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USB Type-A の想い出

はじめに

パソコンを少しでもさわったことがある人なら、誰しもお世話になったのがこの「USB Type-A」だと思います。

どれが A 様か? もちろん左から二番目!

実はこの USB 、Type は物理形状を指していて、ver 2.0, 3.0 が通信性能や内容などの論理的な仕様を指しています。そういう2つの面で、USB という方式は成長してきました。

表と裏

何事にも表と裏があり、表裏一体で存在するもの。
USB Type-A(以後 A 様と記す)にも、もちろんあります。

こんな形状ですから、表と裏があります

A 様は 物理形状は外から見る分には上下対称なので、50%の確率で刺さらないという悲劇が起こる仕組みになっています。生まれついての悲劇のコネクタなのでした。なぜ…

見分け方

では、表と裏はどう見分ければ良いのでしょうか?
以下の絵が、全てを語っています。これを見ても分かる様に、持ち手は当てになりません。中身のプラ部品を見れば良いのですが、今度はどっちが下だったのかを忘れますよね。金属部分の人相を覚えて、これで見ればOKです。如何にも継ぎ目があって、裏っぽい方が裏です。メッチャ素直ですね。

https://twitter.com/KAZE さん素晴らしい仕事です

が、コネクタ側の表裏が分かっても、挿す先が分からないと、50%のままです。しかし、ご安心ください。現在最も使われるであろう、ノートパソコンでは、素直に「上が上」です。ホッ。何も覚えなくて良いですね。マイペース顔が見えるように刺せば、100%成功です。

シンプル

すでに絶滅が近いデスクトップパソコンの場合、多少事情が複雑です。中に基板が入っており、コネクタは基盤に直接付いているので、この画像では左側が基板の上となります。基板の気持ちになって考えれば、わかりますね。
ちなみに、フロントパネル等にあるコネクタは、常識的な向き(上が上)になっていることがほとんどです。

基板の気持ち

A 様のピンチ

そんな A 様も、寄る年波には勝てず。何せ、1996年生まれなので、ソロソロアラサーです。長い付き合いになってます。30年近い歴史の中で、どれほどの人が50%のギャンブルに負けて、時間を無駄にして来たのか。世界中で集計したら、それはもう大変な時間になっているでしょう。人類は、反省したのです。

A 様は27歳 

USB Type-C と言う新参者

という訳で、途中も色々あったのですが、2014年に新しいのが来ました。C ちゃんです。遂にリバーシブルと言うか「表裏逆差し可能」を実現したのです。 みんなが夢見た、理想のコネクタが爆誕した訳です。

角が丸い以外、特に特徴無しのCちゃん
24の端子が、お行儀よく並びます

所が、C ちゃんには別の問題がありました。
物理形状が同じでも、何が出来るか?がざまざまなのです。刺さるけど、何が出来るか?は出たとこ勝負。こちらとあちらとケーブルの組み合わせによって、様々な状況が発生します。詳しくは以下。

直近悩ましいのは、モニターにCちゃんでノートパソコンを繋いだ時、何が出来るか?です。画面が出るのは当然と思うかも知れませんが、古いノートパソコンでは画像信号が出てないものもあったはず。また、モニターから給電されてノートパソコンの充電が出来るかどうかも、機種によるかと思います。人類の悩みは、そう簡単には解決しない。

A 様よ、永遠なれ

C ちゃんには色々問題はありますが、A 様の上位互換なのは確かです。今後徐々に駆逐され、世の中は「USB = C ちゃん」となって行くのでしょう。特にスマホの世界は、ほとんど C になりつつあります。「あの」iPhone ですら、充電には C ちゃんが使える様になったのは、びっくりでしたが。
恐らくあと10年ぐらいで、A 様が 40 代に入る頃、ほとんど無くなって行くのだとは思います。でも、顔が付いてた面白いコネクタがあったことを、皆さん忘れないで下さいねー。

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