約30億円につながる、「クリエイティブの質」のはなし

前回(こちらの記事)まで、自分たちがやった個人向けレーザー加工機のクラウドファンディング(以下、CF)を例にとりながら「デジタルマーケティングの戦略設計」について、偉そうに書いてきましたが、
実は米国では同じ「レーザー加工機のクラウドファンディング」で、われわれのさらに50倍、約30億円集めた事例があります。

Glowforge - the 3D laser printer
$27,907,995 SOLD IN 30 DAYS
THE BIGGEST 30-DAY CROWDFUNDING CAMPAIGN IN HISTORY

細かなスペックに違いはありますが、ザックリいえば同じ「レーザー加工機」の「クラウドファンディング」で30億円、、、

以前紹介した国内のもうひとつのレーザー加工機のクラウドファンディング(総支援額314万円)から比較するとその差1,000倍!!

もちろん、この1,000倍の差は前回まで書いた「デジタルマーケティングの戦略設計」によるところも大きいですが、リンク先を見ていただくとわかる通り、もう一つの「クリエイティブの質」の差によるところも非常に大きいと個人的には思っています。
(ここでいう質というのは、単に見た目がキレイということではなく、
そのクリエイティブが「どれくらい目的に沿ったものになっているか」を質と表現しています。)

CFの成果=「デジタルマーケティングの戦略設計(左脳)」×「クリエイティブの質(右脳)」
この左脳と右脳がそろわないと、最終的な成果につながらない。それこそどちらかがゼロだと、もう片方がいくら素晴らしくても結果はゼロになってしまう。そんなことに気づかされました。

「日本人は、見せ方が下手」とよく言われますが、それが端的に表れているのが、この日米それぞれのレーザー加工機のクラウドファンディングにおける動画かと思います。
米国、GlowforgeのCF動画(総支援額:約30億円)
日本、PodeaのCF動画(総支援額:314万円)

この両者の違いをものすごく短絡的に言葉にすれば、米国Glowforgeの動画は日本Podeaに比べて、
・素人の怪しい感じがない(カメラの質と、常にMoveする等の撮り方)⇒"信頼感"
・最初の30秒以内に掴みがある
・スペックの説明が一切ない、代わりに"人"や"表情"がある⇒「これを自分が手に入れたら?」をイメージしてもらうことにフォーカス


CFという、「どこの馬の骨かわからないような人たちが、有象無象とやっている、よくわからないプロジェクト」でみせるべきクリエイティブ(動画)は何か?という点で考えてみると、
・素人の怪しい感じがしない⇒"どこの馬の骨"感を解消
・最初の30秒以内に掴みがある⇒有象無象に埋もれることを防ぐ
・「これを自分が手に入れたら?」にフォーカス⇒"結局よくわからない"感を解消
という意味で、Glowforgeの動画はCFのクリエイティブとしてやはりポイントを押さえているのかなと感じました。


当然これらの内容は実際自分たちが動画を作る時も徹頭徹尾意識したポイントになります。

ただし、これを文章で書くのは簡単なんですが、実際に自分たちのこととなるとそう簡単には行きません。
よくありがちな話ではありますが、開発したエンジニアからしたら「ここのスペックは他より絶対優れてるからぜひ動画でもアピールしたい」とか、マーケターからしても「やっぱりあれも言っておいた方が他との違いがわかりやすいんじゃないか」とか色々と心惑わされることが出てきます。

それでも、そんな惑わす声を振り切って「クリエイティブの質」=「どれくらい目的に沿ったものになっているか」=「付随的なものをどれだけそぎ落とせるか」、という点で自分たちが作ろうとしている動画を考え直すことが重要なことだと痛感しました。

そんなことを意識しながら、自分たちで絵コンテの手前まで動画の内容を決め、その後はPV撮影などをメインにしている動画会社に撮影を依頼して出来たCF用動画がこちら。
FABOOL動画
(Glowfrogeの動画あとに見せるのはなんだか罰ゲームみたいです、、が、上記の意識した点はわかりやすいかなと思います)

この動画はCFはもちろんのこと、その後の海外向けのマーケティングでもSNS広告用のクリエイティブとして使用し、1週間で数千シェアされるなど活躍してくれました。

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前回の投稿でも書きましたが、米国でCFを実施する場合「1,000万円を用意し、そのうち500万円を動画に使え!」とアドバイスされることもあるとのこと。
日本のCFで、100万円以上かかってるだろうなと思う動画を見ることはほとんどありませんが、やはりこのクリエイティブに対する意識の差はまだまだ大きいものがあるように思えます。


ここまで書いておきながらですが、そもそもこういうトピックについてガチガチの左脳人間で絵心のかけらもない自分が意見を言うのは憚られる気がします。

でも、そういうガッチガッチの左脳人間こそ、右脳の領域というかクリエイティブの領域に踏み込んでいくことで「デジタルマーケティングの戦略設計」の効果が何倍にもなることを身をもって実感したのが、実はCFを通して得た一番の収穫だったかもしれません。


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有井誠

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