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【セルフライナーノーツ】#06.勝負パンツ-万貴音feat.Takane-【MAGICAL MOMENT】

[前記事]

#00.プロローグ
#01.FOR THE MAGICAL MOMENT
#02.モーニングサービス-Album ver.-
#03.STEP IN
#04.ゆるり

#05.冷たい手のひら


秋の夜は夜長じゃなくとも文章が書きやすい。まだ窓を開けてても凍えないので、適度に頭が冷えるのがいいのかなあ。音出す時に家中閉め切っちゃうので、いつの季節でもなるべく窓を開けて風を浴びたい派です。

では今回もよろしくお願いします。

CDご購入はBASEオンラインストア「万貴音屋」から。完売目指して。


「勝負パンツ」楽曲クレジット

作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音

勝負パンツ/万貴音feat.Takane

【楽曲解説】

現在このアルバム内の2曲だけ存在する「セルフフィーチャリング」シリーズの内の1曲。この後続くセルフフィーチャリングはないものの、そのうちまたやりたいなあとは思ってます。

「ちょっと待て小田、表記はないけど万貴ちゃんオールメインボーカルの曲いっぱいあるじゃねーか」と思ったそこのあなた、よくご存知で。その方には「万貴音の楽曲をたくさん聴いてくれてありがとう!」と握手したい。

万貴音はツインボーカルユニットなので、1曲を歌い分けながら構成・展開する楽曲が多いです。が、例えば最初期の「6月のラブレター」を始め、メインボーカルがどちらかのみになっている曲もあります。じゃあそれってもうセルフフィーチャリングなのでは?これについての回答は「ちょっと違うよ」、です。

万貴音の楽曲は基本的に作者が小田なので、小田の好みや精神世界が反映されやすいものであるのは事実。ですが、特に歌詞については二人で「きちんと咀嚼できるもの」「きちんと自己を投影できるもの」であることを判断した上で完成させます。ストーリーなり、主人公なりが万貴音というフィルターを通して受け入れられるもの、なのでこれは万貴音の曲。

対して、セルフフィーチャリングを意識して作ったものは「個人にフォーカスした内容」です。完全に一致はしないけど、ある種の「キャラソン」のようなものです。例えばSMAPさんとか、ソロ曲ありますよね。中居くんの「トイレットペッパーマン」とか。ああいう感じです(唐突に雑)。

それぞれの特徴を自分たちなりにブーストしたら、想定外にピーキーな内容になってしまった、という結果に。笑 とはいえギャグソングを作ったつもりもないので、意外と主張はしっかりしてるし、音も格好良かったりします。

前置き長くなりましたが改めて、楽曲「勝負パンツ」について。

辞書を引くと「意中の異性に見られることを意識して着用するもの」とあります。この時点ですでに小田、変態紳士確定。表現は結構危険域に抵触しそうな点も散見されますが、その内容は意外にも真面目なものです。

これ、ライブに赴く自分の「覚悟」を歌った歌なんです。人前で歌うのが恥しがろうが、歌や演奏に自信がなかろうが、誰かと比べて劣等感を持っていようが、「音楽やるよ」っていうプライド一つを引っ掴んでステージに立つ「覚悟」の歌。舞台袖とステージ上でまるで性格が違うミュージシャン、結構多いと思いますよ。自分もそういう側面はある、と思う。

あと実はですね、この頃めっぽう曲が書けないスランプに陥ってしまってて、この曲はリハビリとして書いたという経緯もあります。この曲を最後まで描き切れたことで、また前を向いて進めたんです。「勝負パンツ」という曲を纏って、変態紳士は変態戦士でいられたわけです(綺麗にまとまった!)。


【音の解説】

ミディアムテンポ、ブルージーで意外にもゴージャスなロックチューン。クールなエレピのリフにスモーキーなギターが絡み、ブラス隊が吠え、女声コーラス隊が変態的に華を添える。果たして解説これでいいのか?笑

16分音符のフィーリングも少しありますが、基本的には8ビートの粘りのあるリズムの食いつきが特徴。結構腰にくる、「踊れる」曲になってるんじゃないかな、と思ってますがどうでしょう。

アレンジについては、今になって聴き返してみても我ながら思いの外優秀で、それぞれの楽器がきちんと出入り、差し引きを効果的に機能させているように思います。よーやったな、当時の俺。笑 エレピ、アコギ、エレキ、ブラス、コーラスがそれぞれ光になり影になり、ボーカルを色付けていっている感じ。よりによってどうしてこの曲でこうなった。笑

歌の構成としてはポップスでは珍しいAメロ-Bメロの二部構成。一般的なポップスである「Aメロ-Bメロ-サビ」の展開ではなく、先に主題(Aメロ兼サビ)を提示してそのカウンター(Bメロ)でワンループ〆る構成です。

ギターソロで緩急つけつつ、大サビのみキーを+3して明確なクライマックスをつくり、歌を抜けるとスッと元のキーに戻る展開。「はい、ここ、天井!」が驚くほど分かりやすい曲になっております。

コーラス隊は中原万貴x3。ラスト1分に出てくる言葉が「パンツ」のみで埋め尽くされているという狂気な楽曲なんですが、万貴さんがこのオーダーに少しでも不快感を示せばコーラス取りやめを決意してました。だってセクハラになりかねないもの!結果、楽しんでやってくれたのでホッと胸を撫で下ろしつつ、相方の懐の広さによって無事に生み落とされた曲である、ということをここに明記しておきます。


【あとがき】

変態紳士は変態戦士になり、リハビリで予想外に優秀な名曲としてドロップされた「勝負パンツ」を解説しました(もうわけわからん)。

最近こういうピーキーな曲作れてないなあ、ちょっとお利口すぎるかな最近、と記事を書きながら感じたりして。こうして昔の曲に触れて今新しく自分の引き出しや感情を知るのは楽しいなあ。願わくば、読んでくれたあなたも楽しんでいただけていれば、こんなに嬉しいことはありません。

次回は「#07.EAT 'N' FIGHTER -万貴音 feat. Maki-」を解説します。セルフフィーチャリング、SIDE万貴。食と歌と、闘う女の子。どうぞお楽しみに。


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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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