「かあさんの足」

まだ幼かったわたしの手を
いつも握り
支えてくれたかあさんは
いつしか孫が生まれ
おばあちゃんになっていた

落ち葉をかさかさ
小さかったわたしの歩幅にあわせて
ゆっくりと一緒に歩いてくれた
黄金のイチョウがあざやかに世界をかざる
かあさんと歩いた並木道

時が流れて
足がいたい
とおばあちゃんになったかあさんが言うようになった

わたしは
そっと
かあさんのあたたかい手を握る

そして今度はわたしが支えるように歩く

ゆっくり
ゆっくりと

あの頃小さかったわたしの歩幅に
合わせて歩いてくれたかあさんのように

#詩 #イラスト #絵

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