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警告!この記事を読んではいけない10<歌手に必要な要素とは>1 声を持っている事 2 美しい音程で歌えること の次3、4、5

<歌手に必要な要素とは>                             <1 声を持っている事><2 美しい音程で歌えること>           ここまでは前回記事の9でお話ししました。今日はその続きです。          <3 リズムがきちんととれること>                 <4 アタック音をきちんと出せること>               <5 ヴィヴラートに頼らないこと>についてお話したいと思います。

<3 リズムがきちんととれること>                     曲はリズムが刻まれています。最近のアニメ主題歌は、機械のリズムが多いですから、速度つまりテンポは一定で、揺らいだりしない曲が多いです。このリズムに合わせて、というか、リズムに乗って歌うわけです。リズム通りに歌えばよいわけですから、これはさほど難しくないはずです。

機械の場合は、揺るがないきっちりしたリズムで、奏者の場合は多少の揺らぎがありますが、人間が乗りやすいリズムになっているはずです。どちらもきちんとしていますから、それに合わせて歌えばよいわけです。そして、ほとんどの歌手は、ちゃんとそれに乗って歌うことができます。

ところがです。最近のアニメ主題歌歌手の中には、驚くべきことに、この「リズム通りに歌う」ができない人がいます。ビックリです。だって、きちんと刻まれたリズムに自分の歌を合わせるだけですよ。これができないってことは、その人、曲のリズムが聞こえてないんですね。

というか、たとえリズムが聞こえていたとしても、それに合わせる必要を感じていないんですね。というか、合わせる必要を感じていたとしても、その「合わせる」ができないんですよ。ちゃんとリズムにのれないんですよ。これ、信じられないです。

あるアニメを見ていて、主題歌の歌い手が、リズムセクションのリズムと、全然合ってないんです。ずれてるんです。気になってたくさん聴きなおしました。やっぱりずれてるんです。原因は歌い手がリズムに乗れていないからです。合わせられないんです。信じられないですけど。

歌い手が、ちゃんとしたテンポで歌えていないんです。ここまでくると、もはやレベルが高いとか低いとかの問題じゃないです。ポピュラー音楽、ポップス、アニメ主題歌とかの歌って、歌と伴奏が比較的キッチリ分かれていますから、リズムに迷うようなことはないはずです。

それに、リズムに対する感覚が良くなくて、リズムと少々のずれが生じることは、別に珍しくないですし、ほんの少々ずれたからと言って、そうそう全的音楽性に影響があるわけでもないです。極論すれば、みんな少しづつは、ずれていたりするものです。

ところが、ほんの少々ずれた、というレベルでなく、明らかにリズムセクションと別のリズムで歌っているような歌手が、本当にいるんです、信じられませんが。もっと信じられないのは、そんな状態のまま、完成品として、アニメの主題歌に出してしまうプロダクション。いいんですかそれで?

本当の事言っていいですか? そのプロダクションの方々に言いたいです。物事には限度ってものがあると思います。いくら何でも、もう少し真面目に音楽に取り組まれてはいかがですか? あなた方のプロダクションご自身の名誉のためにも、その歌い手の名誉のためにも。

あんな出来の歌を世の中に流してしまっては、聴いているこちらも聞き苦しいです。そんな出来の歌を流してしまうから、私のようなブラックな奴に、「最近のアニメ主題歌は、作曲も歌も歌い手も<耳腐るレベル>」なんて、言われちゃうんですよ。リズムくらいきちんとさせてください。

<4 アタック音をきちんと出せること>               ➀ 音の出だしは、ずり上がっちゃいけない                  アタック音とは音の出だしです。人間は息を吸わないと死んぢゃうので、歌を歌う時も、時々息を吸うことが必要です。歌全体を細分化すると、段落ごと、フレーズ毎、となりますか。多くの場合、一息で歌える部分を「1フレーズ」と言います。アタック音とは、フレーズの最初の音です。

この最初の音の音程を美しく出せるかどうかが、歌い手の価値に大きく影響します。皆さん、誰でも歌を歌いますよね。歌の出だしの音、最初の音から、正しい音程に「パンッ!」と当てる事、できますか?我々専門家は、「音を当てる」という言い方をします。当てられますか?

これ、普通できないんです。人間の声の性質として、いきなり正しい音程に「パンッ!」と当てるのは難しいことなんです。人間の声、多くの場合、下の音から「ニョロッ」とずり上がってから、正しい音程に達することが多いんです。でも、歌い手は、これやっちゃいけません。

だってフレーズの最初の音って、そのフレーズがどんなフレーズかを決定づける、非常に大事な音です。歌い手は、楽器で鳴らすように、最初の音を、「パンッ!」と当てなくちゃ、少なくとも当てられる技量を持ってないといけません。「ニョロッ」とずり上がると、多くの場合、素人臭くなります。

「ニョロッ」とずり上がること、絶対やっちゃいけないというわけではありません。誰でもみんな、少しずつは「ニョロッ」となる部分はあります。ただしそれは、「ニョロッ」とした方が、「パンッ!」と当てるより、美しくなる場合だけで、そういう場合だけ、ごくたまに「ニョロッ」として、

あとの殆どの部分を「パンッ!」と当てる。特に曲の最初などは、音楽のイメージが確定しちゃうので、ほぼすべての場合で「パンッ!」と当てることが必要です。上手な歌手は、みんなこのようにやってます。ところがヘタクソな歌手はこれができないんです。多くの音が「ニョロッ」です。

ヘタクソな歌手は「ニョロッ」の度合いも大きく、ある歌手など、ご丁寧にも多くの音で、ほぼ1音という大きな幅で下から上に向かって「ニョロッ」とずり上がっています。これでは、作曲家が作ったメロディーが本当はどんな旋律だったのか、判らなくなっちゃうじゃないですか。

上手な歌手は、ほとんどの音を「パンッ!」と当てています。そして高音部のごく一部、ほんの少しのずり上がりが美しく聴こえる部分だけ、計算して、ほんのわずかに「ニョロッ」を意図的に使うんです。これで歌は、大変美しく聴こえるようになります。

そんなに大切で、そんなに必要な事なら、歌を勉強する最初の段階で、まずそれを教えればいいじゃないか? という質問が飛んできそうですね。そうです!その通りです! 歌を教える先生は、まずそれができるような教育を、生徒にちゃんと教えていますよ!

でもこれ、教えようとすると、非常に大変な部分なんです。本当にたくさんの項目、骨とか筋肉とか呼吸とか、そういうことを全て把握した上でないとできないんです。そしてほとんどの歌手は、それができないまま、先生から離れちゃったんですね、きっと。

あるいは、先生が一生懸命教えようとしたにもかかわらず、先生のいう事を聞かずに教室を飛び出しちゃったんでしょうか。アニメシーンで主題歌を歌っている歌手の約9割は、これができません。その原因、想像がつきます。アタック音をきちんと出すって、これ怖いんです。怖くてできないんです。

逃げたいんです。だから音としてはまず、下に逃げ、下から上に向かって「ニョロッ」とずり上がる。これなら怖くないからそうやるんです。約9割の歌手がです。だから私のようなブラックな奴に「耳腐るレベル」とか言われちゃうんです。

「読んではいけない」と警告しましたが、警告を無視して読んでくださってしまった方々は、様々なアニメの主題歌、聴いてみてください。最初の音で「ニョロッ」とずり上がってしまう歌手、その歌手はその後も「ニョロッ」を多用しているはずです。

上手い人は、特に最初のフレーズ、最初の音は、必ず「パンッ!」と音を当てているはずでして、その後も、「ニョロッ」のずり上がりは、少ないはずです。歌手に対して、今日は非常に厳しいことをお話してしまいました。そして、今日はここまでにします。

実はこの、<4 アタック音をきちんと出せること>には、もう一つ項目があります。最初の項目は、今お話しした                ➀ 音の出だしは、ずり上がっちゃいけない  でした。そして次の項目は② アタック音はアタックなのだからクレッシェンドで入ってはいけない です。これと<5 ヴィヴラートに頼らないこと>を、次回にお話したいと思います。あ、警告しましたからね、読んではいけないと。 

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