猫耳戦記 シーズン2 第十四話 キャプテンフックの憂鬱とピーターパン

 キャプテンフックはハデス帝国南部に自分の帝国を作るために様々な事業を行っている。
 ピーターパンを利用して異世界から人間を連れ去ってくる事業。
 その人間を覚せい剤や麻薬を使ってそれらを生産する事業。核兵器づくり。
 また、強力な兵隊を用意するため、異世界から連れ去った女に、魔族とハーフの強力な兵器となるキメラを産ませる事業。
 神聖ハデス帝国のケルベロスにそれらを売りつける事業。
 キャプテンフックの正体は、人間だった。
周囲を隷属させたい。それこそ魔界で食事をする際、彼が持った願いであり、そういう魔法を持っている。人間である彼が持った能力は九尾と違って力の代償がない。
「ウェンディはいつになったら返してもらえるのですか?」
 ピーターパンはしつこくそう言ってくる。
 ピーターパンは元が人間と魔物のハーフだ。空を飛んだり、幻術を使ったりできる。
 飛行速度は修羅の国の八咫烏という民族より早い。
「ウェンディはキメラを産ませる作業で忙しい。お前は黙っていうことを聞け。そのうち返してやるから、それまではお前が異世界から人間を連れ去ってこい。言うことを聞かなければウェンディは殺す。今月の目標は大人百人だ。一日三人以上連れ去ってこい。」
 毎回、こう答えられている。
 ピーターパンは唇を噛んで悔しそうな顔をして人間をさらいに異世界へ行く。
 だが、キャプテンフックを前にして、やり返すことはできない。
 あのケルベロスもキャプテンフックが九尾対策に用意した強力なキメラだ。
 ウェンディをだしにしておけばピーターパンは言うことを聞く。
 ピーターパン自身、妖精と人間のハーフであり、この世界ではキャプテンフックの言うことは全て正しく聞こえる。もしかしたらウェンディは死んでいるかも知れない・・・。
 ピーターパンは心の奥底でそう思っていてもキャプテンフックがそう言うならそうなのだ。
 いつか返してくれる。それを信じさせながら、今、ウェンディが酷い目にあっていることを知らされつつも・・・そう思いながら百年近く経ってしまっている。
 それに強力な洗脳魔法。彼は自分を殺すなと相手に命じるだけで人間でも魔族でも安全に従えてしまうのだ。
 この魔法を解くにはより強力な洗脳魔法を受けて上書きされなければならない。
 その魔法が使えるのは・・・魔界では九尾だけだ。しかし九尾は敵なのでその魔法を自分にかけてくれることはないだろう・・・絶望的だ。
「報告事項があるのですが。・・・。」
 そのとき九尾らと出会ったことをピーターパンはキャプテンフックに報告しようと思ったが、したくなかった。
「何だ。言って見ろ。」
 報告すべきこと、九尾やその仲間と接触したら言うようにキャプテンフックは以前から命じていた。
「この前、ネバーランドから異世界へ行った時に、遊園地で遊んでいる九尾と遭遇しました。交戦しましたが、帰れと言われてしまい、倒せませんでした。」
「ならば仕方なかろう。九尾と出会ったら次からは交戦せず。逃げろ。」
「分かりました。しかし、奴は私に待てと命じられ交戦を強要されました。」
 何だか面倒な話だ。そうキャプテンフックは思った。
「ならば。相手がお前を殺そうとしたら、大人しく死ね。」
 キャプテンフックはそう命じた。
「ついでにあいつらとは口を聞くな。お前は黙々と人をさらってくれば良い。」
「分かりました。」
ピーターパンにかけた命令(呪い)を解かれてしまっては困る。なるべくなら余計な戦争は避けたい。九尾がこちらに襲い掛かろうという危機に、戦力となるのは人間と魔族のハーフ。つまりたくさんのキメラだ。修羅の国占領作戦では、自分たちの戦力は温存できた。
「あー。あいつら(九尾)が攻めてきたらどうしよ。」
 それを思うと、憂鬱なキャプテンフックだった。
 戦力が足りない。キャプテンフックの悩みはそんなところだった。
 なにせこの国には戦力になる人間を薬物漬けにしたので、大した魔力を持たない人間しかいない。キメラは魔物には強いが人間ほど強くはない。
 早急に強い人間を集めなければならなかった。ピーターパンには急いで異界の人間を集めさせる必要があった。ピーターパン以外にもたくさんの妖精を駆使して早急に集める必要がある。
 
〇〇〇
 
「ピーターパン。まだあの子のことを気にしているの?」
 ティンカーベルという妖精がピーターパンに話しかけた。
 ティンカーベルは妖精だが、童話と違い背丈はピーターパンとそう変わらなく若干ぽっちゃりしていて巨乳の人でかわいらしい人であった。
「うん。僕にとってウェンディは特別なんだ。大人になることはないネバーランドではあるけれど・・・。きっともうウェンディが死んでしまっていたとしても・・・僕はあの子が生きていると信じていたいんだ。」
「キャプテンフックが言っていることが本当だったら、ウェンディはたくさんの魔物に犯されているっていうことなんだよ。それほどの魔物に犯されて・・・キメラを産ませられて・・・人間が生きていられると思う。幼い少女が・・・そんな目にあって・・・。」
 ピーターパンは泣き出した。
「・・・僕が・・・僕がもっと強かったら・・・あの子を守ることができたのに・・・。」
「私は、あなたの特別にはなれないかも知れない・・・でも私がいるよ。」
「ありがとう。ティンカーベル・・・僕は君のことも好きだよ。でもウェンディが・・・。」
 
「惚れた女の一人も守れない。いじけた男だったのか。こんなのに私は魔界へ連れてこられたのか・・・。」
 
「あなたは誰?」
 ティンカーベルが振り返るとそこに鈴がいた。
 これから暗躍するつもり満々の猫耳の鈴だ。
「お前が思うより女は強いにゃ。がんばるにゃっ。ピーターパン。」
 そう言われると何故かピーターパンは希望が湧いてきた。
「だから・・・誰?」
「私は九尾暗殺部隊隊長。鈴猫だ。ピーターパンを後ろからザクっと刺そうとしてたらそんな会話をしているから何か利用できそうだなと思ったから取りやめたのだ。」
 鈴はそう自信満々に答えた。
「ティンカーベルさん。あんた、男が傷ついているのに付け込んでこの男をウェンディ?から盗ろうとしてたね。この泥棒猫!」
「・・・同性同士には隠せないものね。」
 ティンカーベルはそう答えた。
「そうよ。私はこの情けないピーターパンが大好きなの。駄目であれば駄目なほど好きなの。だってこういう情けない男なら手玉に取れるものね。」
「ダメ男好きって奴か。おまえ身を亡ぼすぞ。馬鹿か?」
 鈴は呆れたようにそう言った。
「いじけた男が好きな馬鹿で悪かったわね! 堂々と自分の身分を明かしたりしてあなたの方が馬鹿じゃないの? 事あるごとにウェンディ、ウェンディばかりで私のことなんて百年も見向きもしない男、そんな一途で素敵な男だよ。ピーターパンは。ピーターパンから愛されたくない女なんていないと思うわ!」
「いや、あんたはピーターパンがイケメンだから好きなんだよ。しょぼくれたおっさんになってもピーターパンが好きか? こんなクソみたいな国に連れて来られた憎むべき宿敵だよ! 私にとっては利用価値がありそうだから刺さなかったって言ったよね?」
「いえ。愛すべき男よ!」
 ピーターパンの涙は引っ込んだ。ティンカーベルも鈴という暗殺者も自分の悪口ばかり言っている。
「あの・・・僕も言いたいこと言って良いですか?」
「「あんたは黙ってなさい!」」
 二人そろってそう言われた。
「分かった。こうなったら拳で会話するしかないみたいね。」
 ティンカーベルがらしからぬことを言いだした。
「望むところだ。中つ国モンゴロシアン相撲で二番目に強い私があんたみたいなクソ女に負けるわけがねーわ!」
 ティンカーベルの右の拳が一閃鈴の頬をとらえた。
 鈴は左の手の平で受けてかわした。
「さすがデブ! 一撃が重いわ~。」
「うるさい! チビ! ぽっちゃりと言え!」
 今度はティンカーベルのローキック。それは後ろへ飛びのいて鈴はかわした。これを食らったら足が死ぬと鈴は判断した。まともに殴りあったらティンカーベルの方が強い。
 だがしかし、アリスほど強くはない!
「避けんなチビ!」
「うるせーデブ! ぽっちゃりとデブは何が違うんだよ!」
「デブ言うなチビ!」
「チビでも私の方が可愛いもんねぇ。彼ぴいるもんねぇ!」
 一瞬ティンカーベルが怯んだ。
 鈴の顔面フックのパンチがティンカーベルの頬に命中した。
 しかし、体格差があるのであまり効いていない。
「打たれ強いんだね。デブだから・・・。」
 ティンカーベルはブちぎれた。
 そしてなんとハイキックをしてきた。ぽっちゃりしていても身体は柔らかいらしい。
 不意をついた蹴りに鈴は驚いて時間を止めた。
 冷静にその股をくぐって軸足を取った。
 そして時間が流れ出す。
「あっいない? なんだと?」
「お前の負けだ!」
 鈴は軸足を持ち上げて勢いよくタックルしてティンカーベルを地面に叩きつけた。
「う・・・ぐ・・・あのハイキック絶対当たると思ったのに・・・。」
「悪いが時間を止めさせてもらった。」
 寝転がっているティンカーベルを鈴は見下ろしてそう言った。
「ずるい・・・時間を止めるなんて高度な魔法・・・異界の人間って本当なんだ・・・」
「あーお前の大好きなピーターパンが連れて来た人間だ。恨むならピーターパンを恨め。」
 鈴はアリスとの戦いでも時間は止めたことがなかった。
 ティンカーベルとの殴り合いにはそこまでしなければならなかったということだ。
「いつまでもさ。ピーターパンなんて情けない男を追うよりもさ。世の中カッコいい男なんていっぱいいるよ。私が紹介してあげようか。ほら、例えばこの八幡と言う人。ピーターパンと同じように空を飛ぶし、中つ国の首相をやっているけれど普通の八咫烏部隊の三倍の速さで空を飛んでたくさんのドラゴンを撃墜した彼女のいないイケメンだよ。」
 そう言って鈴は写真を見せた。
「あ・・・かっこいい・・・。」
「でもデブが好きかどうかは分からんけれどね。」
 鈴は憎まれ口を言った。
「でぶって言わないでよ・・・そんなかっこいい男よりあなたの彼氏はかっこいいの?」
「いやダサいし彼氏ではない。そうしようと思っているだけだ。ださいが九尾様と取り合っている。あいつは情けないが成長する男、ドラゴンすら素手で一撃で倒し、メテオストライクでもキャッチボールする男。だから私は好きだ。九尾様に取られるのは嫌だ。」
「へーダサいなら・・・私はピーターパンが良い。私はウェンディの代わりでもいい。でも特別に思って欲しい・・・。」
「そう言われているぞ。ピーターパン。どうするんだ? こんないい女を良く分からないイケメンに取られていいのか?」
 ピーターパンは傷ついたティンカーベルをほおっては置けなかった。
「僕は、ウェンディのことが大好きだ・・・。でもここまで思ってくれているティンカーベルは・・・僕にとって・・・やっぱり失いたくない・・・そう思うのは僕がティンカーベルのことを・・・愛しているからだ!」
 言葉を選びながらピーターパンはそう叫んだ。
「おおいに迷うが良い。それが青春だ。そして大人になれ。ピーターパン。」
 鈴が偉そうにそう言った。
 
 〇〇〇
 
「なるほど、魔法にかけられてピーターパンはキャプテンフックに勝てないのか・・・。しかも、ウェンディを人質に取られている・・・と。魔法の種類は九尾様と同じと来ている。それを解くには九尾様の力が必要だが、会わないように言われていると・・・そういうことか・・・。」
 ピーターパンは九尾一味と話すことを禁じられているのでティンカーベルを通じて鈴と話している。その場所はネバーランドの酒場で騒がしいところだった。
「正直。私はもうウェンディは死んでると思うんだけれど・・・。」
「その辺は調査してやろう。ついでだから。」
 鈴はそう言った。
 ピーターパンはティンカーベルに耳打ちした。
「どうやらピーターパンは異世界から人間をさらってくるようキャプテンフックから言われているんだって。ひと月に百人が目標だって。」
「面倒だな。私は九尾一味じゃないにゃ。だからピーターパンも普通にしゃべっていいにゃ。」
 語尾に『にゃ』をつけると簡易的に相手に命令魔法をかけることができる。
「ピーターパン。お前が攫った人間がどんな状況か知っているか?」
「いや、連れて来るだけでそれ以上のことは知らない。」
 鈴はため息をついた。
「そうか・・・これは私がネバーランドに連れてこられた頃のことではあるので百年近く前のことだが、奴らは、人間を麻薬漬けにして、人々を奴隷にしているんだ。連れてこられた人間はまず繁殖用と労働用に分けられる。私は肌の色や髪の色が違うから取り敢えず労働用に仕分けされた。」
 鈴はそれから九尾に救われるまでむりやり薬物を注射されたりするなど中毒と戦い。完全に中毒になる前にたまたま神聖ハデス帝国へ入って来た九尾が救いだしてくれたのだという話をした。
「薬物中毒になってしまった人々は恐らく大した魔法の力を得られないと思われる。私の直感なのだが、快楽に身を染めてしまった人々が望むのは強さではなくより強い快楽だ。だから今は恐らく兵士になる『人間』を集めているのだろう。」
「なぜ『人間』なんだ?」
 ピーターパンは自分で人間をさらっておいてそれは無いだろうという質問を鈴にした。
「ピーターパンは妖精と人間のハーフなんだろう? しかし私のように時間を操る能力なんて無いだろう。ハーフでもキメラでもそう言った人々はすごく強いが、人間は簡単にそれを超えてしまう。ウルグアイスマッシュはもといメテオストライクという攻撃で大幅に戦力を削られたことは記憶に新しいと思う。メテオストライクができる人間は、中つ国には何人もいるが、ハデス帝国にはいなかった。だから人間をたくさん連れてきてそういった人々の部隊を作らなければ、このネバーランドは滅ぶだろう。だから人をさらって来いと言われているのだろう。そうでなければさらに多くのキメラやハーフを作らねばならない。いずれ人間が必要だ。魔界の序列は人間(魔法有り)> ハーフ、キメラ > 魔物 > 無力な人間と弱くなっていくからな。」
 鈴は思うところを語った。大体そのとおりだ。
「ピーターパン。お前がネバーランドを捨てたとしても多分バレない。移動は自由なのだろ?取り敢えず修羅の国で九尾様に謁見することにしよう。ティンカーベルも行かないか?」
 その誘いに二人は二つ返事で行くことになった。
 
 〇〇〇
 
「それで? このムカつく中島を刺した小僧を連れて来たと・・・。」
 九尾はちょっとご立腹だった。修羅の国にある第二の城に九尾はいた。
 そして会食することになった。
「こいつを懐柔すれば我々の兵を送り込むのも簡単ではないかと・・・。」
「難しいなぁ。確かに広島・・・いやさ阿修羅国軍はほとんど人間。彼らを送り込むトロイの木馬作戦・・・確かに強い計略だろうが・・・ばれたら奴の命令魔法で殺されてしまうだろう・・・。今回の戦争は正攻法でなおかつ飛び道具だけで戦って叩き潰したいところだ。今、どんな気分だ。ピーターパンよ。」
 九尾はまだキャプテンフックの呪いが解いていない。
「今、魔法・・・が発動している。九尾様とは話せないと言ってくれティンカーベル。」
「お前を殺すと言ったらどうする。」
 ピーターパンは自分の首筋に食卓に置いてあったフォークを自分の喉に刺そうとした。
 隣に座っていたティンカーベルが自分の手を犠牲にしてそれを防いだ。
「痛・・・。」
「おぬしを殺すのは辞める。フォークを離せ。」
 ピーターパンはフォークを離した。
「すまない。ティンカーベル・・・。」
 ティンカーベルは自分の手に突き刺さったフォークを痛そうな表情で外した。
「鈴。ティンカーベルの手当をしてやってくれ。」
「分かりました。」
「この場でお話の続きを聞かせて頂いても良いですか?」
 ティンカーベルはそう言った。
「良かろう・・・あいつは『死ね』という命令魔法をこうやって巧妙に仕組んでいる。わしがすればわしが死んでしまうタイプの呪いじゃ。キャプテンフックはそういうことを何の躊躇もなくできてしまう。魔法の反動がない『人間』だからできる技だ。ここに来れば死ぬかもしれない覚悟があったな。ピーターパン。呪いを解いてやろう。『キャプテンフックが言うことは全て意味がない。だから言うことを聞く必要はない。自ら死ぬな。』」
 ピーターパンは憑き物が落ちたような感覚があった。
 ようやく心が解放されたような・・・そんな気持ちだ。
「これでもう・・・呪われることも無かろう・・・。わしは寝るからな。起こすなよ。」
 魔力の力で死まで命じられていた呪いを解いたため、消耗が激しい九尾は椅子から立ち上がった瞬間立ち眩みがしたらしく、転びかけた。
 鈴が九尾に肩を貸して寝室へと運んで行った。
「九尾様・・・もうあの方に足を向けて眠れないな。」
 ピーターパンの発言にティンカーベルは頷いた。
 
 〇〇〇

 修羅の国の知事で国の首相、八幡も城への客人をもてなすべく通常の三倍の速度で飛行して駆け付けた。
 
「は!? この美しい方はどなたですか?」
 
 八幡の一言目がこれだった。
 鈴はちょっと笑った。
「この子はティンカーベル。ピーターパンの彼女だよ。」
「へー。ピーターパン殿が羨ましい。」
 ティンカーベルは赤い顔をして顔を背けた。
「おい。ティンカーベル。やっぱピーターパンなんてやめときゃ良かったと思ったろ。」
「う・・・ん・・・。」
 ティンカーベルは遠慮がちに頷いた。
「えぇ・・・ティンカーベル。僕が特別だって言ったじゃないか。」
「はぁ? あんたはウェンディがウェンディがってそればっかだったじゃない。それでも良いって言ってやってんのに・・・。私はやっぱこの八幡さんの方が良いや。」
「何の話か知りませんが、私は妻が既に五人いますよ。」
 真顔で八幡はそう言った。
「えぇ。どういうこと? 彼女いないって鈴さんから聞いたけれど・・・。」
「えっ? 彼女はいないじゃん。目指せ六人目!」
「ねぇ。もう一回やる? モンゴロシアン相撲。」
 ティンカーベルはからかわれたことを怒ってそう言った。
「いや。いいや。今度は負ける気がする。」
「鈴さん、こういっては何ですが妻が一人増えるごとに女性達から殴られるんでもういいのです。」
 八幡は真面目な恐妻家だった。
「ティンカーベル・・・もはや何も言うまい。それでも好きだよ。」
 ピーターパンはそう言った。



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