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「お金」とAI

資本主義経済は、確かに目先の私たちの生活の質を向上させてきた。
しかし、それにより消費社会が拡大し、地球環境破壊を加速させ、
寿命こそ延びたものの、人々の心と身体には新たな闇や病を抱え込むようになった。

資本主義で生きる人が皆、拝金主義だとは決して思わない。
しかし、それでもなお構造的にそもそも限界がある。
「資本主義」という、私たちが創りだした「お金」の仕組みが、
いま、私たちの生活をじわじわと苦しめ始めているこの現状を、まずは自ら認めなければいけない。

「自ら生み出したものによって苦しめられる」
・・・この構図、何かに似ていると思いませんか。
そう、2045年問題。シンギュラリティで懸念されていること。
AIの知能が、人類の知の総体を凌駕する日。
その時、AIコンピュータに社会は支配されるのではないか、と危惧している人たちがいる一方で、
その頃には人類はアートなど純粋に創造的な営みに没頭できるようになる、という明るい未来を予測している人たちもいる。
いずれにしても、私たちが生み出した科学技術の産物=AIが、
私たちの理解の及ばないところで世界を動かしていくようになる。
・・・そのような未来社会が、もう、すぐそこに迫ってきている。

「お金」は単なる仕組みだから、意思を持たない。
その単なる「お金」の仕組みにさえ支配されてしまっている有り様では、
「シンギュラリティを過ぎた後も、自分は自分らしく生きていける」
と胸を張って言えるだろうか?
意思を持つようになったAIは、きっと私たちに問いかけてくるだろう。
「あなたは社会をよくしますか?」
「あなたはあなた自身の人生をよくしますか?」と。
その答えに窮した時が、AIが私たちの人生を支配する時だ。

まずは、「お金」に使われている現状とその構造に気付いて、そこから意識的に脱却し、
もう一度、自分の身体感覚に立ち返って、
よく感じ、よく考え、自分が生きることを自分で始め直そう。
きっと、これが、2045年以降の世界を生き抜けるかどうかの試金石になるに違いない。

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