2019/02/10-11

実家の玄関にいた。
雑誌か教材の訪問販売のおばあさんと話している。
小柄で細く、背中が少し曲がっている。白よりのグレイヘアで、あまり手入れされていないのか無造作にシニヨン風に束ねられていた。

種類の違う書籍を2冊購入することにした。
2冊を玄関の靴箱上に置いてあり、おばあさんを玄関に残したまま一度室内に引っ込む。おそらく財布を取りに行くため。

玄関に戻ると、おばあさんの姿はなかった。
軽く目だけで探すと、玄関横の階段を無断で数段登っていた。

そんなに必要でもない書籍を買うことにしたのは、おばあさんがホームレスのような貧しい生活をしていると聞いたからなのに、こいつは恩を仇で返すのか。私は瞬間沸騰、激怒して階段下に駆け寄り叫んだ。
「何してるんですか!」

気付かれたことに驚いた老婆は、階段を駆け降り、さらに家の奥に向かって廊下を駆けていった。
すぐ近くのパートナーに後ろから抱きついた。
私はさらに怒髪天。愛するパートナーに危害を加える気なら許さない。
すぐに引き剥がし、首根っこを掴んで引きづるように玄関へ放り投げる。
力なく土間に転がる老婆。

「この本返品か、警察に引き渡すか選べ!」
よたよたと玄関から家の中へ入ろうとするたびに老婆を土間へ引き倒し、3度問うたのち、回答しない老婆相手では埒が明かない。首根っこ掴んだまま通報。
ウゴウゴと老婆は抵抗しているため、羽交い締めにすると、警察のシルエットが玄関のガラス越しに見えたため、そのままドアを開けて老婆を引き渡す。

2階の寝室に避難していたパートナーへ駆け寄り、無事を確認する。
どうも色仕掛けでパートナーを味方につけようとしたらしい。
パートナーが苦笑いする。

聴取があるのではと考え、玄関から外へ出る。
家から少し離れたところに、警官と老婆が対面していた。老婆の後ろには、彼女の商売の元締めの女性が立っている。
鮮やかな赤紫のスカートスーツに身を包み、さらに明るい口紅を差している。頭はキャビンアテンダントのようなお団子にまとめられている。
まるで詐欺師。

少しすると、警官が二人を連れていなくなった。

警官1名が玄関へやって来て言うには、老婆は強盗目的で侵入したということで、即日解雇で警察署で事情聴取されることになったと言う。
あの元締めの女性が指示したのだろうが、トカゲの尻尾切りにあったのだろう。

玄関の書籍は、いつの間にかなくなっていた。

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