドラム、ベース、ピアノ、アコギ、ワウギター、ブラス隊とディストーションギター。ストリングスはやりすぎなので省いた上での豪華編成。位置付けとしてはこの曲がアルバム本編のラストなので、色鮮やかにやりきった感じです。

この曲で特筆したいのは各楽器の「ピックアップ」。冒頭のギターソロ前「アコギのカッティング」、2コーラス目前「スラップベース」、2コーラス後「エレキギターソロ」など。「こういうのが好きなんよ」をフォーカスした瞬間をたくさん設けました。演奏が上手かどうかは置いといて、「こういうのゾクゾクするよね！」を入れました。ライブだったらピンスポット射す勢いで。共感してほしいー。

細かく説明すれば無限に長く出来る曲な気がするんですが、前述した「ピックアップ」に説明したいことが収束されてるので、ここではあまり長くは語りたくないのです。実際に聴いてみてもらって「ここ！ここよ！」っていう、俺みたいな断片厨になってほしい曲です。笑

【あとがき】

王道ならではの「全部乗せ」を具現化したくて作った万貴音の隠れたキラーチューン。ただし細かく説明すると薄っぺらくなりそうなのがまた微妙なバランス感覚だと感じました。いや、難しいねバランスってのは。

次回は最終回、「「#12.明日もみんな笑えるように」を解説します。いよいよラスト、広島を想う渾身のピースソング。どうぞお楽しみに。

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