指摘し指摘される勇気
誰かと一緒にいい仕事をしたいと思ったら、持っておきたい勇気。
私は以前、パートで無印良品に勤めていた。
すでに整理収納アドバイザー1級の資格を保有していたため、店舗の倉庫整理には、目をぎらつかせながら取り組んでいた。
ある特定の分野の プロであったり、得意であったり、自信を持っていたりすると、その分野の取り組みが楽しく思える一方で、問題点にも気付きやすくなるものだ。
当時の私はその問題点すら楽しめるほどだった。
倉庫の中、業務の仕組みが改善されていくと、これまでかかっていた時間や手間がどんどん削減されていった。
店長から相談をされることもあり、仕事はどんどん楽しくなっていった。
一方で、パートでありながら、店長や社員、他のスタッフに指摘をすることは勇気が必要だった。
和気あいあいとしたいい雰囲気も必要だが、仲良しこよしクラブではいけない。
言うべきことはアサーティブに伝える必要があった。
一方で、難しいと感じるのは「指摘される側」の勇気だ。
指摘を、非難されたと捉えたり、「叱られた」などと落ち込んだりすることは、不必要だ。もっと言うと「無駄」なことだと、この時学んだ。
もちろん指摘する相手の言い方で傷ついたりすることはある。
ただ、相手の言い方のキツさと、自分の指摘された内容は切り離さなければならない。
それを踏まえての心構えを日頃から持っておくことが必要だ。
その心構えはこの2つだ。
①相手に感謝すること
②スルーできること
この二つは矛盾しているように思えて、指摘されるときの心構えとしては重要だと思っている。
まずは、①感謝することは、自分の行いについて考えてくれた事への感謝だ。内容に不満があっても感謝する。
②スルーできること、とは、指摘が必ずしも正しいものとは限らないからだ。
お客様アンケートがそうだ。
私の講座のアンケートに、たまに
「〇〇も知りたかったので残念だった」とか、
「もの足りなかった」と言った感想をいただく。
これは逆に、私の講座が焦点を絞って伝えたことの証だと思っている。
そういった意味での「スルー」である。
たった90分の講座に、あれもこれも入れ込んでしまっては、「いったいこの後何をすればいいの?」となるに違いない。それよりは伝えるべき事を1つに絞った方が、本当に伝えたいことが伝わるのだ。
それと、こういうことが知りたいのね?と新しい講座作りのヒントにもなる。そこに感謝の気持ちが湧く。
間違っても、相手の要求を鵜呑みにし、「〇〇も伝えればよかった」などと反省などしてはいけない。
指摘すること、指摘されることへの感情の揺らぎを最小限にし、引きずったり引きずられたりしないためには、まずは日頃からの人間関係の構築がベースにあることは言うまでもない。
その上で、相手に感謝し、時にスルーできる心構えを持っていたい。
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