めざせポケモンマスターでどうしても解せないこと
かの名曲、『めざせポケモンマスター』はご存知でしょうか?
何十年も世代を越えて歌い継がれる、僕のようなおじさんでもカラオケで歌えばそれなりに平成キッズ令和キッズ達にウケる(と思ってる)素晴らしい名曲ですね。
もはや日本の3大国民食はカレー、ラーメン、そしてめざせポケモンマスターと言って差し支えないでしょう。そして、その歌詞も、もはや誰もが目を瞑っても口ずさむことができるものだと言えます。
一つ一つ、見ていきましょう。
そうですよね。森羅万象、様々な困難・苦難・大自然の驚異に立ち向かいながら、いよいよこれから始まる冒険に向けての期待と不安と少しのユーモアを交えた素晴らしい序曲ですね。2020東京オリンピックの開会式でぜひ生歌を披露してほしかったのは僕だけじゃないハズです。
ただ「大変だけど・・・」とか言っても、『ねー大変だよねー』とか言って自称恋愛メンタリストがYouTubeで紹介してるようなクソみたいなカスい共感モテテクニック(笑)にしかならないんですが、そこに強調する言葉を足すことで、「わたしはこんなに大変な思いをしてるんですけど、あなたにわたしの何が分かるんですか?つうか、そんな化石みたいな小手先付け焼刃共感テクニック使って何を期待してるんですか?そんな動画ばっかり見てる時間あるなら少しは筋トレでもしたらどうですか?あと、貴殿じゃわたくしは手に負えなくってよ?」と強く気高い女子感を演出する、高級ワインフランス・ブルゴーニュ産ロマネ・コンティの芳醇な香りと単純な歌詞ながらも複雑さと華やかさがグラスの中でだいばくはつするようなブドウ本来の味わいと気品さ高貴さを纏った果実味、さわやかな酸味、フシギバナのようなフローラルな香りも楽しめる、ドレスコードフォーマル歌詞です。ちなみに僕はアルコールは一切飲めません。
GET、GET。同じ言葉を2度繰り返しており強調と決意を明確に示す力強い歌詞ですね。先日、岸田総理も「経済!経済!経済!」と3度繰り返し、小池都知事もかつてのコロナ禍では「密です!密です!」と繰り返し、政治家の皆さんもよく利用される単純ながら分かりやすい強調文なところに加えて、更に追い打ちをかけるように、かならずGET!ポケモンGET!と、中学生レベルで学ぶであろういわゆる倒置法の典型です。何も勉強しなくても国語の通知表だけは常に【5】をキープし、長野の神童と呼ばれたこの僕が、この倒置法を専門的に図に表すと、
「かならずGET」→「何を?」→「ポケモンGET」=「イエイエイエイエイエイエイ」
ということになります。
これがもし「ポケモンGETだぜ!かならずGETだぜ!」とか言われても(こいつの語彙力は3歳で止まってるんか?)となりかねないのですが、ここであえて【ポケモン】という単語を後から提示することで、この旅はポケモンを捕まえて共に生きていく少年の成長記録世紀末覇王伝なのだという事実を強烈に突きつけてきます。
マサラタウン、言わずもがな主人公サトシの実家がある街です。ここからの旅立ちの寂しさ・切なさ・心細さを表現した叙情的な歌詞ですが、ここでは似たような意味を持つ2つの言葉を繰り返すという、上記で使った【同じ言葉を繰り返す】強調文を可変式で使用する高度なテクニックを採用していますね。【さよなら】と【バイバイ】。上記の小池都知事の例で言えば「密です!集団です!groupです!」となり、岸田総理の例で言えば「経済!売買!世の中金!」となるでしょうか。今、僕はバイバイと売買をかけた高度なギャグを言いました。また、さよならもバイバイもいずれも別れの言葉としては相手にやや冷たいような印象を与えやすい言葉なのですが、ここであえてこの言葉を使うことで、主人公サトシの、もう実家には戻らない、楽しかったあの幼かった日々とは別れを告げる、というはがねの様な固い意志を感じさせます。
例えばこの部分の歌詞が
【マサラタウンにごきげんよう】
誰?
【マサラタウンにまた会おうね】
明日の朝には帰省してきそう
【マサラタウンにTime to say good bye】
ラルク?
【マサラタウンにI know now why you cry, but it's something I can never do.】
(サムズアップしながら溶鉱炉に沈んでいく)
【マサラタウンにI'll be back.】
(ショットガンを装填しながら)
やはりここは【さよなら バイバイ】できっちり別れを告げることが一番だったと思わざるを得ません。ちなみに社会人として正しい別れの言葉は「ではお先に失礼します」になりますので、これから新社会人になる皆さんはしっかり覚えてください。(ぴかちゅう!)
は?????????
鍛えた・・・・ワザ・・・・・????
ポケモンに、ワザの習得度、なんていうシステムありましたっけ??
ワザなんて自分で勝手に覚えていくどころか、むしろ忘れてほしいワザのほうが大半なんですけど?????
ひでんマシンとかいうカスアイテムのせいでヒトカゲにいあいぎりを覚えさせてしまったあの悲しみ・苦しみ、システムをイマイチよく理解していなかった幼い子供たちの純粋な気持ちを嘲笑するかのように、過ちに気づいたときにはもう取り返しのつかないことをしてしまっていたマリアナ海溝よりも深い後悔、カトリックにおける有名な7つの大罪はこの時から【傲慢】【強欲】【嫉妬】【憤怒】【色欲】【暴食】【怠惰】そして【ひでんマシン】が加わり8つの大罪になったと言われています。これもいあいぎりを忘れさせる事ができたり、もしくは習得度とか特定のワザを使い続けることで新技を閃くみたいなシステムがあれば、もしかしたらいあいぎりを使い続けることで閃く【斬鉄剣】でタケシもカスミもくさタイプポケモンばっかり使ってくる雑魚草トメ子もこの斬鉄剣の錆にしてやることも可能だったでしょう。
ヒトカゲでスタートしたサトシがタケシ戦でどれだけ「たいあたりじゃなくてアイアンテール覚えろよ・・・!」と思ったか、カスミ戦でどれだけ「ひのこじゃなくてきりさく覚えろよ・・・!」と思ったか・・・。
ポケモンにおいて【ワザをたくさん使うことで熟練度が上がり、ワザの威力が上昇したり新たなワザを閃くことがある】などという概念はなく、ただ無心にストーリーを進め、己の成長(レベルアップ)とともに覚えたワザはすべて忘れさせ、わざマシンとかいう、ポケモンの大脳皮質と海馬に無理やりワザの記憶を植え付けるなどというマッドサイエンティストの如く狂った発想から生まれた非人道的兵器を導入し、幼少期の内から謎のデパートで購入した怪しいクスリ漬けにし、どう考えても破滅的で危険な思想を学ぶために名付けられたとしか思えないシロモノ【がくしゅうそうち】を装着され、まだまだ未熟な年齢の頃から、生命体を悉く殲滅する不可思議な光線が飛び交い、雷鳴や吹雪を操り天変地異を引き起こす伝説上の怪物が闊歩し、無残に散っていった骸が連なる戦場の最前線に立たされ、戦闘不能なほどの重傷を負わされても即座に【げんきのかけら】などという何が原料となってるかも分からないクスリ(おそらくトリカブトだと思われる)によって延命され、捕まえたポケモンは休む間もなく即座に選別され不要と判断されればどこともなく野に放たれ自然の生態系は完全に崩壊、仲間をふやすつもりは毛頭なく、遺伝子と才能と伸びしろによってのみ選抜された生まれながらの勝者以外には人権、否、モン権は無く、これはもはやポケモンを捕まえて一緒に旅をしていくストーリーではなく、ただただ人間の欲とエゴによって繰り広げられる命を懸けた争いで、人間の勝者側に立つための、ポケモントレーナー界のヒエラルキーの頂点を目指す弱肉強食の凱歌であり、軍歌。
これが真の意味での、めざせポケモン魔星(マスター)。
(ぴかちゅう!)
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