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『複業を語る』その7:どうやるの?研修講師。

さて、企業内診断士の副業・複業の実態について語る、シリーズ『複業を語る』。今回も副業・複業の実態を赤裸々に語っていきたいと思います。

今回は、実際複業をやって、感想含めたレポートを書いてみます。

まずは研修講師ということで、某大手IT商社で、「理論政策更新研修」を実際やらせて頂いたお話をしたいと思います。

2022年9月17日、「組織の生産性を高めるために、成功循環モデルをどうやって機能させるか?」を受講生と一緒に考えるという内容で、研修を開催しました。「成功循環モデルを機能させる」ための方法を、勤務先での経験やトライしたこと等を踏まえて説明し、40名の方に参加いただきました。自分の価値観・他人の価値観を確認するプロセスを、「価値観ババ抜き🄬」というブラウザゲームを通して受講生に体験してもらうという、ちょっと変わった立て付けが好評でした。

1.スケジュール

まずは、4月の下旬、研修事務局から、7~9月の登壇希望と日程を聞かれます。自分はできるだけコンテンツ制作の時間が欲しかったのと、仕事の繁忙の関係で、9月を希望しました。日程は、希望を出してから一週間程度で確定しました。毎回そのくらいの期間で決まるのか、正確にはわかりませんが、一回目も比較的早く決めてもらった気がします。

併せて、研修の概要を提出する必要があるので、このタイミングまでにある程度、どんなことをやるのか妄想しておく必要があります。

研修の概要を考えるうえで気になることが、白書の内容ですよね。さすがに9月の開催ですと、2022年度版の白書の内容で研修を開催するべきと考えますが、このタイミングでは、白書はまだ刊行されていません。しかし、白書の内容は概要という形式で中小企業庁のサイトに載っているので、そこから、「おそらくこんなことが書かれるはず」という想像力を膨らませて、「何を話す」か、ひねり出す必要があります。

また、5月の連休明け、事務局の方と打ち合わせを持ち、「価値観ババ抜き」というゲームの実施是非を確認して、OKを頂きました。

事務局からのOKを頂いてから、本格的にコンテンツの制作に入りました。4か月あれば、普通のコンテンツ制作には十分な時間だと思います。ただ、今回は、組織の生産性を上げるための実際の取組をコンテンツに盛り込みたかったので、早めに着手して、成功・失敗も含めて盛り込みました。

8月くらいに、環境面、また、ブレイクアウトルームや投票機能等の機能面の確認をするために、事務局と打ち合わせを実施しました。事務局との打ち合わせは、その2回だけでした。

配布用の資料提出は一週間前なので、提出してからは、ひたすら、喋りの練習をしてました。

2.研修環境


事務局からは、プレゼン用のパソコン以外に、トラブルが発生した時に使える予備のパソコンかタブレットの用意を依頼されました。それ以外、特に事務局からの指示はありませんでした。ただ、自分の場合は、マンションのネットワーク環境に不安があったので、高速インターネット環境が用意された会議室を借りて、そこから研修に参加してました。

3.メリット


研修を開催する一番のメリットは、これまでの学びを定着させる機会になることでしょう。自分がこれまで学んできたいことを確認して、誰かに伝えることになりますので、「ラーニングピラミッド」の例を持ち出すまでもなく、学んだことを復習する絶好の機会となります。

また、自分がやってきたことも説明するわけですから、自分の取組を振り返る機会にもなります。そして、これまで実践してきたことを振り返ることで新たな気づきがあり、それを試してみようという新しいアクションにもつながりました。

当然、プレゼンテーションの練習にもなりますね。診断士という、比較的プレゼン慣れした方々を前にいろいろ説明するわけですから、ヘタレを打ってお客様を逃すわけにはいきません。日頃の自分からは考えられないくらい練習して、本番に臨みました。

後、意外と知られていませんが、講師一回やると知識ポイントが1ポイントもらえます。従って、年に5回講師をやると、理論政策更新研修は受ける必要はなくなります。まあ、診断士たるもの、インプットのための更新研修を一度も受けなくてもよいのかという問題は残りますが・・ww

4.デメリット


コストパフォーマンスですかね?
一般的な研修コンテンツは、一度作ってしまえば、いろいろな局面で使いまわせるのがメリットですよね。しかしながら、自分は「研修を開催すれば、たくさんの人たちが集まってくる」ような有名講師ではありません。一度作成したコンテンツで多くの人を呼べるわけもなく、開催できる回数は、年に一回がいいところでしょう。また、これはある意味、理論政策更新研修の「縛り」ですが、白書の内容は改訂されますので、一年に一度、白書部分は入れ替える必要があります。そのことを踏まえて、プレゼンの練習時間も含めて講師報酬を時給換算すると、(おそらく)目も当てられないような数字になる気がします・・・ww

ただ、そのコスパを考慮しても、診断士活動全般として考えれば、デメリットよりもメリットが上回ると、少なくとも自分は考えています。

皆さんも、一度、登壇を検討されてはいかがでしょうか?

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。