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チャートは語る。

テクニカルとは直接関係のないエッセイ的な話。

とある漫画、「死役所(第2巻)」に収録の「腐ったアヒル」


~あらすじ~  ※ネタバレあり

交通事故で目が見えなくなった漫画家の話。

漫画家志望の若者、塙保。人気小説家の江戸川アラン原作の漫画「アヒルロード」の作画を担当していたが、実力者である江戸川アランの原作のアイデアに羨望していた。

編集社の直入から「江戸川アランはバイクのツーリングをしている時に話を思いついた」と聞いた塙は自分もあやかろうとバイクに乗るようになるが、ある日事故を起こしてしまい失明してしまう。

視力をほとんど失い、漫画が描けなくなってしまった塙。
そして、「江戸川アランの作画担当は変更になった。」と直入から伝えられる。その直後、塙は崖から転落死してしまった。

漫画家なのに目が見えなくなってしまった直後のことだけに、「自殺じゃないか?」と噂されてしまう。

だが、塙は自殺ではなかった。
死にたいという思いが頭を過ぎりはしたが、実際に死のうとは思わなかった。なぜなら漫画に携わりたかったから。

絵はダメでも原作担当ならなんとかなると思い、リハビリでパソコンのキーボードの練習ばかりしていた塙。それだけ漫画が好きで、人生そのものだった。

そんな彼が、自殺などするはずがなかった。

編集社の直入が原作担当の江戸川アランの家を訪ね、亡くなった塙が自殺の可能性があることについて話す。

それに対して、江戸川アランは「自殺なんかじゃない」と言い切った。

「彼は絵を描けなくなり絶望したかもしれません けれど世界が変わったことにより 以前の彼には描けなかったような話をきっと描けるようになっている 彼には僕の世界を充分に表現してもらいました 今度は彼自身の世界を表現できる時だったんです そんな彼が自らのチャンスを潰すようなことをすると思いますか? 彼は自殺なんてしていません 絶対に」


直入に「塙くんと会ったことあるんですか?」と聞かれた江戸川アランは「ありませんが、彼とは作品の中でいつも会話をしていましたから」と。

直入も仕事の役割として塙を作画担当から外しはしたが、塙が漫画が好きで人生を賭して取り組んでいたことは知っていた。

そしてひとこと「ずるいなぁ。(江戸川先生は自分ばかり彼と心通じ合って)」と。。。


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さて、自分のチャートを見て誰かが「この人はチャートに本気で取り組んで来たに違いない。」と思ってくれるほどの何かを残せているだろうかと考えた時に、そこに宿るものはまだまだ全然足りないと気付く。。。

また逆に、チャート上に引かれたライン1本を見てその人の賭けてきたものが分かるかと言えば、そんな見識を持てる日が来るのかどうかも分からないとしか言えない。

分からないけど、前進あるのみ。。。

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