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紅茶教室というより研究室

久し振りに私の紅茶の先生のところへ。

ドイツ・ロンネフェルト社のゴールドティーマイスターになるために、自分に何が足りないのかわからなくて、もう一度、基礎的なことから学び直そうと、当時、東京から戻られたばかりだった先生の紅茶教室の門を叩いてから、気付いたら10年の月日が流れていました。

「どんなことが学びたいですか?」と10年前に先生から聞かれた時は、「どんな試験なのか見当もつかないので、とにかく基礎から学びたいです」と答えたものの、スリランカの地形や茶樹の品種や交配、工場の機械の構造や旅先での注意点など、かなりマニアックな内容まで色々と教えていただき、無事に資格を取得することができました。

仕事が忙しかったりコロナもあって、お教室も途切れがちなここ数年でしたが、勉強したい欲求がむくむくと湧いてきて、先生にお願いして再開していただくことに・・・

「どんなことを学びたいですか?」と先生は10年前と同じ質問をされました。

「本やインターネットには載っていない、先生からしか習えない知識を学びたいです。世界中を旅してきた先生が実際にその目で、見てこられた生産地のこと、消費国のこと、工場や機械のことから、茶器のことまで、歴史も学びたいし、中国茶もかじりたいし、各国の紅茶年表も作りたいし。先生、どうしましょう・・・やりたいことがありすぎます」と答えると・・・

「じゃあ、紅茶を飲んでお喋りしながら、毎回、遠藤さんの質問に答えていくようなお茶会形式にしましょうか?私もまだまだ一緒に勉強したいこと、逆に遠藤さんから教えてもらいたいこと、調べたいこともたくさんあるので」と言ってくださいました。

先生と紅茶の話をしていると、時間が過ぎるのがあっという間で気付いたら4時間経ってました。

勉強は資格を取ったら終わりじゃなくて、その後に、その資格や知識を使って何をしたいかが大切だと思うから、これからもずっと勉強したいし、紅茶の素晴らしさを伝えるために誰よりも私自身がまず紅茶を好きでいて、ますます紅茶を好きになる・・・さらに紅茶を知りたくなる・・・そんな時間にできたらいいな。

10年前に習ったスプーンでひとかきの「おいしくなぁれ」のおまじない、先生も変わらずにされているのを確認して、なんだか嬉しい気持ちになった午後でした。

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