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いつものルーティン

今年の6月、梅雨入りもせず雨が降らない、ある朝のこと。いつものように事務所から軽トラに乗り換えて現場に向かう、その途中にとっさにパチリと撮ったのがこの一枚。

近くに住む野良犬だろう、トコトコと知った道のように歩いていた。

実はここには写っていないが、この犬の前にはもう2匹いる。本当は、3匹が連なって、この道をトコトコ歩いている写真が撮りたかったのだが、あいにくその2匹は先に下に降りてしまって、カメラの構図の外に出てしまったのだ。結果、この1匹だけの写真になっている。

野良犬なので、自由だが、生きていくためのいろんな苦労は避けられないだろう。にもかかわらず、トコトコと歩くその姿は心なしか、どこか楽しそうにも見えた。

彼(彼女?)にとってこの道は、毎朝通る、お決まりのルートなのだろう。最初は真っ直ぐ歩いていたのに、途中から何の迷いもなく左に曲がり、この道を歩いている。

私たちも、いわゆる「お決まりのパターン」が、生活の中で出来上がっている。それを何も考えずにこなしていると、楽だし、速いし、無難だ。でも、その「快適ゾーン」ともいえる場所にずっと留まり、そこから一歩も出ようとしない、というのはこれまたどうなのだろうか?

この犬もひょっとしたら、この道の先で、いつものルーティンから外れて、違う道にそれたかもしれない。そして何か別の発見をしているかもしれないのだ。

いつものルーティンは確かに大切。それは習慣で成り立っており、日々の日常を守ってくれ、自分を形作る。でも、時々そのルーティンから外れてみるのも面白い。そこには、思ってもみない発見が、世界が、存在するかもしれないのだ。

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