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ハノイ市街に山手線を重ねてみた

ハノイの市街地に東京の山手線の「輪っか」(図中の緑線)を重ね合わせてみた。

旧市街にありハノイの代表的観光地のホアンキエム湖(剣還湖、Hồ Hoàn Kiếm)に東京駅の位置に合わせると、僕はおおよそ新宿駅辺りに住んでいることが分かった。これは、個人的な距離感覚とも合っている。

ところで、人々(生活圏が東京の人)が思い描く東京駅ー新宿駅の距離感とはどういうものだろうか? 僕の場合、皇居沿いに進み半蔵門から新宿通りに入り御苑のトンネルを抜ければわりとすんなり着く、実は割と近いというイメージだ。クルマやバイクで自走しない人からすると、中央線でS字型に大回りする感じ(快速だから早いけど結構遠い)だろうか?  あるいは、地下鉄丸の内線利用者だと経路は意識しないけどチマチマ停まるため結構遠いと感じるだろうか? 足が鉄道主体だと実際の距離よりも乗換含めた乗車時間が距離感の尺度になってくるものだろう。

距離感覚の話は置いておき、次に衛星画像と重ねてみる。

ホアンキエム湖(東京駅)の東側はすぐホン川で、川の向こう側(左岸)のロンビエン区は郊外の装いとなる。反対の新宿駅の位置に相当するカウザイ区の西側や南トゥリエム区には開発地域が広がり、IT企業の高層ビルが林立する地区があったり国家機関の移転先の地域となっている。つまり、東京駅から新宿駅の山手線サークルの横幅に相当する範囲がハノイの従来からの市街地、その外側はこれから開発される地域という感覚で大きくは間違っていないだろう。

西へ西へ

東京では、新宿の西側は既に多摩丘陵にも都市化が覆いかぶさり(映画「平成狸合戦ぽんぽこ」を思い出す)、高尾の山にぶつかるまで延々と市街地が広がっている。既に成熟の域に入っているが、その先には何が待っているのか。一方、ハノイは今盛んにこの西側の地区が開発されている。ハノイへの人口流入(社会増)と自然増により、どこまで市街地が拡大していくのだろうか。そして、西に西に通勤圏が広がっていき本領発揮するのが都市鉄道(メトロ)だろう。現在、3号線は一部区間は構造物も完成し試運転もされているが、「カウザイ駅」より東側の地下区間はまだ完工していないようだ。「カウザイ駅」は構造上折り返し可能になっているようだから(写真:ハノイ都市鉄道3号線 カウザイ駅を出る試運転列車、クロスポイント設置が確認できる。筆者撮影)、個人的には、準備が整っているのであればカウザイ駅以西を先行開業していはどうかと思う。

僕は、noteで以前「P2Pなハノイ市民にとって、BRTや都市鉄道は不要ではないか?という説。」https://note.com/makinhanoi/n/n325b3b3adbb0 というのを書いたが、大量の遠距離通勤者の輸送力としては必要になってくるだろう。確かに「今」ではないけど、それが必要な時は急速に近づいているような気がする。その点は考えを訂正、補足しておきたい。

ハノイ市の行政区「区、県、町」

最後に、ハノイ市の行政区の図について補足する。冒頭の図ではハノイ市内の行政区を以下の違いで色分けしている(色名称が不適当かも知れないがご容赦を)。
 紫色=旧市街4区(Quận[郡])
 桃色=区(Quận[郡])
 ベージュ=県(Huyện[縣])
 黄色=町(thị xã[市社])(日本語表現としては「市」と呼ぶことも)
ハノイ市全体を表示すると下図のようになる。近隣の省と合併をして面積が大きくなっているが、ハノイ都市部についての話をするときは「区」のエリア内で十分だろう。「県」エリアはおそらく長閑な田園や風光明媚な丘陵地域が広がっているのだろうが、コロナの影響で僕は未だ赴くことができないのが残念だが、そのうち行ってみたい。

GIS by SuperMap

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