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iPhoneについて

1.背景
こう見えて?も自分、ガラケー時代に携帯開発に関わっていました。電話としての必要要件、当時(FOMA等の3G携帯)の様々な機能と、その仕様調整などに日夜苦労してました。その後、3GSでiPhoneを持ち、4S,6 と続けてきたのですが、その後 Android に引越ししています。なので、iOSと Android の両方の完成をユーザとして見ても来ました。なので一度、ガラケー開発者からiPhoneがどう見えていたか、今の iPhone をどうみるかの昔話をしてみたいと思います。

2.出会い
日本では FOMA 全盛。N906i が出ていた頃に iPhone 3G は発売されました。当時、未来を正確に予想している人は誰もいませんでした(ジョブス自身だって予想してなったと思う)。私達ガラケー開発者から見ると、相当の欠陥商品です。あれと同じものを私達が作ったら、日本のキャリアはどこもOK出さないと思います。それぐらい、電話としての基本を知らない人が作ってました。
よくある特殊ケースとして、発信中に着信が来たら着信優先というルールがあるのですが、そこでリセットしてしまう様な状況でした(3GSの時代で、もちろんすぐに治って行きましたが)。単純な仕様誤解/品質問題以外にも、携帯電話という製品の特殊性を無視して、パソコンの様に作るのにも、びっくりしました。消音はボタンで行い、とにかくボタンをスライドさせたらなんでも音はしなくなる。イヤホンでもタイマーアラーム音でもです。LEDも付いてないので、充電中かどうかもわからない。着信や SMS 受信があっても、インジケーターがないのでわからない。音を出す権利は、あとから音を出すアプリがとにかく取ってしまうなどなど。
段々ソフトが改善されて、携帯電話らしくなっていくのですが、それでも未だに???な仕様は多数残存してます。製品仕様を切るのが下手なのか、ソフト開発が下手なのか、色々悩ましい製品です(お金も開発者も十分にあるはずなのに)。

3.未だに謎な仕様
先日、会社の人が「会社携帯が iPhone になったんだけど、困っている」と相談がありました。「着信履歴がある時に、通知する機能はないの?」「充電が終わったら知らせる機能はないの?」「そもそも、充電中なのかが良くわからないんだけど」等々。
はい、全部出来ません。なにせ通知のLEDが無いのですから(ちなみにガラケー時代はそんなもん作ったら絶対キャリアが逆上でしたし、Android も通知用の LED は付いてます)。
ちなみに、キャリアの皆様はとにかく通話を守って欲しいのです。それがサービスの基本であり、収益の源泉なので。だから、着信履歴は「絶対に」気付かせないと駄目です。次の通話の元ですから。充電も同様で、通話したい時にバッテリが無くなっていたら、通話が発生しない=売上が上がらないという論理です。

4.未だに謎なHW仕様
謎なのはSWの仕様だけではないです。ガラケー時代、重要な仕様の一つは「ストラップホール」でした。ガラケーを100g以下にする事に苦労していた頃、ストラップに100g以上のぬいぐるみをジャラジャラ付けていた皆さんに重要な機能だったのです。また、会社携帯を持っている会社員の皆さんは、情報セキュリティをうるさく言われていると思いますが、その対策の一つは「ストラップを付けて、首から下げて落とさないようにする」です。
しかし、ご存知のように iPhone には最初からそういう「機能」はなく、未だに付く様子がないです。
通知の LED が無いのも、どうしてそこにこだわるのか良くわかりませんが、とにかく今後付く様子は無さそうです。
コネクタを世間標準にせず、また時流の前に勝手に外してしまうのは、apple という会社自体のもはや「癖」なので今更文句は言いませんし、SDカードを受け付けないのは製品販売上の戦略なので仕方ないんでしょうが...

5.そして謎の国日本
広く世界を見ると、もう誰も Android と iOS でどっちが?などという議論をしていません。製品普及率を見れば、Android の一人勝ちは決定事項。iPhone が売れているのは、日本だけですから。この記事、最後の考察は別としてデータはわかりやすいです。
蛇足ながら私の考察を書いて、この記事を終わろうと思います。

「今までは、毎月の携帯費用の中で分割支払させて、スマホ自体の費用を見えない様にキャリアがしていた。だからコスパの悪い iPhone でも売れた。でももう限界です。日本人だって、成金ばかりじゃないです。」
#これ、ガラケー時代から同じです。作ってた側から考えると、相当高い製品でしたよ、ガラケーも。


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