巫女っちゃけん。(2017 ) グ・スーヨン

今までみてきた数少ない作品のなかで、ぐうたら、やる気のない女を演じてみせたら天下一品なのは「百円の恋」(2014・武 正晴監督)の安藤サクラさんだと思っていたので、ここへ新たに広瀬アリスさんを追加しよう。

観ている人をいらっとさせるほどのやる気のなさ、というかそんなに嫌ならさっさと巫女辞めて独立すればいいじゃないか、大人なんだし。と、突っ込みどころ満載な彼女だが、確かにこういう人、実際にいるのだ。仕事の愚痴が多い人に限っていつまでもその場所を離れようとせず、周りの士気をひたすら下げる…疫病神だろうか、神社なだけに。

しかしホークスTシャツを着た少年(こういう子供、確かに九州で見かけるのだ。リアルだった)とその母親をめぐる育児の問題や、女性の生き方についての問題を通して、その解決に至る過程のなか、しらすは巫女という仕事にやる気を見出す。この、やる気を出すようになったきっかけというのが神さまにお世話になったからとか、巫女という仕事に対して何か考えるところがあったからとかではないので人によっては「なんでだよ!ご都合主義!」と納得できない人もいるかもしれないが、そもそもしらすがなぜ巫女という仕事に不満を持っているのか、という明確な説明がないので、そのことが逆に、どんな出来事であれ彼女が岐路を見出すきっかけになり得るのだ。

彼女は八方塞の状況だった。物語の大半が神社の敷地内だけで進んでいた。しかし、少年と出会うことで神社を飛び出し、母親との対峙などを通すことで彼女なりのひとつの通過儀礼を終えた。

抱えている不満の抜け道は、もしかすると意外なところにあるのかもしれない。
っちゃけん。



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