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REDMINE と JIRA の違い

私は、どちらも仕事で使っています。が、少々 redmine を使うことの方が多く、少し redmine びいきになる可能性がありますが、ご容赦下さい。

1.OSS かパッケージか
 当たり前の話ですが、OSS にはライセンス費用は不要で、いくつ立てても費用はかさみません。なので、理想的な数だけ立てることができるし、始めるのも増やすのも(費用面では)簡単です。
 パッケージの JIRA は、それなりに覚悟を決めて導入することになります。その代わり、品質をメーカーが担保してくれますし、ちゃんとしたドキュメントがあったり、導入教育をしてくれたり、問題があれば問い合わせも可能です。

2.でも、最近は?
 大昔、フリーソフトとか、PDSと呼ばれていた頃は、仕様に癖があったり、面倒だけど必要な処理を作者が意図的にサボったりと、まあそれなりのものもありました。しかし、昨今 OSS のプロジェクトで作られているものは、ちゃんと Stable バージョンを選べば品質は安定しており、世界中の利用者がチェックをした後の品質となります。結果として利用者が少ないパッケージよりも、メジャーな OSS の方が品質が良い事があります。
 情報やドキュメントについても、OSS の方がネット情報が多い傾向にあり、昔ほどハンデがない様に思います。

3.趣味なのか、仕事なのか?
 趣味のアプリの場合、新しい(流行の?)UIやクールなデザインで目を引いて、選んでもらう必要があります。特にパッケージの場合は、見た目や使い勝手が選択の理由になる可能性は高いですよね。
 しかし、仕事で使うとなると話は別です。チケット駆動開発の中核として、基本動作がきっちり動くこと(完全性と可用性)が重要であり、UIの変更は操作の間違いや教育コストの増加につながる可能性があります。

4.redmine の場合
 OSS としては、かなりゆっくりな進化のソフトと思います。最近強化された機能も「最初からそういう仕様でよかったよね」と言うものがあり、使い勝手に拘る人は多数の Plugin を使ってカスタマイズすることが普通になっています。もちろん本家の正常進化は大変有り難く、Plugin の作者の方々の貢献も素晴らしいと思いますが、私(一応職業計算機屋の端くれ)にとっては、基本動作がきちんと動くことが最優先です。現在のredmine には生産性を阻害するほどひどいUIはあまりないと思いますし、私が使い始めた2.x時代から、本質的な変化はないと思います。

5.ツールとしてのredmineに(1ユーザとして)お願いしたいこと
 ネットの世界は日進月歩、新たな脆弱性が見つかり、攻撃者も増えています。その中で、機密性(いわゆるサイバーセキュリティ)を「許容できるリスクの範囲内で」維持していただきたいのです。
 この条件がクリアできないと、仕事では使えなくなります。いくら完全性や可用性が高くても、UIが優れていても、セキュリティ上問題があるツールは採用できません。そういう意味で Rails のバージョンアップに追従することは重要で、今回の4.0 の強化方針はとても納得がいくものです。限られた開発リソースを必要な所に向けてもらっている、という安心感があります。
 OSS の中には作者がソフトに興味を失って、セキュリティ上の問題があっても対応されずに、仕事では使えなくなるという事があります。ひょっとしたら redmine と JIRA の一番の違いはそこかもしれません。JIRA は一定のユーザがいて、ライセンス費用を払っているため、ビジネスとしてバージョンアップを行える。しかし、redmine はそこを作者のボランティアに頼らざるを得ない。

6.終わりに
 ソフトウェアは生き物であり、様々な意味で成長するからこそ価値があるものです。こうして redmine についてブログに書くことが、利用者の裾野を広げ、集合知が増え、作者もやる気になってもらえるといいなと勝手に思っています。




 

 


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