マキタスポーツ

俳優・芸人・ミュージシャン・著述家などの肩書で活動。ここでは世の中を楽しくする新しい価…

マキタスポーツ

俳優・芸人・ミュージシャン・著述家などの肩書で活動。ここでは世の中を楽しくする新しい価値観を提案していきます。 CONTACT→makitagakkyu@gmail.com

最近の記事

「雌伏三十年」 第9章 『流転するバンド』 部分公開

ミーティング後、俺は自宅に帰るわけでもなく歩いていた。秋風が土手っ腹を吹き抜け、身体を芯まで冷やす。いつの間にか季節は変わっていた。 胸に去来する無情。  別れはいつも暴力的に俺の前に現れる。志保の時もそうだった。こちらの事情などお構い無しだ。自分のしたことの落ち度が見当たらない。一気に2人が俺の前からいなくなった。 二日酔いのようなドローンとした気分のなか、何故だかわからないが、山口とツアー中にした会話を思い出していた。  運転は山口、助手席には俺。他は皆、寝ていた。山

    • 「雌伏三十年」 第1章 部分公開

      3月23日に発売になった自伝的小説「雌伏三十年」の一部を公開します。 ■マキタスポーツ×九龍ジョーオンラインイベント予約受付中 第1章 俺は悪くない 「こいつら売れねえな。」  PA卓の前で、そう呟きつつ、二日酔いの俺の頭は、いつもよりどんよりとしていた。  そのバンドのボーカルは、前頭部から頭頂部までを剃り落とし、ちょび髭で、燕尾服姿、さながら狂ったチャップリンの様。 「放火魔だもの〜 放火魔だもの〜」  マジック用のフラッシュペーパーに火をつけながら歌っている。も

      • 「性教育」の提案 後編

        前回は「年頃の娘に父親からコンドームを渡すか、否か」という問いに対しての、皆さんの反応をまとめました。大半の方が否定的であり、私もそのつもりはないことはお伝えしました。 ただ同時に、性教育に関しては保守的だということが分かりました。 今回はなぜそのような問いかけをしたかも含め、その話の中で出てきた「性教育と現場との乖離」について、何が問題なのか考えていきたいと思います。 今までも「生命の神秘」としての“性”は教育の対象であり、今後もそうでしょう。 「このままでいいじゃん?

        • 「性教育」の提案

          私には16歳、高校2年生の長女がいます。時間がある時は二人で映画を観に行くなど、割と関係は良好だと思います。今回はそんな年頃の長女を通して見えてきた「性教育」の提案です。 長女は今、性の最前線にいます。性教育らしいことは家庭ではしていないですし、学校教育でも限界があるでしょう。その娘に何ができるのか心配になったことが提案のきっかけです。 性の実弾が飛び交う戦場にいて、無防備に立っていると思うと、何かしてあげられないかという思いと、性教育と現実の乖離に違和感を覚えました。

        「雌伏三十年」 第9章 『流転するバンド』 部分公開

          「スモール焼肉」の提案

          平成が終わるという今日。 私たちはそろそろ「焼肉」ついて考える時が来ていると思います。 我が家では家庭の雰囲気が重くなっているな、と感じた時などに焼肉に行きます。皆さんもそういう経験はありませんか?最近、働き過ぎたからいっちょ焼肉でも行くか!みたいな。 焼肉はイベントになるんです。 このイベント感、何かに似ているなと思ったら、オリンピックです。元気出す為に焼肉行こう!と、不景気だからオリンピックをやろう!は同じです。 オリンピックを招致できれば、施設も建てて、雇用を生んで

          「スモール焼肉」の提案

          「記憶スイッチ」の提案

          人は、10年を3回経験すると「翼」が生えることをご存じでしょうか? 私のように40代後半になると、慣れたものでビュンビュン飛んでいます。飛びまくっています。もしかしたら、飛ばされているという方が正しいのかも知れません。 例えば、 「1988年のソウルオリンピック」 …。 …。 …。 すみません。飛んでしまいました。 頭の中で、カール・ルイスを負かしたベン・ジョンソンが、変なオシッコを出していました。 これが、私が10年を3回経験すると生えると言う「翼」です。 ふいに与

          「記憶スイッチ」の提案

          「カレーを見直す」提案

          あなたはカレーが好きですか? 「辛みが苦手」という人はいても「カレーそのものが嫌い」という人に会ったことがありません。 今や日本の国民食と言って良い程のカレーですが、余程でなければ毎日は食べないですし、食べられないですよね?なぜなのでしょうか。 今回はその理由を私なりに解釈し、もっとカレーを楽しめる提案をしたいと思っています。 かつて、私はカレーの作り方にこだわっていました。 ヤギの脂を調達して、水を一滴も使わず、全部の野菜をミキサーにかけて、スパイスも自分で調合して…な

          「カレーを見直す」提案

          「10年目の結婚式」の提案

          今回は「結婚式」についてです。私は結婚式を挙げていない、いわゆる授かり婚でした。 そんな私が提案したいのは「10年目の結婚式」です。 その名の通り、結婚式を挙げたことのある夫婦も、挙げてない夫婦も10年目に結婚式を挙げよう、というものです。 私たち夫婦は結婚して17年になりますが、結婚当初は挙式をしておらず、 結婚10年目にして初めて結婚式を挙げました。 プロポーズらしいプロポーズもないまま、何となく結婚生活が始まってしまい、そのことに対する後ろめたさが私にはずっとありま

          「10年目の結婚式」の提案

          「ポータブルごま油」の提案

          私、マキタスポーツは普段は俳優・芸人・ミュージシャンなどの活動をしていますが、ここでは新しい価値観を提案していきたいと思います。 今回は「ごま油」についてです。皆さんがよく見かけるごま油と言えば『かどや』でしょうか。 私はごま油が大好きです。好きになったきっかけは、自炊を始めた頃でした。 人に振る舞った鍋に、ごま油を一垂らししたことで、めちゃくちゃ喜んでもらえたという体験からです。 そこからごま油を使いながら食事を楽しんできました。 炒め物や揚げ物はもちろん、ドレッシング

          「ポータブルごま油」の提案