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警告!この記事を読んではいけない37「銃」について4<長銃の装填方法>

前回の記事で、拳銃のカートリッジの装填方法をお話しました。拳銃はリボルバーとオートマチックの2種類があり、それぞれ装填方法が違うというお話をしました。長銃ではどうなのかというと、拳銃以上にあまりにも種類が多く、そのそれぞれに装填方法が違います。

種類の多さは時代ごとに銃の種類が変遷していっているからです。昔の長銃からお話を始めると、あまりに種類が多くなりすぎますし、私自身もその全てを知っている訳でもないので、ここでは現在の長銃の、それも代表的なものに絞ってお話をしたいと思います。

まず長銃を、大きく2つに分けましょう。単発銃と連発銃です。単発銃とはその名の通り、カートリッジを1発ずつしか装填できない銃です。1発撃つごとに、レバーでガチョンと排莢して、その後新しいカートリッジを1発、チャキッと入れて、更にレバーでガチョンと装填するのです。

1発1発にこうまで時間と労力を使わなければいけないなんて、大変、攻撃の効率の悪い銃と言わざるを得ません。全部連発銃にしてしまえばよいではないか、と言う声が聞こえて来そうです。何故単発銃が現在でも残っているかというと、単発銃でしか実現しない性能があるからです。

ではいったい、どうのような銃が現在でも単発銃として残っているかというと、それは狙撃銃です。狙撃銃とは、その名の通り、狙撃に使う銃です。狙撃とは、遠くの的に銃で狙って弾丸を発射して当てることです。これ、実は物凄く難しいことです。

そもそも銃なんて、いくら狙ってもそうそう的に当たるもんぢゃないです。銃で遠くの的に弾丸を当てるには、まず、発射の瞬間に銃が動いてはいけません。ぶれない事が大事です。しかし、引き金を引く瞬間は、どうしてもぶれやすくなるんです。よほどの訓練をしないと、ぶれずに引き金を引くなんてできません。

もしぶれずに引き金を引けたとしても、発射された弾丸は、まっすぐに飛んでくれるんでしょうか。そうそうまっすぐに飛ぶものではないんです。まず最初の障害になるのが、カートリッジが銃の中で、ちゃんとまっすぐ固定されているかどうかです。

カートリッジは、銃の中でちゃんとまっ直ぐになるように固定されるものなのですが、実はここに、狙撃銃が他の銃と違う構造があります。連発銃は、弾丸の連続発射を可能にするために、複雑な機構が組み込まれています。これは、カートリッジをきちんと固定するためには、邪魔になる機構です。

というか、機構が複雑になればなるほど、カートリッジの固定角度は装填の度に、ほんの少しですが、ばらついてしまうのです。装填角度がずれると、発射時に、ごく僅かですが、発射方向のずれが生じ、発射の度に弾丸にかかるガス圧が一定しなくなります。これが弾丸がまっすぐ飛ぶことの妨げになります。

この妨げは、ごくごく僅かなのですが、弾丸がまっすぐ飛ぶ事を精密に要求される狙撃銃では、このごくわずかな妨げが性能の信頼性を損なうのです。狙撃銃は、いかなる状況でもカートリッジを最適位置にガチッと固定できなくてはなりません。そこで登場するのが、単発銃です。

単発銃は、装填に複雑な機構はありません。カートリッジをいかなる場合も最適位置にガチッと固定できます。ただし1発ずつです。そして、1発ごとに人間が手でレバーやハンドルをガッチョンと動かして、排莢と装填をするのです。非常に手間がかかります。連射もできません。

カートリッジを最適位置に固定するためには、どうしてもそういう機構が必要なのです。連発可能な狙撃銃と言うのも、あるにはありますが、狙撃手はほぼ全員、単発式の銃を選ぶと思われます。なんせ狙撃銃は、命中精度が命ですから。

こうして単発銃は狙撃銃として現在でもしっかりと存在感を放っています。狙撃銃以外の単発銃も、あるにはありますが、それは昔風の銃なので、ここでは説明を割愛します。最初に狙撃銃と言うやや特殊な銃の装填方法をお話ししましたので、次もやや特殊な銃の装填方法をお話ししましょう。

散弾銃です。今ではショットガンと言った方が通りがいいようです。散弾銃は、その名の通り、散弾を発射する銃です。散弾銃の弾丸は、それ以外の銃の弾丸と、大きく違います。散弾銃のカートリッジも特殊です。散弾とは、小さなたくさんの金属球で、これを1度に打ち出すのが散弾銃です。

普通、銃のカートリッジは、1発の弾丸、1つの薬莢、1つの雷管で構成されています。散弾銃のカートリッジは・・・そもそもこれをカートリッジとは言いません。散弾銃のカートリッジは普通、ショットシェルと言います。このショットシェルの構造は次の通りです。

他の銃のカートリッジは金属製ですが、ショットシェルの大部分は合成樹脂です。そして雷管の部分だけは金属でできています。ショットシェルの形は円筒形でして、先端は、弾丸である小さな金属球がこぼれないように、フタがしてあるだけです。

ショットシェルの中身は、先端から「散弾」「火薬」「雷管」となります。撃発装置は普通の銃と同じです。撃針が雷管を叩き、雷管が破裂すると火薬に点火され、火薬の爆発はショットシェル内で膨れ上がり、ガス圧で小さな金属球たちを、銃身内で加速させ、銃口から打ち出すのです。

銃口からは、1度に多数の小さな金属球が打ち出されます。他の銃は、銃身と弾丸の直径が同じですから、効率よく加速された上、ライフリングによって回転運動が与えられますが、散弾は小さいので、回転運動など与えられません。おまけにまっすぐ飛ぶのではなく、広がりながら飛んで行きます。

つまり遠くの1点の目標を狙う銃ではないということです。小さな弾丸が、扇状に広がりながら飛んでいきますので、大きな威力は期待できません。そのかわり、広がりながら飛ぶので、1点を狙えなくても、ある程度の範囲の的ならば、小さな金属球のいくつかは当てる事ができるという訳です。

そもそも本来、散弾銃は、飛んでいる鳥を狙うための銃でした。鳥は飛んでいます。それもかなりの速度で。これに狙いを付けるなど、出来るはずもありません。そこで、1点を狙うのではなく、弾丸が広範囲に広がるような銃が開発されたのです。これが散弾銃です。飛んでいる鳥を撃つには、実に効果的な銃です。

ところがです。人間の欲望とはとどまるところを知らないものでして、この散弾銃、ショットガンを改良、と言うか強力な銃にしちゃった奴がいます。どう強力にしたかと言うと、まず弾丸の小さな金属球、これを、数を減らしても大きな金属球に替えます。そして、火薬を強力な火薬に替えるのです。

すると、結果としてとんでもない兵器になります。もしこれを、至近距離で人間に向けて撃つとどうなるでしょう。通常の散弾よりかなり大きい金属球が、一度にたくさん、それも広がりながら人間の肉体を貫きます。すると、普通の銃で撃つより、はるかに大きなダメージを、人体に与えるのです。

つまり、接近戦用の対人、対動物兵器としては、これ以上ない超強力な兵器になってしまうのです。あ、装填方法の項目なのに、ショットガンの説明になってしまいました、すみません。ショットガンの弾倉は多くの場合、銃身と平行に配置された筒型弾倉です。装填方法は、通常は1発ずつチャキッ、チャキッと装填します。

しかし、戦闘用の特殊装填方法もあります。筒型弾倉には、普通6~7発のショットシェルが入りますが、これを1度にジャキンッ!と入れる方法もあります。これには「クイックローダー」と言う器具を使います。装填口に当てて、棒でジャキンッ!と押し込むんです。

漫画やアニメの「亜人」で、佐藤さんがこの方法で戦闘中に何度も何度も、ジャキンッ!、ジャキンッ!、とやってました。滅茶苦茶にカッコよかったです!

今日はここまでにします。次回は、ショットガンの続きを少々お話ししたいと思います。

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